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天使のほほえみ  作者: L
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天使殿の掃除~王立図書館へ

Lです!完全復活しました!

よろしくお願いします\(^o^)/




 誰もが無言のまま天使像を見つめていた時だった。



 どこからか入ってきたのか、急に緑色の鳥が天使像の肩に止まったのだ。


「うわっ!ビックリしたぞい!!」


 スカーレットが叫ぶ。


 みんなで驚いていると、緑色の鳥は天井を大きく飛び回り、そして扉から飛び去った。


 どうやら、開いたままだった扉から入ってきたらしい。


「今の鳥って、珍しいよね!?」

「うん、見たことのない鳥だった!」


 緑色の鳥の登場に、静寂の時間が終わりを告げたーーーー。




 その後、隊員に手伝ってくれたお礼を伝えると、「こちらこそ、ここへ入るきっかけをいただいて、ありがとうございました」と、逆にお礼を言われてしまった。



 隊員を見送ると、マーヤさんは改めて私たちへと向き直り、


「お嬢様方、本日は本当にありがとうございました」

「楽しかったぞい!」

「貴重な経験でした!」

「また来ます!」

「スカーレット、、もの、、壊さ、、なくて、、よかった」

「そう言ってもらえて嬉しいですよ。では、お約束通り、2階へと案内しましょうかね」

「やったぞい!」

「わ~い!」

「でも、本当の本当に、何もないですよ?」


 マーヤさんの念押しの言葉に、私たちはコクコク頷く。


 その中でも、一番に期待を込めた眼差しを向けていたのはメアリーではないだろうか。



 『私が見た不思議な世界でのメアリーはここにいたから、あの世界のメアリーはもしかして2階を知っていたのかしら』



 そう考えながら再び奥の扉へと入り、ドキドキとしながら階段を上がる。


 2階はマーヤさんが言っていた通り居住スペースとなっており、階段を上がるとすぐに小さめのキッチンに小さめの丸テーブルと椅子が2つ、その奥の部屋にはベッドが置いてあった。小さめのお風呂とトイレも完備されており、全体的に決して広いとは言えないが、優しいクリーム色の内装で1人でも落ち着いて過ごせそうな雰囲気がある。


 スカーレットとミレーネは広くはない居住スペースを、あっちに行ったりこっちに行ったりしている。


 モアナは2人をポケ~っと眺めており、私はメアリーへと話しかける。


「どう?メアリー、来てみたかったんでしょ?」

「はい.....なぜか、階段を見た時に気になってしまったのです。表情に出してしまい、申し訳ございませんでした」

「気にしなくていいんだよ!それで、実際に見た感想は?」

「安心できる場所だと思います。とても......とても、懐かしい気持ちになります」

「懐かしいの?」

「はい.....なぜでしょうか.....アンヘルで住んでいた時の家に似ているのかもしれません」

「そうなんだね!」


 メアリーが懐かしいと感じる理由が、あの不思議な世界のメアリーと関係しているのか。それを知る術は、まだ持ち合わせていないのだった。



 2階の居住スペースを堪能して1階へと戻ってきた私は、


「マーヤさん、管理のお仕事は王都に住んでいる人しか出来ませんか?」



 私たちは、今後も時間があるときは天使殿の掃除に参加したいのだが、毎週のようにくるのは難しい。そこで、今日ここに来てから考えていたことをマーヤさんに質問してみたのだ。



