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天使のほほえみ  作者: L
71/72

天使殿の掃除②

またまた、懐かしい人が登場します♪


よろしくお願いします!




 天使殿のお掃除当日。


 私は、メアリーに同行してもらうことになっている。


 今日は午前中いっぱい掃除をして、みんなでお昼ご飯を食べて、午後は王立図書館へ行く予定だ。


 4人そろって王都に繰り出すのは初めてのため、目的は”掃除”ではあるが楽しみで仕方がない。


 公爵邸を出発する際、お父様とお母様、そしてお母様に抱かれたネオがお見送りをしてくれた。



「気をつけて行ってくるのだよ」

「お友達にもよろしくね」

「あー!うーあー!」


 ネオも「いってらっしゃい!」と言ってくれているようだ。


「行ってきます!ネオ~、お土産買ってくるからね~!」


 ネオの頭やプニプニの頬っぺたをたくさん撫でて満足したあと、私とメアリーは馬車へと乗り込んだーーー。




ーーーークリスティナを乗せた馬車が見えなくなるまで見送ったロバート公爵家のグレイソン、アリアナ、ネオの会話である。



「それにしても、ティナから天使殿の話を聞いた時には驚いたわ。王都に天使殿があるなんて全く知らなかったから」

「俺も......んっ?待てよ?幼い頃に、リュベルトといっしょにリュース陛下に連れて行ってもらったような......そうでないような?」

「えっ!?前国王に?覚えてないの?」

「まだ学園にも入学する前のことだからね。記憶が朧気なんだけど、リュース陛下に王都の()()()()連れて行ってもらった気はするんだけど。あの頃は、リュース陛下も体調が安定されていたからね」


 前国王のリュース、つまり現国王リュベルトの父親は生まれつき体が弱く、リュベルトがコフィア王立学園を卒業後すぐに亡くなっている。 


「まさか、前国王との思い出を忘れるなんて呆れるわね~。グレイソンも天使殿へ行ったら、幼い頃のことを思い出すかもしれないわよ?」

「あはは、面目ない。そうだね、俺も天使殿は見てみたいし行ってみようかな」

「笑って誤魔化さないの!困ったお父様ですね~。ねぇ、ネオ?」

「あー!あー!うー!あーうー!」


 ネオがグレイソンに向けて手足をバタバタさせる。


「あら?ネオ、どうしたの?」

「もしかして、ネオも天使殿に行きたいのかな?」

「あー!」

「ぷぷ、まるで”そうだ”って言っているみたいだね。よ~し!ネオが出掛けられるようになったら、いっしょに行こうな!」


 今度は、グレイソンがネオを抱き上げて「高い高い」をする。


 近い将来、ネオを天使殿へ連れていくことになるのはグレイソンではないのだが・・・・。


 このような家族3人のやり取りを、もちろんクリスティナが知る由もない。


 ネオの背後では太陽が輝き、ネオの薄い青色の瞳をキラキラと輝かせていたのだったーーーー。




♦♦♦♦♦♦♦



 天使殿に到着すると、すでに友人は扉の外に集まっていた。


「クリ~!おっはよ~ぞ~い!!」

「おは、、よ」

「おはよう!クリ!」

「みんな~!おはよう!遅くなってごめんね!」


 私は、友人のもとへ小走りする。


「遅くないぞい!わたしたちが早く着きすぎたんだぞい!!」

「スカーレット、、迎えに、、くるの、、早すぎ」

「実は、わたしも楽しみにしすぎて、早く家を出ちゃったの」

「ふふふ、わたしもワクワクしてる」

「よしぞい!お掃除の説明をしてくれる人が、中で待っているから行こうぞい!!」



 今日も掃除がしやすいように、庶民風コーデで動きやすい服装をしている。


 約束通り、それぞれ侍女を1人ずつ連れてきており、みんなの侍女もメアリーと同じくらいで20歳前だろうか。


 私たちの後ろに侍女が続いて中へと足を踏み入れると、天使殿は相変わらず、室内に燦々と光が降り注ぎ優しい空気で出迎えてくれる。


 すると、天使像の近くに恰幅のいい1人の女性が緊張した面持ちをして立っていた。


 スカーレットを先頭にして、その女性の前で立ち止まる。


「こちらが、わたしたちに説明してくれるマーヤさんだぞい!!」



 スカーレットに挨拶を促された「マーヤ」と呼ばれた30代後半くらいの女性は、恭しくお辞儀をしながら、


「こちらの近くで職業紹介所をしているマーヤと申します。王宮より、こちらの天使殿の清掃について、お嬢様方にご説明するように仰せつかっております。私は平民で申し訳ありませんが、本日はよろしくお願い致します」

「申し訳なくないぞい!わたしが頼んだんだぞい!!」

「マーヤさん、どうか顔を上げてください」


 私とスカーレットの言葉で顔を上げたマーヤさんは、驚いた顔をしていた。


「し、しかし、王宮からの依頼だったとしても、本当にお嬢様方に清掃をしていただいてよろしいのかどうか・・・」

「貴族とか平民とか関係ないぞい!父上と”お掃除をやりきる!”と約束したんだぞい!!だから、ビシバシ教えてほしいぞい!!!」

「わたしは、ここの天使殿が大好きなんです!だから、今日のお掃除も楽しみにしていました!今日のために侍女に少しだけお掃除を教えてもらったのですが、とても大変な仕事を皆さんはしてくれているんだと痛感しました!わたしでは役不足かもしれませんが、大好きな天使殿を少しでもキレイにするお手伝いをさせてください!!」

