探偵一族の秘密
お父様の家についた。
お父様は何か騒いでいた。
「どうしたの?お父様」
「いや、何でもないんだ、キラリは気にしないでくれたまえ」
「そう、ならいいわ」
「ところで、何で、キラリはここにいるんだ?あれ?キラリのご友人もいらっしゃるじゃないか」
「実はね、私たち、この前怪盗がここに侵入して盗んでいったあの白い球のことが気になってきたの」
「なるほどな」
お父様は少し考え込んだ
「キラリ」
「何かしら?」
「お前がそれを知るのはまだ早い。だが、いずれ必ずわかる。それまで待つんだ」
「何で、そう、隠すの?私だってこの家族の一員よ?知る権利はあるわよね?私は何で何も知らされないの?ねえ?何で?」
「それはだな、そう、決まってるからだよ」
「そんなこと言わずに教えてやればいいじゃないか」
どこかから声がした。
「何物!?」
私は大声で叫んだ。
「ブラックめ」
お父様は小声で言う。
気がつくと目の前には全身黒づくめの小柄な男がいた。
「俺がブラックだ。死神様の命令によりゼウスを殺す」
「それは無理よ。私たちには守山一族がついてるんだから!」
「いや、キラリ。よく見ろ」
お父様が指をさす。
「あ、あれは...」
指の先には傷だらけの守山一族がいた。
「ほとんどの守山一族は致命傷を負っているようだ...だが、アックスは格が違うぞ?」
お父様の後ろには斧を持った大きな男がいた。
「俺はこれでも、プロの殺し屋なんでね。依頼は絶対にこなさなくちゃなんねぇ」
「この屋敷から生きて帰れると思うなよ?」
アックスが斧を振った。大地が揺れた。
「アックスは守山一族最強だ。お前ごときに倒せるはずがない」
「いや、無駄な動きが多すぎる」
ブラックはアックスをめがけて、飛んだ。
アックスの顔には傷ができた。
「アックス、ここは任せた。キラリ。逃げるぞ」
お父様に連れられて逃げた。
お父様はマイクを取りだした。
「カメジイ、緊急脱出だ。屋敷を爆破するぞ」
私は立ち止まった。それは私がマキにやったことと同じだからだ。
「待って」
「キラリ、早くしろ」
「お父さん、いますぐいまいったことを取り消して」
「何を言っている、そうしなければ、我々はブラックに殺される」
「自分が何を言ったかわからない?ここには守山一族の人がたくさんいるんだよ?見殺しにするつもり?」
「そうしないと生きていけないからな」
「誰かの犠牲がないと生きていけない?アックスはお父様のために戦ってるのよ?」
「それがどうした、関係ない。我々一族はそうして栄えてきたのだ。守山一族はまだたくさんいる」
「ふざけんな」
「ふざけんな、何も知らないのはお前じゃないか」
「教えてくれないんでしょ?」
「もういい。お前もここで死ね」
お父様は先に進んでしまった。
「キラリ!」
輝間の声だ。
「何か騒がしいぞ。どした?」
私は今までにあった事情を全て話した。
「なるほど...守山一族と探偵一族の関係か...」
「とりあえず、アックスのところに行こう」
私たちはアックスとブラックが戦っているであろうとことに向かった。
私たちが辿り着いた瞬間、アックスはナイフでメッタ刺しにされていた。
「マキ!」
マキがブラックと戦い始める。
「ふん、こちらのお嬢さんはなかなか強いじゃないか」
しかし、マキの攻撃は当たらない。
「ごめんな。余計な殺生はしないんだ。このでかいやつも生きてる。早く治療をしてやれ」
ブラックはお父様の方へと向かった。
「キムジイ!」
「わかっておりますぞ!」
キムジイは治療の手配をしている。
「お嬢様たちは早く!お父様のところへ!」
キムジイの言う通りお父様のところへ向かった。
もっともお父様はこの屋敷を爆破するつもりだ。もうとっくのとうにヘリに乗って脱出しているはずだ。
大広間へと出た。
そこにはお父様が座っていた。
「お父様!なんで!」
「愛する娘を置いて逃げられるわけないだろ」
「お父様...」
しかし、お父様の後ろにはブラックがいた。首にはナイフが触っている。
「ふん、親子の愛情か。涙が出ちまうな」
そう言いながらブラックは笑った。
「マキ!」
マキは動こうとした。しかし
「おっと、動くなよな?これからが大事なんだ」
そう言って
「さ、ゼウス。娘さんに話さなくちゃいけないことがあるんじゃないか?」
「あぁ。キラリ。これがお父さんから言えることだ。白い玉の秘密はまだ言えない。あれについては知るな。核心に迫りすぎだ。でもこっちの方が重要なんだ。我々一族は何年も昔一人の王についていた。その王は市民からの反感を買い、姿を消した。その時の王についてた賢者と呼ばれた人間の末裔だ。同じく守山一族も王に仕えていた。彼らは兵士と呼ばれていた人間の末裔だ。賢者と兵士。王がいなくなり彼らは互いに足りない部分を補うと決めた。それが今の関係なんだ。そして我々の他にも王に仕えていた一族はいる。彼らもまた」
お父様の声がとまった。
首がなくなっていた。
「おっと。それ以上は言い過ぎだぞ」
そう言いながらブラックは持っていたお父様の首を投げた。
「じゃな。あばよ」
ブラックは消えた。
お父様が最後に残した言葉。
王に仕えていた一族。
互いに補い合う兵士と賢者。
他にもいる
彼らもまた...
続く考えられる言葉は
「お互いに欠点を補い合っている」
正直言おう。意味不明。
お母様が帰ってきた。
お父様の首を見たお母様は小さな声でこうつぶやいた
「お疲れ様」




