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twelve hear

甘いです。

お気を付けください。

「そんな具合だ」

って言われましても、兄上、十分ラブラブじゃないですか?

真矢さんはきっと、史乃兄に惹かれてく。

そんな気がする。僕は、ただ兄さんに幸せになってほしいと思う。

ずっとずっと僕のせいで、江祇時で居づらい思いをしてきた。

僕ができることがあるのなら、できる限りしたい。

「兄さん、真矢さんは多分、兄さんに惹かれていくよ」

きょとんとする兄。

「がんばって!兄さん、僕少しくらいなら、未来が見えるよ。」

僕は、兄に目いっぱい笑って見せた。

これが、励みになるならって思ったから。

「ありがとう、澪」

今にも泣きそうな兄。

「なんで、泣きそうなの?」

そう言って、僕も泣きそうなのは、秘密。

「なんでだろうな。...なんか、幸せだなって思ってさ。目がカーって熱くなる」

そう言い終わったとき、涙が溢れだした。

僕のほうが嬉しくて、目に想いが溢れてくる。

「兄さん、幸せになってよ!ずっと、ありがとう」

もう完全に兄は目を赤くして泣いている。

「澪、ありがとう。で、その目にあるのは、涙?」

気づかれた...

「もらい泣きだよ」

二人して泣くなんて、普通に見たら何があったかとおもうよね...


 ピンポーン

その音が、部屋を駆けた。

「誰か来た見たいだな。澪、あっちの部屋行ってて」

泣き続ける目をこすりながら、隣の部屋を指さした。

インターホンのパネルを見ながら、

「どうぞ」

と言って、ロックを解除した。


部屋に入ってきたのは、声が

「史乃さん、急にすみません。えっと、なぜ被っているのですか?フード」

真矢さん。兄は、隠したかったんだろうな。


そういうと、真矢さんは俺の頭に乗っているフードを後ろへすっと回した。

「泣いてたんですか?」

驚きながら、俺を見上げる。

 耐えられない。そう思って背を向けた。

「何でもないよ」

そっと中に通した。

ソファに座っていると、泣いていたのが気になるのか、顔を覗き込んでくる。

急に視界いっぱいに真矢さんの顔がありびっくりする。

「なんで、教えてくれないの?」

あぁ。限界。

 時すでに遅し。

真矢さんを抱き寄せて、右手で後頭部を押さえてた。

そして小さな唇に、自分の唇を押し当てていた。

そして、何度も重ねた。

そのたびに、甘い声が耳をくすぐった。

心地よくて、もっともっとって求めてく。

「史乃さ...んっ...」

ドキッとする。

心臓が今までないくらい早く脈を打つ。

そのたびもっと欲しくなって、近くへ抱き寄せる。

目を開けてみると、瞳を閉じてすべてをゆだねるような真矢さんの瞳。

理性が保てそうにない。

そう思って、唇を離した。

目を開けた真矢さんの頬は火照っていてふわりと赤い。

「もう、終わりですか?」

 いいえ、理性が崩壊しました。音を立てて。

「いいの?俺は」

そう、言い終わる前に唇に触れた温かくて柔らかい感触。

すぐに離れそうになるのをまた押さえた。

「しっ、...ん.....ぅぁっ」

小さく響く甘い声。

もう、離したくない。

そう思ってしまう俺は、欲深い人間なのかな。

唇を離し、

「真矢さん、俺、真矢さんが欲しい。気持ちは、俺に向いてるって思っていい?」

赤く火照る顔は、他の誰かに見られたくない。

「...はい、史乃さ」

嬉しくて、唇を重ねた。

すぐに離したけど、盛大に頬を染める可愛さが何とも愛おしい。

「大好き、真矢さん」

「真矢でいいです」

「真矢...大好き」



そのやり取りとか、隣の部屋で聞く僕は、途中から聞いてはいけない気がして、気休め程度だが、イヤホンをして、寝た。

一応、隣の部屋に弟がいることを忘れないでほしい...。

まぁ、幸せそうでいっか。


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