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ぱらのいあ  作者: 楸由宇
第3章 ショートショートショート
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「食卓」

 ベッドで寝ていたら、突然神様が降りてきて枕元に立ち、「すまん、間違えておったわい。おまえは、人間じゃなくて牛になる予定だった。すぐに修正するからな」と言われた。

「え〜、牛って胃袋4つあるんでしょ。それに臭いからイヤ」と言った瞬間には、草っ原で草をはむはむ食んでいた。ちょっと、いきなりすぎないかと思ったけど、お腹が空いていて面倒くさくなって考えるのをやめた。考えるのをやめると、それはそれで楽だと思えてきた。

 暫く、草を食べるだけの毎日だったのに、また、神様が降りてきて草っ原にすっくと立った。

「すまん。また間違えたわい。おまえさん、本当はカエルだった。すぐに修正するからな」と言われた。

「え〜、カエルって皮膚がじめじめしてるじゃん。それに泳げないし、また格下げかよ」って言った瞬間には、池の中ですいすい泳いでいた。本当にいきなりだなと思ったけど、自然に泳げていたから気持ちよくなって考えるのをやめた。難しく考えなければ、やっぱり楽だと思えてきた。

 暫く、泳いで虫を食べるだけの毎日だったのに、やっぱり神様が降りてきて、「本当にすまん。今度こそ最後だからな。」またかよ、今度は何だ、と思っていたら、「本当は、マグロだったようじゃ。では、早速修正するからな。」

「え〜、マグロって泳ぐのやめたら死んじゃうんでしょ。めんどくさがりだから厳しいなぁ。それに今度は格下げ、格上げ?」と言った瞬間には、もう大海原を、他のマグロに囲まれて泳いでいた。

 今度は気持ちが良くなる前に釣り上げられて、加工されて何処かの食卓にのぼってしまった。箸を持っているやつを見ると、元の自分だった。

(680文字)

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