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街賊悪漢 新闘乱運命  作者: 火村虎太郎
『第一部』秋高の不良達。
7/82

史上最高額の示談金

「ガラッ・・」


「うおっお疲れ様です先輩っ」

「お疲れ様ですっ」


休憩時間にガラっと扉が開けば三年の生徒がやってきて・・


「どうもで~す。DVDの先行予約やってまーす。」


「えっ?あっじゃあ・・」片瀬


うまい商売考えてるというのか、二年三年は慣れてるのかな?


「もうタイトルも出来てる・・」片瀬

「予約しちゃったぁ『史上最高額の示談金』」柴

「メモ取らなくてよかったなり・・」明智

「いい商売考えるよな三年も。600円なら安いよな」赤羽


よく見ると、結構近くで撮ってるし・・

それに気づいてるからちょっと大袈裟なのかな?


「お待たせしましたぁ~ダメ~ダピザで~す」配達員

「そこ置いといて」あきな

「あっ、ピザ代私払いますんで」岩永


・・・・なぜピザ?おなか減ったの?


「当たり前だろうがぁにぃ~ちゃんっ!

 そっちが示談金呑めないってゴネてこんなに遅くなってんだろうが!」あきな

「いや・・金額が金額で・・」岩永


「もぐっ・・私は高給取りなんだよ!もぐっ・・明細見せただろうが!」あきな

「もぐっ・・いや・・ですが・・もぐっ・・」岩永


おっと・・もうDVDで見よう・・

てか食べてる・・



「さあ授業始めるぞ~」教師

「はーい」


ちょうどドンも居るし校長も居るから、聞いておきたい事が・・


「先生っ、秋高って・・プレジェイ系・・ですよね?」明智

「う~~ん・・別にプレジェイ系ってわけじゃないけど・・」教師


別に爆撃だから、エース系だから入れないって事はまったくないけど、

今はプレジェイ系の学校のような・・出資もほぼプレジェイだし・・


だけどエースオブドラゴンで、

今の日本のアウトローのトップもここの卒業生だし・・

創始者は爆撃系だし・・


「今、爆撃系の上層部は曖昧だし、

 エースオブドラゴンも大阪がメインだし・・」教師


「でも『巻』君って、プレジェイ系とも仲いいんでしょ?」明智

「曖昧だな・・エースオブドラゴン系だけど、最後爆撃だったし・・」赤羽

「確かに・・」片瀬


「ああ・・現役引退の時は派閥の引き合いがあったんだよ。」教師


エースオブドラゴン系だけど、爆撃もプレジェイも、

この数十年に一人の天才『巻』が欲しくて・・


「エースオブドラゴンで治まったけど、利権はプレジェイ。」教師


ややこしい・・

結局不良グループの利権は、地場のヤクザ組織に上納するって形に。

渋谷や六本木はプレジェイの縄張りだ。

不良グループはエース系やら居るけど、上納はプレジェイに。


今は派閥なんて関係ないって言うけど・・


「・・・利権の絡みで、不良少年のチームもきっちりさせたしな・・」教師


曖昧なチームは正式にどこかの派閥に。


「三つに派閥を分ける利点ってなんですか?」片瀬


一つにした方が争いが起こらないような・・

いや無理か・・そんな事すれば上の抗争になるか・・


「・・どれかが潰れても他がある。」教師


なんか途絶えさせてはいけない皇族の血のような・・

でもこの三大派閥で東京を外敵から守っているのはよく理解できる。


でも、その一つが途絶えそう・・


「・・・爆撃が衰退したのって、やっぱオーナーが悪いんですか?」片瀬

「・・・・・渡辺さんか・・」教師


元・秋高の教頭で、メイド喫茶オーナーで爆撃派閥トップの渡辺。


「・・・『カツオ』君がプレジェイ系に移籍したしな・・」教師


これが一番でかいらしい。

『巻』って人の前に東京を制した無双の喧嘩屋だ。

当時、いや、今でもこのカツオさんには巻さんでもまったく敵わないらしい。


聞いていいのかな?・・・


「・・・理由ってなんだったんですか?移籍の・・」片瀬

「・・・チャラいから・・」教師


硬派すぎる爆撃に水が合わなかったってのが本人の理由らしいけど・・


「本当は爆撃に居てもシノギがないからだと思うよ・・

 自分の数多い子分達を食べさせないといけないからね・・」教師


「やっぱ、シノギ、金なりよ・・」明智

「ああ。喧嘩じゃ飯食えないしな・・」赤羽


リアルだな・・確かに爆撃は縄張り池袋しか持ってないし・・

その池袋も、もう子分にまかせっきり・・というか取られたし。


(商売下手だしなオーナー・・)片瀬


何やっても失敗ばかりだ。切羽詰まって縄張りも売ってたらしい。

それで子分がもう任せられないって、

残り僅かな縄張りを自分達で管理しだしたらしい。


確かに今爆撃系だとアウトロー業界じゃバカにされる。


『不良引退してからどうするの?縄張りあるの?』

『メイド喫茶で時給で働くのか?』

『いつだって貧乏だよな爆撃は』


なんて言われる。



(・・・帰る前に、お店寄って帰ろう・・)片瀬


オーナーは、俺はこんな由緒ある派閥のトップに立つ器じゃないって言ってた。

数々の抗争でいい人材が亡くなっていって、

自分しか残らなかったからしょうがなく・・だって・・


校長に突っ込んでいったのも最後のラストチャンスくらいに思って行ったのかな?

本気で子分達は最後のチャンスだから突っ込め・・って思いだったのかな?

それとも戦って散れなのかな?


「名門中の名門で硬派な爆撃は、いつだって不器用なんだよ・・」教師

「だからチャラくていいなりよ」明智

「柔軟性っ柔軟性っ」赤羽


本当にそうなのかも知れない・・


なんか爆撃・・オーナーは負の連鎖というか・・

やることなすことうまくいかず・・



遂に、『最後の投資先』にも愛想を尽かされる事に・・



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