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張郃  作者: 涼風隼人


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25/40

第25回 張郃、西方作戦の中心となる

 二〇九年(建安一四年)、曹操は鄴に腰を落ちつけ、体制の再構築を行っていた。まずは、これ以上、南方の者たちを調子づけないためにも守りを固める。そして、新たな進出場所としては、西方である「関中」と「涼州」に狙いを定めた。

 

 この南方と西方に配属する将軍の配置を、曹操は参謀たちと軍議を繰り返し、検討をした。


 まずは、南方の防衛線を張る将軍たちが決まった。

 

 総大将は曹仁である。曹仁に満寵を付け、張遼、李典、楽進の三名には、最重要拠点である「合肥」を守らせる配置となった。

 

 一方、西方の関中、涼州の征伐を担当する総大将は「夏侯淵」であり、その補佐に張郃が付く。あとは、徐晃と于禁である。

 

 曹操軍随一の指揮能力の高さを誇る張遼を重要拠点の防衛に回し、常に冷静な判断をする張郃を、感情に走りがちになることがある夏侯淵の補佐とした。

 

 まさに適材適所と言える人員の配置である。

 

 南方に赴く張遼が張郃を訪ねてきた。張遼が言う。

 「儁乂よ、出来ればお前と一緒に戦いたかったのだが、俺は合肥の守備を任された。重要拠点なので、気を引き締めて任務にあたるつもりだ。」

 

 「文遠よ。俺も二張で働くとばかり思っていたが、やはり合肥の守備を任せるとなると、お前に白羽の矢が立つだろう。おまえの指揮能力は、随一だからな。」

 

 「儁乂は、夏侯淵様のことは知っているのか。」

 

 「今までご一緒させてもらったことはないが、曹操軍一の弓の使い手とは聞いている。実戦経験も豊富で、まさに西方侵攻の総大将にふさわしい方とは聞いている。」

 

 「そうだな。あの弓の威力と精度は相当なものだ。人間的な器も大きい。ただ、多少感情的になりやすいところもあり、そのために冷静な儁乂を補佐に当てたのだろう。」

 

 「俺が冷静か・・・。全く自覚はないが。」

 

 「儁乂は、感情でなく、状況で動く、と俺は思っている。冷静な判断力の賜物であろう。」

 

 「文遠がそういうなら、そういうことにしておこう。働く地は違えど、ともに大いに戦功をあげようぞ。」

 

 「ああ。今度会うときは、酒でも酌み交わそう。」

 

 こうして、まずは南方の将軍たちが派遣をされた。

 

 そして、西方担当の武将たちには、曹操から軍議の招集がかかった。曹操が言う。

 「この度、西方に討って出ることを決めた。名目は、漢中の張魯の討伐であるが、本当の狙いは涼州の韓遂、馬超。そして、関中に割拠する、軍閥、豪族たちの討伐だ。」

 

 参謀の賈詡が発言をする。

 「涼州、関中には、既に我々が漢中の張魯征伐を行う、ということは噂で流しておりますので、我々が動けば、韓遂と馬超を中心に、関中の者たちも一斉に動き出すでしょう。」

 

 夏侯淵が言う。

 「軍師殿。何故、その様なことを事前に知らせる必要があるのだ。備えをさせる余裕を与えるだけではないか。」

 

 曹操が答える。

 「妙才、どうせ叩くなら一ヶ所に集めて叩く方が早かろう。故に、先に情報を漏らして誘い出しているのだ。」

 

 「考えが至らず、お恥ずかしい限りです。」

 

 「恥じ入ることは無い。お前の力は、戦場で発揮してくれればそれでいいのだ。」


 曹操は続ける。

「今回の征西は、私自ら指揮を採る。そして、軍師として賈詡を帯同する。夏侯淵は先鋒を担当してもらう。副将として、張郃と徐晃を連れていけ。後方部隊は于禁に任せる。」


 こうして、曹操の征西が開始されるのである。

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