eighteen tomorrow
そのあと、楢木さんと母は僕と、真矢さんの婚約を解消しようとした。
けれど、
「奥様!失礼します。旦那様からの伝言がございます。只今、よろしいでしょうか?」
急ぐ使用人の声。
「言いなさい」
母は落ち着きながら、兄と真矢さんと、結婚式のパンフレットを見ている。
それは、兄と真矢さんの式のため。
だいたいは決まっているが、やはり選ばせてあげたいと、思うようだ。
「旦那様が、明日帰ってくるそうです」
空気が、凍り付く。
そして、母は
「史乃!真矢さん!急いで婚姻届を出しなさい」
母は、すごい剣幕で言った。
つまりは、出してしまえば、それでいいと。
でも、父さんは、きっと固めている。
もう、間に合わない。
そんな風に思うのは、俺だけか?
とりあえず、ばたばたし始めたので、自室に戻ることにした。
自室に戻る途中、あの『戸叶』さんがいた。
「澪さん!どこに行かれていたんですか?一応、言っていただかないと僕.」
「戸叶、お前の許可がないと、家の中でさえ、自由に歩けないのか?僕はなぜ、戸叶、お前に許可をとる必要があるんだ?」
これは、八つ当たりなんだろうか?
あんまり、自覚も無いけど。
もし、そうなら、僕は全く後悔も何もしていないということになる。
父が帰ってくるというのは、家の中がもっと厳しくなるということでもあり、使用人から家族でさえ、このあとが大変だ。
父の言うことは絶対。
父の期待も、絶対。
だから、婚約も絶対。
母は、その父に逆らった。母にも考えがあるんだろう。
ぼーっと考えていると、
「澪さん…○※◆□★▽▼◎■※☆……ですから……」
なんて戸叶は意味のわからない言葉を並べていた。
面倒だ。行こう。
完全無視して通り過ぎる。
やっぱり、明日はどうしようもないか。
明日には、全てがカタチを変える。