普通暴力科男子。超絶問題児関原君
絶対別物だと信じてる。
「では、こちらにどうぞ御主人さま~」片瀬
「うんっ。うんっ」明智
だって、かわいいんだもの。
「本当、偉いよな片瀬に柴は・・」
「おお~織田っち今日来てたんだぁ。隣いい?」赤羽
普通科一年の織田だ。
織田は普通科のトップで・・いや、俺達一年の大将だと誰もが認めてる男だ。
普段は忙しくて、あんまり学校に来れないんだよね。
それもなんていったって、この織田はあの『拳鍔』のメンバーだ。
「僅かな昼休憩もここでバイトしてるしな。すげえ努力だよ。」織田
学業に昼のバイト。
片瀬に至っては、夜のキャバクラもだ。
その前に・・
ブルっ・・ブルっ・・
「う・・う・・うう・・お・・織田・・織田・・」明智
「どうしました?御主人様?」柴
何か明智君が震えてて、
そこに悪ノリの赤羽君が、明智君の耳元で何かボソボソと・・
「やっちゃえよ・・やっちゃえよ・・お前なら勝てる・・お前なら勝てる・・
本能寺の変っ・・本能寺の変っ・・本能寺ぃのぉおおっ」赤羽
「う・・うわぁああああ」明智
「えっ!!もしかして、織田君は織田信長の子孫で、
明智君は、明智光秀の子孫なの!?そ・・そんな・・何て因果な・・」柴
それとも生まれ変わりなの?時を超え、同じ学校の同級生になるなんて・・
「うわぁああああ・・・・って違うよ~。お疲れちゃん織田っち~♪」明智
「お~うっ隣来なよ~」織田
「・・・疲れるだけだぞ柴ちゃん」片瀬
「もうっ!せっちゃん(片瀬=瀬っちゃん)地が出てますよ。」柴
柴ちゃんだけが、片瀬の事をせっちゃんと呼んでて、
他の男子がこう呼ぶと、ぶん殴られる・・
「本日のランチでよろしかったでしょうか?御主人さま~♪」片瀬
「うんっうんっ大盛りで~。片瀬にゃんは本当やさしくてかわいいねぇ~」明智
「・・・営業だよ・・。目を覚ませ・・バカヤロー片瀬だそれ。」赤羽
「明智はキャバクラ行ったら終わるな・・」織田
終わるね・・。
どんな子でも、今日会いたいなぁ~なんて言われたら毎日行っちゃう。
てか久々に織田来てるから・・
「どうよっ拳鍔って?」明智
「どうって・・俺は本当末端の人間だけど毎日忙しいよ。」織田
拳鍔は、不良集団としては信じられないような資金源と力を持ち・・
「その辺の暴力団組織より稼いでるし、でかいよ。」織田
「だよなっ。」明智
「でもややこしいんだよな・・」赤羽
拳鍔って言ってるけど・・
「拳鍔の不良グループ(喧嘩などする少年のチーム)は今無いしな・・」織田
拳鍔グループと言えばいいのだろうか?
いわば、ただの半グレ集団だ。
若者も多いが、少年だけで構成されたチームは存在してない。
だが何かあれば、グループ全部で動ける超巨大アウトロー集団だ。
「でも法律まで変えさせた先輩達の抗争って本当すごいよな」織田
「ああ。新少年法か・・・」明智
「不良指定って、かっこいいよな。不良にとっちゃ勲章みたいなもんだ。」赤羽
今、この新少年法で指定暴力団のように、不良指定されれば、
何かあればそのメンバーは未成年でも実名で報道される仕組みだ。
だからこの織田も末端ではあれど拳鍔のメンバーだから何かあれば実名報道だ。
ちょっと前に、その先輩達のでかい抗争もあったし、
もう何十年に一人の天才だっ・・って人も現れたから・・
「・・俺達は、すでに隙間の世代って言われてるしな・・」織田
「・・ゆとりヤンキーだってな・・。東京統一されたから抗争もないしな」明智
「しょうがねぇよ・・時代が近かったし・・」赤羽
日本野球で言えば、落合が出て、清原が出て・・松井・・
南米サッカーで言えば、ペレ、マラドーナ、メッシ?
俺達はその飛び切り華の在る人達の隙間・・
いや、中途半端な年代だ。その大きな抗争にも参加出来ずに。
戦国で言えば、徳川の世になって生まれてきた武士の子のような・・
あれっ?平和だ・・せっかく武士で生まれて刀持ってるのに・・てな感じ?
「何言ってんだよ!まだ私達の時代は始まってもないし、今からだよ!」片瀬
あっ・・地が・・
「い・・今からだにゃんっ御主人さまぁ~♪」片瀬
「ふ・・」織田
「はは・・」赤羽
「うんっ。」柴
「そうだよねぇ~片瀬にゃ~ん♪」明智
そうだ。そりゃ抗争はない方がいい。
無くたって、アウトローの出世の道はあるっ。
「だからオタク科ってのができたんじゃねえか?」織田
「そうだよな。」明智
「これからのアウトローは・・」赤羽
先輩や、アウトローの偉人達が作ってきた物を守る戦いだ・・
もう奪い合ったりじゃなく、不良にも秩序を。
「・・・・・おっと・・早く食わないと、昼休み終わるぜ」織田
「おうっ!・・・てか、あのトイレの張り紙何?」明智
「ああ・・あれね・・さっき決めたの。」片瀬
トイレのドアに張られてる張り紙には・・
『秋高生、トイレの使用禁止!!』
なぜかと言うと・・
「ガチャ・・・」
っと、そのトイレから出てくる生徒・・
「・・いやぁぁ・・ヌイて来たわぁ~柴ちゃんで(想像)」関原
「ひゃあああ」柴
「こっのやろー!やっぱさっきジッと見てたのは、目に焼き付けてたな!」片瀬
「うわぁ・・言う・・普通?てかする?」明智
「セクハラ君や・・セクハラ君・・」赤羽
「・・・禁止になるなそりゃ・・せめて家まで我慢しろよ・・」織田
普通科一年の関原だ。
まあ一年でも目立ってて、でもちょっとよくわかんない奴で・・
「柴ちゃん、匂い嗅いでぇ~この手でしたんだよ~」関原
「いやゃああ!」柴
必死で逃げ回る柴ちゃんを追いかける関原
「あはははは」「逃げろ~柴ちゃんっ」
この騒ぎを、裏から覗いてるオーナーに・・
「オーナー!もう出入り禁止にしましょうよ!あのバカっ」片瀬
「・・・・・・・・・」オーナー
片瀬の気持ちはよく分かるが・・
・・この男・・
ここしばらく見なかった・・
いや、久々に現れた・・・
「王の風格・・」オーナー
「殺すぞっボケてっとバカヤローが!」片瀬
無いよ・・
王の風格なんて・・