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ぱらのいあ  作者: 楸由宇
第3章 ショートショートショート
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「空」

 海岸をドライブしていると、あまりにも綺麗だったから、その夕日の空が欲しくなった。おもむろに車を止め、ハサミを取り出して一番のお気に入りの色を中心に四角く切り取る。切り取ったそれは、少し大きめのハンカチくらいの大きさだった。満足して、僕はそれを畳んでポケットに入れた。真四角に切り取られた空には、何もない四角だけが残った。

 帰ってから、ベッドに寝ころんで、僕は空の切れ端を取り出した。ハンカチほどの大きさの空は、暗くいくつかの星が瞬いていた。手に入れたと思っていたあの色を見ることが出来なかったから、僕はがっかりしてしまった。

 それでも、僕は時々、ハンカチほどの大きさの青空や夕焼けや雨雲や星空を取り出して眺める。そして、何もなくなった四角い空を思い浮かべる。

(327文字)

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