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天使のほほえみ  作者: L
44/72

初等部1年生の学園祭①

クリスティナ本編に戻ります!

このまま無事に学園生活を過ごし、無事に弟妹は生まれてくるのか!?


クリスティナの奮闘、ご覧ください(#^^#)




 長かった夏休みも終わり、今日から学園生活が再開する。




  久しぶりの教室、久しぶりのクラスメイトたち。


 各々が夏休みの思い出に花を咲かせるなか、私もミレーネ様、スカーレット様、モアナ様に囲まれていた。



「おっはよー!みんな!久しぶりだぞい!!」

「おはよう!みんな、元気そうでよかった!」

「おはよう!クリスティナ様、おめでとう!」

「おはよう、、弟妹(きょうだい)、、うらやましい」

「えへへっ、ありがとう!」



 お母様が妊娠したことは、みんなに手紙で知らせてあったため、朝からその話題で大盛り上がりだ。


 先生が教室に入ってきたため中断してしまったが、お昼休みの食堂でまた再開された。




「弟かな?妹かな?」


 興奮しながら、そう聞いてくるのはスカーレット様。


「わたしなら、、弟が、、いい、、女ばかり、、だから」


 お姉様がいるモアナ様は、弟がいいらしい。


「妹も、お揃いの格好とかできて楽しいよ?」


 妹が可愛い、とアピールするのはミレーネ様。


「私は、今までひとりっ子だったから、弟でも妹でも嬉しいなぁ。家族が増えるって想像したことなかったから、ワクワクしちゃう!」


 素直な思いを言う私。


 前世では弟妹はいなかったから、本当に未知の世界。


 楽しみで楽しみで仕方がない。



「わたしには兄上たちがいるから、優しい姉上とか弟とか妹とか、うらやましいぞい!」

「姉は、、いるから、、わたしも、、弟や、、妹は、、うらやましい」

「わたしは妹しかいないから、お兄様やお姉様がいるのはうらやましいなぁ」

「私も、ずっと兄弟姉妹には憧れていたの!やっぱり、ナイモノネダリだよね〜!」


「「「ナイモノネダリ!!!」」」


 3人の声がハモった。


「生まれたら、会いに行ってもいい?」

「いいよ!いいよ!ぜひ来て!」

「会いたい!会いたいぞい!!」

「スカーレット、、うるさい、、わたしも、、会いたい」

「ふふっ、ありがとう!2月に生まれる予定だから、生まれたら教えるね!」



 そして、それぞれの夏休みの思い出に話題は移る。



「本当は山のほうに鍛錬に行くはずだったんだけど、急に海のほうに変更になったんだぞい!」

「そうだったんだ!なにかあったの?」

「ん〜、父上がそう言ったから、そうなったんだぞい!だけど、海は素晴らしかったぞい!ねっ、モアナ!?」

「うん、、すごく、、キレイ、、だった」

「それで、海の近くに療養院があって、そこに兄上たちとモアナとお手伝いにも行ったんだぞい!そこに、わたしたちと同じ年の女の子もいたんだぞい!」

「えっ!?私たちと同じ年の子が療養院に!?」

「そうなんだぞい!生まれつき心臓に病気があるみたいで、療養院生活が長いって.....でも!すごく笑うんだ!」

「本当は、、この、、学園に、、入学する、、はずだった、、みたい」


 本当なら初等部1年生の子供が、療養院に入っているという事実に、私もミレーネ様も言葉が出ない。


 療養院は治療院とは違い、治療の見通しがなかったり、高齢だけど家族がいない人たちが、最期の時まで穏やかに過ごすための施設なのだ。


「だから、学園のことを聞きたがったから、いっぱい教えたんだぞい!いっぱい話して、車イスを押して、いっしょに浜辺まで行ったりしたんだぞい!」

「うん、、すっごく、、楽しそう、、だった」


 その時のことを思い出しているのか、スカーレット様もモアナ様も、優しい顔をしている。


「絶対に、学園に通う!って言ってたぞい!だから、待ってる!って約束したぞい!!」


 スカーレット様が小指を立てて、ズイっと前へと差し出す。


 きっと、その女の子と小指を絡めて約束してきたのだろう。


「家族にも、、あまり、、会えなくて、、寂しい、、はずなのに、、前向きで、、笑顔が、、かわいかった」

「私が、勝手に悲観的になるなんて失礼だったわ。元気になって、学園で会えるようにお祈りする!」

「うん!わたしも、天使様にお祈りするわ!」

「手紙を書くって約束もしたから、また学園のことを教えるんだぞい!」


 すると、モアナ様がキラキラと目を輝かせながら、


「あっ、、ミレーネ様、、ミルクプリン、、また、、食べた?」

「ふふふっ、食べたよ〜。妹も大好きで、モアナ様がミルクプリンを刺繍したことを話したら、見てみたい!って、大はしゃぎだったよ」

「今度、学園祭があるから、モアナ様の刺繍、飾られるんじゃない?」


 午前中に、夏休みの宿題の提出をした際、モアナ様の刺繍を見た先生が、「な....なんて....斬新な....」と、絶句していた。


 ミルクプリンをのせたお皿もスプーンも、しっかり刺繍した作品だ。


「もしかしたら、お母様といっしょに妹も学園祭に来れるかもしれないから、モアナ様の刺繍があったら喜ぶよ〜」

「妹さんは元気だった?」

「もう元気!元気!わたしは本を読むほうが好きだけど、妹は外で走り回るほうが好きだから、ずっと牧場に付き合ってたよ〜」

「牧場、、見たい」

「今度、みんなで遊びに来てほしいな」

「行きたい!行きたいぞい!!」

「みんなでお泊まりとか楽しそう!」



