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理由
つい最近のことである。
夢の中で私は、私を殺した。
であるから、私は殺人犯なのである。
しかし、私は私を訴えることが出来ない。
証拠の死体が無いからである。
従って勿論、加害者もいない。
しかし、やっぱり私は私を殺したのである。
殺された私は殺した私であり、
殺した私は殺された私である。
やっぱりどちらも私であるのだ。
私は生きているから、
殺した私なのだが、
殺されたのも私なので、
生きている私は、
やっぱり殺された私なのだ。
しかし、証拠の死体が無い以上、
私は私を訴えることが出来ない。
私は考えた。
証拠の死体を如何にして示すか。
私が生きている以上証拠は存在し得ない。
残る道はただ一つ、
再び私は私を殺すしか無い。
これが、此処に死体が存在する理由である。
これが、全てである。