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ぱらのいあ  作者: 楸由宇
第1章 足跡
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痒い

 ワタシの身体には、二匹の蚤が住んでいた。彼等は、とても小さくて、 ワタシは何時も何十分もかけて彼等を探さなくてはいけない。ある時、一匹の蚤、 名前はサナエと言う、がワタシにこう言った。

「もしもし、ケンジさん。痒いところはありませんか?」

 ワタシは、その時痒い所が無かったのでサナエにこう答えた。

「今は、痒いところは無いんだ。だから痒いところがあったら言うのでその時に頼むよ。」

 サナエは頷くとまた何処かへ消えてしまった。ある時、背中が痒くなったのでサナエを呼んだ。すると、今度は二匹ともワタシの手の平 の上に出てきた。もう一匹の名前はシンヤと言う。

「背中が痒いので掻いておくれよ。」と言うと、二匹はワタシの背中を掻いてくれた。それがあまりにも気持ちよかったので、ワタシは病み付きになってしまった。それ以来、十五年間ワタシは、一時も欠かさず蚤を飼っています。サナエとシンヤの子孫も 今は二十五代目。今は、ワタシの身体には、二十五万六千八百八匹の蚤が生息しています。あなたもお試しください。身体が痒い時は蚤が一番。ワタシはそう信じています。

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