fourteen think
あの後、考え事をしていた。
父をどうしたらいいだろう。と。
景色がどんどんと暗くなっていっても、僕は進まない。
気づけば、隣には、スヤスヤと眠るチトセの姿。
可愛くて、おぼろげなその髪に触れようとして、すっーっと、消えた。
消えた。
それは、夢だったから。
僕は、目を覚ました。
現実は悲しいものだ。
これが、僕の生きる道、なのかな?
「澪って読んでよ」
聴こえるはずのない声が部屋に消えた。
なんで、僕はバカだ。
澪と、知十世の声で、聴くことがこんなにも難しいことだったかな。
あの時から、近かったからかな。
遠いことがよくわからない。
もしかしたら、隣の部屋に、チトセがいるかもしれない。
今でもそう、思う時がある。
そういえば、隣でお昼寝してたことも懐かしいな。
あの時、もっと。いや、あれは、大事な思い出だ。
「澪さ、ん?今、何時ですか?」
まだ眠たそうな目を頑張って開けている。
それが、かわいい。
まだ、寝ててもいいよって言いたいけど、もう行かなきゃいかなくて、本当の時刻を言った。
「う〜」
とか言いながら、大きく伸びをした。
おおきなあくびが印象的だった。
「行こっか。知十世さん」
あのときはまだ、さんを付けていた気がする。
あれからも何回かあったな。
懐かしい。
あのときはこんなことになるなんて、予想もしてなかった。
ただ、楽しい毎日がずっと続くとだけ思ってた。
でも、続かない。
それが、運命なのかな。
「会いたい。」
昨日会ったばかりなのにと思いながらも、怖くて仕方ない。
なぜか、もう離れられない。知十世もそう思っているかな。