「ミレーネ、、大、、アピール、、わたしは、、スカーレットを、、見張る」

「私も中途半端なことはしません!孤児院でお掃除を手伝うこともあります!」



 私たちの熱烈な言葉に、マーヤさんは目を白黒させている。


 そして、意を決したような顔つきとなり、


「では、お嬢様方。本気、ということでよろしいですね?」

「もちろんだぞい!あっ、自己紹介がまだだったぞいね!わたしはスカーレット・グスタフソンだぞい!!今日はビシバシ!よろしくお願いしますぞい!!」

「わたしは、ミレーネ・ワグナーです。マーヤさん、今日はよろしくお願いします!」

「わたしは、、モアナ・ウェバー、、よろしく、、お願い、、します」

「私は、クリスティナ・ロバートです!よろしくお願いします、マーヤさん!」


 私たちの挨拶に対してマーヤさんは、


「お嬢様方、こちらこそよろしくお願いしますね」



 今日、初めての笑顔を見せてくれたマーヤさんなのであった。



 侍女たちの挨拶も済ませて、マーヤさんに天使像の奥にある扉へと案内される。


 扉の奥には掃除道具が置いてあり、侍女たちが箒やバケツ、雑巾などを持つのを見ながら、私たちも真似をする。そして、扉の奥には2階へと続く階段も存在していた。



「マーヤさん、この階段はなんですか?」


 私が不思議に思って質問してみると、


「この2階は住居になっているんですよ。天使殿を管理する人は住み込みが多かったので。前任のじいさんもそうでした」

「お家なんですね!」

「見ることはできますか?」


 ミレーネが興味津々で聞いている。


「見ることは構いませんが・・・なんも面白いのはないですよ?」

「見たいぞい!」

「スカーレット、、さきに、お掃除、、しなきゃ、、ダメ」

「うぐっ!?わかっているぞい!」

「あはは!しっかりしたお嬢様だね!清掃が終わったら2階へ案内しますよ」



 私たちに慣れてきたのか、マーヤさんは気さくに話してくれるようになってきた。


 掃除道具を手にして天使像のほうへ戻ろうとすると、メアリーが階段を見つめていることに気づく。


「メアリー、どうしたの?」

「あっ、申し訳ございません!何でもございません!」


 メアリーが慌てて私のところへ戻ってくる。


「ふふふ、メアリーも2階が気になるんだね?お掃除が終わったら案内してもらえるから楽しみだね!」

「はい......申し訳ございません」


 メアリーは恥ずかしそうに頬を赤く染めていた。



「さぁ!では清掃を始めましょう!侍女の方たちはご存知かと思いますが、清掃とは基本的に上から下へとします。ホコリは上から下に落ちますからね。そのため、先に椅子や窓のはたき掃除をして、雑巾で拭いてから、最後に床を清掃しましょう」

「「「「はい!!!!」」」」



 そして、私たちはエプロンを準備する。


 エプロンは各々が用意したもので、私が淡い黄緑色、ミレーネが淡い水色、モアナが淡い桃色だ。スカーレットは濃い黄色である。なんだか、みんなの色がとても似合っていて、まるでイメージカラーのようだ。


 エプロンをつけて、どこを誰が掃除しようか話し合う。



「わたしと、、スカーレットは、、椅子を、拭く」

「なんでぞい?」

「ステンド、、グラスは、、傷つけ、、そう、、だから」

「うぐっ!?たしかに、ステンドグラスを傷つけるのは怖いから椅子を拭くぞい!」

「ふふ、それじゃあ、わたしとミレーネは窓を拭こうか!」

「うん!」



 するとメアリーが、


「あ、あの、クリスティナお嬢様、発言をしてもよろしいですか?」

「いいよ、メアリー。どうしたの?」


「あの、天使像を磨かなくてもよろしいのでしょうか?」


「たしかに!マーヤさん、天使像はお掃除しなくていいのですか?」

「実は、天使像は壊したらと思うと怖くて何もしたことがないんですよ。前任のじいさんは、どうしていたかはわかりませんがね。新しい管理人が見つかるまでは私が代理で清掃していますが、どこか壊しても弁償なんてできないので、王宮にも相談して天使像には触らなくていいと許可をもらっているんです」



 マーヤさんの説明に対してメアリーは、


「それでしたら、私が天使像を磨いてもよろしいですか?私はアンヘルの出身で、大天使殿にあるアーリエル様の天使像も磨いておりました。こちらの天使像もアーリエル様と同じ形をしておりますので、磨き方は熟知しております」



 メアリーの申し出にマーヤさんは嬉しそうに、


「そうかい!それは頼もしいじゃないか!ぜひお願いするよ!壊したらと思うと触れなかったけど、天使像を何もしないのは申し訳ないと思っていたからね。大天使殿のも磨いていたのなら安心だよ!」



 そう言いながら、マーヤさんはメアリーの背中をバシンッ!と叩いた。



「よろしくお願いね!」


「はい!」



 こうして、私とメアリーは天使像を担当することになり、私は天使像に触れるという重大任務に緊張することになるのだった。


 ドキドキ。ドキドキ。







今回、初めて名前が登場した前国王リュース。

幼い頃に、グレイソンとリュベルトが連れて行ってもらったところとは天使殿なのでしょうか(・・?


そして、職業紹介所のマーヤ!再登場です!

えっ?覚えてない?

詳しくは、※メアリー目線(侍女)1⃣~2⃣をご覧くださいッ(=゜ω゜)ノ


今世のマーヤは、貴族令嬢のクリスティナたちに対して、最初はおっかなびっくりの態度でしたが、徐々に緩和されてきましたね。

メアリーに対しては、まるでお母さんのようです。


続きは、また明日更新できそうです\(^o^)/




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