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街賊悪漢 新闘乱運命  作者: 火村虎太郎
新時代の不良達。
9/82

新時代抗争を知る秋高三年のアイドル。

お店で結構飲んで・・


「アフターはダメか?」零夜

「今度ぉ。・・明日も学校で早いし・・ありがとね今日は。」片瀬


アフターは断る。

お店の営業時間も終わりに近づき自分のお客もひけたから・・


「じゃあ、もうあがっていいよ。お疲れせっちゃん」ボーイ

「はいっお疲れ様でした」片瀬


私は、ぼちぼちの人気だ。

やっぱ見る人が見ればまだ高一くらいって分かるから、

おじさま達からは敬遠されるけど。若い遊び人や不良達からは結構人気。


他にもアフターとかめっちゃ誘われるけど・・


「無理無理・・眠いもん・・」片瀬


最近全部断ってる。朝から学校だし~・・って。

あっ、専門学校って言ってるよ。

まあぶっちゃけ秋高も専門学校だし。アウトローのね。


「ふぁ~・・運転手さん、自宅までお願いします。」片瀬

「はいよぅ。眠そうだね。寝てていいよ。」運転手


いつも利用してるタクシーで顔見知りだから自宅って言えば分かってもらえる。


いつもこの店の終わりから、朝の秋葉原に着くまでの時間の記憶が無いような・・。

私の唯一の空白の時間だ。空白というか、

完全に素になってるというか、すべての鎧を脱いでる時間というか・・。


秋高では秋高生。メイド喫茶ではメイド。キャバクラではキャバ嬢・・。

今は私。何も纏ってない私。私の時間。


(もっといい断り方ができたのかな?)


いつも布団に潜り込んで今日の反省をすれば、やっと一日の終わり。


そして・・


「ガタンゴトン・・ガタンゴトン・・」



電車の窓から眺める景色に目的地が通り過ぎるのがいつもの合図。

さあ、来るぞ・・



『次は~秋葉原~秋葉原~』



いつも通り鼻に付く電車のアナウンスに・・


「ふぁ~。・・っ何見てんだよバカヤロー!」片瀬

「う・・いや・・」


少しウトウトしてた目を擦り、

対面から私の短めのスカートをいやらしく覗いてたサラリーマンに毒づく。


「おーーいっせっちゃーん」柴

「おおーおはよ~。」片瀬


後ろから軽く駆け足でやって来る柴ちゃんと、

まだ動き始めたばかりの雑踏に腰掛けて仲良く缶コーヒーを飲む。


「今日早いじゃん」片瀬

「へへっせっちゃんも~」柴


早いのには理由がある。まあそれは後で・・


「あはは」

「へ~」


うわ・・なんだよアイツ等もか・・


まだ遠くだけど、もう声だけで分かるな・・

でもきっちりしてるな。外ではなりきってる・・オタクに・・


「あっ!愛しの柴ちゃんなりよっ」明智

「おお~早起きは三文の徳でありますね。イェイっイェイっ」赤羽


きもい・・通学のカバンはアニメの紙袋だ・・てかダサイ・・


その後もこちらに向かいながら・・


「運命かな?運命かな?」

「告っちゃえよっ。」

「でも、ここで(一年の出だし)告って、フラれたら・・」

「後三年間気まずいよな・・」


聞こえてるよ・・バカヤロー・・

柴ちゃんなんてすでに鳥肌立ってるぞ・・


そして、まったく不自然に・・


「お・・おはようっ偶然だね」

「う・・うっす・・」


「・・おはよう・・」片瀬

「・・ぉはよぅござぃます・・」柴


こりゃ告るな・・


「え~・・・

 ・・・実は・・・入学した時から・・」明智


「グビっ・・」


結局告るんだ?おもしろいから私はコーヒー飲みながら見てたんだけど・・


「ずっと好きでしたっ!付き合ってくださいっ!・・・片瀬さんっ!」明智

「ブーーーーーーーっ!!!!」


思いっきりコーヒー噴き出したじゃねぇか・・


「ん?っんん?」明智


そして何だぁ?そのチョイ自信あるよぅ~・・的な顔は・・

何か、まゆげクイクイ動いてるし・・きもい・・


「・・・めちゃクソごめんなさいだよ・・バカヤロー・・・」片瀬


「えええ!ダメかぁ~しょぼ~んなりぃ・・」明智


「ぶははははフラれてやんのぅ~

 じゃあ、俺も勇気を振り絞って・・柴ちゃ・・」赤羽


「ごめんなさいっ!!!」柴


(早い・・・)片瀬

(声でけぇえ・・)明智

(もう少しで、唾まで吐かれそう・・)赤羽


「・・・・・・・・ペっ・・」って柴ちゃんが勇気を振り絞り。


「おお~柴ちゃん、よくやった!」片瀬


さすが秋高生っ。


でも・・


「萌えぇ~」明智

「やっぱ、かわいぃいな柴ちゃんは。また告ろ~」赤羽


ダメだこいつ等・・


「よく告れたな?」片瀬

「俺は片瀬にゃんに告白したんだよ!バカヤローの方じゃねえよ」明智

「そういえば、二人とも通学が早いのは、もしかして・・」赤羽

「うんっ。」柴


そうだね・・


学校の門まで来れば、こんな朝早くから・・


「シュっ・・シュっ・・」


「おはようございまーーすっ!」明智

「おはようございますっ先輩」赤羽

「おはようございますっ」片瀬

「おはようございます」柴


「ん?うん一年ね。おはよう」


秋高のアイドル、三年の先輩のいつもの日課の・・


「俺達も掃除手伝いますっ」明智

「いや~早起きはいいですよねぇ~」赤羽

「へへっ私も~。お前等は、あっちやれよぅっ先輩の近くに寄るなっ」片瀬

「私が、ちりとり持ちますっ」柴


「ははは、いいからいいから。みんなでね」


みんなこの人に会いたいから早く学校に来たんだ。

この先輩は誰よりも忙しいのに一番に学校に来て掃除してる。

尊敬できて、後輩の面倒見もよくて、

そしてキャバ嬢でも六本木で超有名で、不良でも超有名で・・

何より、ちょっと前にあった伝説の新時代抗争の主役達だ。


「そうそう・・あの時ね・・」

「おお~」

「すげぇ・・」


「ああ、あれはね・・」

「おお~」

「リアル~やっぱ当事者は・・」


掃除しながら、色々とお話聞かせてくれる本当にいい先輩だ。


「さあ、今日も一日がんばろうね」


「はいっ。先輩またお話聞かせてくださいね」片瀬

「へへ・・憧れてますんで、がんばってください」柴


俺達は先輩って呼んでるけど、有名な不良やアウトローの重鎮達からは・・


「リオ~、ちょっと校長室までっ」あきな

「あっはいっすぐに!」リオ


新時代や六本木では、リオって名前は有名だ。


「・・・おお・・進藤先輩リオ校長に直で呼ばれてる・・すげえ」明智

「てか、校長早い・・もう居たんだ」赤羽

「・・あれまだ帰ってないの。まだ寝てないんだよ校長。」片瀬

「私もたまに呼ばれるよ・・あれ校長室でずっとゲームしてるの」柴


ゲームで悩んだ時(行き詰った時)に呼ばれるみたい・・

ここどうするの?アイテムどこぉ?・・って。

勿論柴ちゃんが呼ばれるのはガンダム系のゲームの時だ。


校舎に入る前に、まだ私達が見てるのに気づいてるのか・・


「スッ・・」


「おおー」

「へへっ」


こちらも見ずに、軽く手をあげて去って行く。


やっぱ新時代の人達はかっこいいや。

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