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新世界のメイド(仮)さんと女神様  作者: あい えうお
第一章 世界の始まり
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018 世界の始まり 15

下ネタ注意報継続中。とりあえず、今回で解除です。

戦闘ではないけれど、こういうパンツパンツいうのもR15なんでしょうかね。

(良かった。ちゃんと上にパンツをはいてる)


 ガーターベルトを着用する場合、ベルトを着けてストッキングを吊り、その上からパンツをはくのが正しい。漫画などで時折、パンツの上にガーターベルトを着けている絵があるが、あれは間違いである。その状態だと、パンツを下ろす時にはストッキングを吊るストラップを全て外さなければならず、こういう場合などに大変苦労することになる。


 ガーターベルトを売っている通販サイトなどに行くとガーターベルトをパンツの上にはいている写真ばかりだが、これは商品をしっかりと見せるためであって、正しい使用例ということではないのだ。


(ストラップもちゃんと横の方にあったから気付かなかったんだな)


 一般的なガーターベルトは左右の足それぞれ二本のストラップやリボンでストッキングを吊っている。その内一本は太股の正面付近にあるが、もう一本は真横から斜め後ろまでの間に付いているのが普通である。


 真後ろにストラップがあると、椅子などに座った時に肌にストラップの跡がついたり、ストラップのアジャスターを敷きこんで痛い目にあったりすることになるからだ。また、屈んだ時に食い込んでヒップラインを損なうことにも繋がる。ただこちらは、特定の需要でわざとそういう「食い込ませる」デザインにしてある物もあってややこしい。


 マリコはようやく体勢を整えて腰を落とした。木の便座というのは初めてだったが、きれいに磨かれていて意外に肌触りが良く、冷た過ぎることもない。少し考えた後、やや後ろ寄りに腰の位置をずらした。


(どっちに行くのかよく分からないというのが、すごく不安なんだが……)


 マリコは恐る恐る解き放った。


 ◇


 なんとか無事に終了し、マリコは備え付けの紙を揉んで柔らかくすると後始末をした。


 この時、後ろから前へ拭き上げてはいけない。デリケートな部分に後ろから雑菌を持ってきてしまうことになるからである。拭く時は前から後ろへ、が鉄則なのだ。これは小さかろうが大きかろうが一緒である。


(姪っ子達のおしめ換えをする時に、散々言われたからなあ。まさかこんな知識が自分自身の役に立つことになるとは思わなかった)


 マリコは衣服を整えると、一度便座をはずしてから柄杓で水を流し――この時になって水桶の陰にフタ付きの小さめの箱があったのに気付いた――便座を戻してフタを閉め、洗面台で手を洗ってようやくお手洗いを出た。


 通路へ出た途端、なにやら視線を感じてマリコは顔を巡らせたが、誰もこちらを見てはいなかった。


「おかえり、おねえちゃん」


 マリコが席に戻るとアリアだけが待っていた。


「カミルさんは仕事に戻ったのですか?」


「んー。多分、戻ってると思う」


「多分?」


 微妙な答えが返ってきて首を傾げる。


「あの後、こっそり三杯目を注文したら、お酒の代わりにお母さんが来て追い出されたから」


「あー」


(目に見えるような展開だな)


 カウンターを仕切っているのがサニアなのだから、バレないわけがない。


「私はこれからタリアさんのところに戻るのですが、アリアさんはどうするんですか?」


「弟と一緒に勉強かなあ」


「弟さんがいるんですか」


(サニアさん、三人目って言ってたから、もう一人いるのは当然か)


 マリコは聞き返しながらも、サニアの言葉を思い出して納得した。


「うん。二つ下でハザールっていうの。あとで会えると思うよ」


「え?」


「だって、おねえちゃん、うちに住むことになったんでしょ?」


「ああ……、そう、でしたね」


 宿屋の住み込み女中に決定されてしまっているのだ。女将さん一家と顔を合わせるのは必然である。マリコが今から行くのも、多分その話の続きだろう。


「では、私は行ってきます。また後ほど、ですね」


「うん。あとでねー」


 マリコはアリアと分かれると、タリアの部屋へと向かった。


 ◇


「タリアさん、よろしいですか。マリコです」


「ああ、戻って来たね。入っといで」


 マリコがノックして呼びかけると、すぐに返事があった。


「失礼いたします」


 マリコが部屋に入ると、タリアはまた机で手紙か何かを見ているところだった。


「そっちで話そう。あんたもお座り」


「はい」


 タリアは立ち上がって、先ほどのソファを示した。マリコはさっき座っていた場所に腰を下ろした。ローテーブルの横にワゴンが置いてあったが、ミランダの姿は見えなかった。先ほど使ったカップなどが見えないので、淹れ直して置いていったのだろう。


 ワゴンに近づいたタリアは手ずから二杯分のお茶を入れると、マリコの前と向かい側とに置くとそこに座った。マリコは手を出すべきか少し考えたが、結局そのまま待っていた。


「さて、まずは……、防音(サウンドプルーフ)


 タリアは座るとすぐに、何か魔法を使ったらしい。カミルの時はよく分からなかったが、今度はタリアの方から何か風のような、今までに感じたことのないものが流れたのをマリコは感じた。


(今のが魔力なんだろうか。風が起きたというか、気合いを発したというか)


「これでここの声は外には聞こえないよ。それでマリコさん、先に確かめときたいんだけど」


 タリアは一度言葉を切り、改めてマリコの目を見つめて口を開いた。


「あんた、神様に会ったね?」

誤字脱字などありましたら、ご指摘くださると幸いです。

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