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第7回 張郃、出世できず
冀州から勃発し、その範囲を拡大した黄巾の乱であったが、中央から派遣された軍と、地方軍が共闘した結果、一年余りでおおよその鎮圧は終了した。
ただ、その火種は各地に残っており、形を変えた賊が跋扈するようになった。
張郃は、司馬として今や兵五〇〇を率いる隊長となっていた。出動すれば、必ず戦果を挙げる、といった感じで、その名前は冀州牧の韓馥の耳に届くようになっていた。
そして、韓馥の側で仕えている「沮授」という参謀が、軍の士気を上げるために、抜擢人事として、張郃を将軍職に付けてはどうか、という提案をした。
しかし、いくら有能といえども、新参者が古参より先に将軍になってしまえば、いたる所から文句が出るであろうから、とその採用を見送った。
韓馥という人は、こういった優柔不断な性格であり、張郃はいくら働いても、官位がこれ以上、上がることは無かったのである。




