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街賊悪漢 新闘乱運命  作者: 火村虎太郎
新時代の不良達。
11/82

新時代の終わり・・(前編)

朝、進藤先輩にお話聞かせてもらった事・・

そしてその感想で一日と自分の感情がアウトローの情熱で埋め尽くされた事・・


新時代のすごさ・・激動・・儚さ・・


そして、何か匂いというか、

何かがここに不良を引き寄せて導かれてるような・・


不良の勘なのかな?

何か起こりそうな夜・・そわそわしてる夜・・


夜の六本木で・・


「ようっ、明智ぃ。」

「おお~お前等も来てたの?」明智


普通科男子の連中だ。


「たまんねぇよな」

「ああ。新時代の話聞かされたら、

 時は違うけど、同じここの空気に触れたくなるよな・・」


「ああ・・この胸の情熱は、止めようと思っても・・止まらねぇよ・・」明智


「うおっ!新時代っぽい!」

「やるなぁ明智ぃ!」


よく一年のバカ共は、新時代ごっこしてる。


「基本、間と、反対にすればいいんだよな?」

「そうだね。じゃあ明智ぃ~」


これを新時代風に言ってみて・・って


「・・・行くか・・ドナルド・・マック・・飛び切りの向こう側へ・・」明智

「うおっ・・新時代っぽい・・」

「さすがだな」


ただ、みんなで道路の反対側にあるマック買いに行こうぜ~・・です。


マックを買って・・


「あははバカ言うなよ」

「そんなんじゃねぇよ」

「知らねぇよバカヤロー。お前のポテトも食っちまうぞ」


近くの道路脇にあるフェンスに浅く腰掛け、

高鳴る感情と見栄で普段より声が大きいのは自分達でも気づいてる。


六本木の空気を一秒でも感じていたい。

いや、俺達は六本木の住民だぜぇ~・・的なノリで・・


「おっ、六本木を根城にしてる不良グループか?」

「何か慣れてんな六本木が・・」

「都会っ子って感じでかっこいいな」


って六本木に遊びに来てる人間に思われれば思うつぼだ。


だけどここは六本木だ・・


「ん?何だあいつ等?」

「見たことねえな。新チームか?」

「ああ?調子乗ってんな大声で・・潰しちまうか?」


不良はゴロゴロ居る・・しかもここに居るのは飛び切りの不良達だ。

このギラギラした空気には、さすがにこっちも敏感だ。


「う・・やべえ明智・・」

「くっ・・見てんなこっち・・」

「うおっ・・六本木喧嘩歩兵連隊か」明智


この六本木に駐屯する有名な名門不良グループだ。


「ガキが来る街じゃねえぞって分からせてやるか。」

「ん?いや、待て、ははっ後輩だ。ちょっと行って来るわ」

「ああ・・何だ、秋高か・・」


明智達は蛇に睨まれた蛙のように動けなかったが・・


「ようっおめえ等っ」


「うおっ先輩お疲れさまです」

「よかったぁ・・先輩だったんですね」

「うおっ先輩って歩兵連隊なんですね」明智


「とは言っても、俺は末端の兵隊だけどな」先輩


秋高二年の先輩だ。マジ助かったぁ。


それからは・・


「おうっこっち連れて来いよ」

「おうっ。お前等、挨拶しろよ」先輩

「うっす!自分秋高一年の・・」


数名の歩兵連隊のメンバーの輪の中に入れてもらえ、お話を聞かせてもらえる。

この集団の端っこに居るだけでも、自分がかっこよく見え、

やっとこれでこの六本木のアウトロー達と同じ温度に触れたような・・

いや、まるで同じ新時代を戦ったような・・・言いすぎか・・。


「お前等、いくら今東京統一されて、チーム同士の抗争禁止って言っても・・」

「ああ。小さな抗争や喧嘩はいつでも起こってるからな・・」

「ケツ(バック)出すような真似だけはするなよ」


「はいっ。」

「俺達も立派な秋高生なんで」


「ははっ秋高って出すのも立派なバックだよ」先輩


不良には秋高の名前は絶大だ。

有名アウトローのそのほとんどが秋高出身だし、

有名不良グループに属してる秋高生も数多く居る。


「ウォン・・」


そして体の芯から疼く音が聞こえてくれば・・


「おっ、誰か流しに来たぜ」

「単機か・・。ウチでも連合系でもないな・・どこの奴だろうな?」


そして先輩達が見てるから・・


「俺が潰して来ますよっ」明智

「おうっ六本木は連合系以外は調子こいてんじゃねぇぞぉ」


「ははっ。元気がええのう。」


不良の基本。先輩に対して、俺勢いあるっすよアピールだ。


連合系って言うのは・・


「三大派閥以外だったら潰せ・・」


連合系・・

爆撃、エースオブドラゴン、プレジェイ系以外だったら・・との事だ。


「ウォンウォン・・」


近づいてくる単車に・・


「止まれおらぁ!」

「どこのチー・・・んっ?」明智


「・・女か・・」先輩


その単車には・・


「あははっよう明智ぃ~」

「なっ!」明智


「ふっ・・本当今年の一年はバカヤロウばっかりだな。」先輩

「いいじゃねえか元気があって。おお~吹かせ吹かせ~ねぇ~ちゃん」


その単車を運転するのは・・


「止まらねぇぞ~止めてみろやぁ~あはははは」片瀬


「コノヤロー!目立ちやがって!」明智

「ははっ片瀬か。あんまり無茶すんなよ。ここは六本木だぞ」

「おお~片瀬ぇ~吹かせ吹かせ~」


くそぅ・・かっこいいじゃねえか・・


ん?・・ニケツか?


何か後ろで必死にしがみ付いてるのが・・


「きゃあああああああ」

「あはは、楽しいでしょ~」片瀬


「なっ!」

「そんなバカな・・」


後ろでしがみ付いてるのは、


「し・・柴ちゃんを降ろせぇ!!ぶっ殺すぞ!大体お前仕事は!?」明智


「休んだぁ~!居ても立っても居られなくてぇ。不良最高~」片瀬


「止めろ~片瀬ぇ!柴ちゃんを悪の道に誘うんじゃねえよ!」

「うわああっ柴ちゃんが・・柴ちゃんがぁ!悪の色に染まってくぅ」


「ウォンウォンウォン・・」


吹かすだけ吹かして、


「じゃあなぁ~織田とかも向こうに居たぞ~」片瀬

「きゃああああ」柴


「おお。織田も六本木来てんのか。後行ってみようぜ」

「ああ・・柴ちゃ~ん・・・しょぼ~んなりぃ・・」明智


「ははは。おもしろいのう秋高生は」

「はは。感情豊かだよな。ストレートっていうか」


後で分かれば、みんながここに集まって来てたのは、

あの人が居るから東京が六本木に傾いてたんだ・・



俺達は、まだ若いし経験不足だから気づきもしなかったんだ。


六本木の風が乾きだしたのに・・

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