「いいえ?もちろん、王都に出稼ぎに来ている人もいますから、身元さえしっかりしていれば誰でも大丈夫ですよ」

「年齢制限もないですか?」

「年齢も特には定めていないはずです。身元さえしっかりしていれば」

「よかった!それでは、帰ったらお父様に相談してみます!」

「えっと.....どなたかいらっしゃるのですか?」

「はい!もし、お父様に了承してもらえたらご連絡します!」

「そうですか!ロバート公爵領の方なら安心ですね。ご連絡、お待ちしてますよ!」


 豪快に笑うマーヤさんに見送られ、私たちは天使殿を後にする。



 『よかった、今日は水色の輪しか見えないわ』



 やはり今日も、天使殿から外に出ると王都を包み込む水色の輪が見える。前回あった黒くて薄いモヤは見えなかった。



 そして、私たちは広場の屋台で昼食をとり、次の目的地は王立図書館だ。


 前世では何度か王立図書館を利用したことはあるが、リュドヴィック殿下の婚約者となってからは王太子妃教育で忙しくなり利用することはなくなってしまった。


 今世では初めて王立図書館に行くことになる。みんなで天使族について調べようということになったのだ。


 ちなみに、メアリーから聞いた天使族と魔族の話はスカーレットにも教えていない。


 あの日、スカーレットはいなかったため「天使殿の天使像は、大天使アーリエル様の旦那様で”ラファエル様”というらしい」としか話していない。


 なぜなら、スカーレットはいい子なうえに正直者だから、”つい”とか”うっかり”でポロっと話してしまう可能性があるため、もう少し大きくなったら話そうと、モアナとミレーネと相談をして決めたのである。




 王立図書館へと歩きながら、私は学園の食堂での会話を思い返すーーーー。



『そういえばぞい!殿下は、リュー陛下の妃だった天使族の姫の名前、知ってるぞいか!?』


 スカーレットが思い出したかのように、殿下へと直球で質問をした。


 一気に、みんなの視線が殿下へと集中する。


『知っているよ?』


 なんてことないように、キョトンとした顔の殿下はあっさりと答えてしまった。


『知ってるぞいか!?なんて名前ぞいか!?』

『教えてください!』


 スカーレットとミレーネが食い気味に殿下に迫る。


 私もモアナも殿下を凝視する。


 殿下は驚きながらも、


『て、天使族の姫の名前は”ハニエル”だよ』


『『『『ハニエル様・・・・』』』』


 殿下とダミエレ様以外の、4人の声が重なる。


『ど、どうしたの?みんな?』

『だってぞい、このコフィア王国の始祖であるリュー陛下の妃の名前が本にも載ってないし、大人も知らないんだぞい!!』

『えっ?そうなの?王子教育の教科書には載ってたよ。そうだよね、ダミエレ?』


 殿下といっしょに、学園入学前から王宮で教育を受けているダミエレ様は、殿下の言葉に頷いた。


 殿下は思案するような表情で顎に手を当てながら、


『王族が使う教科書には載っているのに、民たちが読む本には載っていないなんて不思議だね・・・。ハニエル様の名前は誰もが知っていると思っていたよ』

『ハニエル様の名前は、”秘密”ってわけではないぞいか?』

『秘密なわけないよ。この国の始祖であるリュー陛下を支えた、この国で最初の”王妃”なんだからね』




ーーーー殿下の言う通り、このコフィア王国の最初の王妃である方の名前を知らないなんて、本当に不思議なことだ。


 そして、そのことを誰も疑問にも思わなかったのだ。


 国として秘密にしているわけではない。しかし、ハニエル様のことも含めて天使族や魔族についての教育は重視されていない。



 『いいえ、違うわ。メアリーのようにアンヘルでは、天使族や魔族について教育されている。王都が、または王都周辺が変なのよ』



「着いたぞいよ~!!」


 スカーレットの言葉に立ち止まり顔を上げると、いつの間にか王立図書館へ到着していた。


 どうやら私は、周りが見えなくなるくらいに考え込んでしまっていたようだ。


 

 『何か、手がかりが見つかればいいのだけど・・・・』



「何度か来たことがあるから案内するね!」

「ワクワクするぞい!!」

「入る、、の、、はじ、、めて」


 

 期待に満ちた眼差しをしている3人とは対照的に、私だけが少し硬い表情をしたまま王立図書館を見上げたのだったーーーー。









ハニエルの名前が出てきましたね~♪

ハニエルは、第59話「新しい命」に登場していますよ~(#^^#)


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