 そうしているうちに、予鈴が鳴り響き、私たちは慌てて教室へと戻ったのであった。






ーーー秋は、学園のイベントが立て続けにある。


 ひとつは、学園祭。


 もうひとつは、剣術大会。



 学園祭は、一般開放される。


 中等部と高等部の生徒が中心となり、クラスごとに屋台やカフェを出店したり、劇や楽器演奏を披露するクラスもある。


 初等部は展示をするくらいで、先輩方から学園祭を学ぶために、中等部や高等部に足を運ぶのだ。学園祭の時だけ、他の校舎に入ることができる。


 一般公開されることから、警備を強化する必要もあり、この時は第三騎士団......通称〜王都警備隊〜が学園の警備を担当することになっている。


 学園の門が華々しく飾られたり、屋台が立ち並んだり、案内の看板が立てられたり、着々と学園祭の準備が進められていく。




ーーーーー学園祭当日。



 初等部の教室は、机や椅子が片付けられて綺麗に展示物が飾られている。


 展示物は、女子生徒が刺繍したものと、男子生徒の木工作だ。


 どちらも夏休みの宿題だったもので、男子生徒の木工作は本棚や巣箱、飾り棚などで、初等部1年生は本棚や巣箱の作品が多い。色付けをして絵を描いてあるものや、彫ってあるものなど様々だ。



 私たち初等部は、朝礼後は自由行動となる。



「どこから見るぞい?」

「とりあえず、他のクラスの展示物を見に行こっか?」


 そして、いつもの私たち4人は、同じ1年生のクラスから見て回ることにした。


 A組から順番に見て回り、次はD組だ。リュドヴィック殿下のクラスである。


 

 『殿下がいませんように・・・』



 ドキドキしながらD組に入ると、殿下の姿はなくホッとした。


 それでも、殿下がいるクラスだけあって、見にきている人は多い。



「あっ!これ、リュドヴィック殿下の作品だぞい!!」


 スカーレット様の声に、ドキッとしてしまった。


 ミレーネ様もモアナ様も、スカーレット様のほうに向かう。私も行かなければ怪しまれてしまうと思い、2人の後ろに続いた。


 『たしか、初等部1年生の殿下の作品は、本棚だったはず・・・』


 そう思いながら、ミレーネ様とモアナ様の後ろから覗いてみると、


「「「これ・・・・」」」


 私以外の3人の声がハモった。


「クリスティナ様が、前に刺繍した花と同じぞいか?」

「スカーレット、、語尾が、、変、、うん、、似てる」

「この青い花、ボリジ?だったかな?」

「うん.....似てるね.....」



 『なぜ!?』



 リュドヴィック殿下の作品は、本棚ではなく巣箱だった。巣箱全体には色は塗られておらず、光沢を出すものだけ塗られている。


 そして、巣箱の両側面に青い星形のボリジ・・・に似たようなものが描かれていた。


 前世でのリュドヴィック殿下は、あまり花を描くことはなかった。



 『実は殿下も、ボリジの花が好きだったのかな?』



「殿下も、かわいい花を描くんだぞいな!」

「なんか、、意外」



 スカーレット様とモアナ様が殿下の木工作を堪能していると、ミレーネ様がリュドヴィック殿下の隣にある作品を見入っている。


「きれい.....」


 私もミレーネ様の隣に移動して見てみると、それはリュドヴィック殿下の側近候補である、ダミエレ様の作品だった。


 ダミエレ様の作品は、ペン立てとシンプルではあるが、その色合いが夜空をイメージしたような藍色に星が散りばめられている。



 『なんて、ダミエレ様らしいのかしら』



 例えるならば、リュドヴィック殿下が真昼の太陽なら、ダミエレ様は夜の月。


 コインの表と裏。


 陽と陰。


 前世のダミエレ様も、殿下の側近として殿下を支えていた。


 常に冷静沈着で感情を表に出すような方ではなく、前世でクリスティナ()のことを蔑んだ目で見ることのない、数少ないなかの一人でもあった。


 今世のダミエレ様と話してはいないが、この絵柄からも彼のイメージは前世と近い。


 だが、リュドヴィック殿下は・・・。前世の殿下は、絵を描くとしても剣や王家の紋などが多かった。


 しかし、私も自分の選択で前世とは違うように、殿下も私と関わっていないことで何か違っていることもあるのだろうと、そう推察することにした。



「ダミエレ・シュルーダ様・・・・・・」


 ミレーネ様が、ダミエレ様の作品の前に置いてある名札を見つめながら、ボソっと呟く。


 その目は、ダミエレ様の絵柄にある星のようにキラキラ輝かせている。


「ダミエレ様は、シュルーダ宰相様のお孫さんだよ」

「宰相様のお孫さん......すごい方なんだねぇ......」


 私がダミエレ様のことを教えると、ミレーネ様はキラキラ輝かせていた目を伏せて、少し悲しそうな顔をした。


 私たちの会話が聞こえたのか、スカーレット様もモアナ様も隣に寄ってきて、ダミエレ様の作品を見ている。


「シュルーダ宰相様の孫って・・・あぁ!ダミエレ様だぞい!こんなにキレイに色が塗れるなんて、すごいぞい!!」

「うん、、キレイ、、スカーレットは、、絵も、、ヘタ、、だもんね」

「うぐっ!?でも、この色のペン立てが机にあったら、お星さまがキレイすぎて、きっと眠くなっちゃうぞい!!」

「あははっ!たしかに夜空のような絵だから、ベッドサイドに置いたらよく眠れそう!」

「そうだぞい!いい夢が見れるぞい!!」

「スカーレット、、バカ」

「うふっ、うふふっ」


 天然なスカーレット様のおかげで、みんな大笑いだ。


 一瞬だけ悲しそうな顔をしていたミレーネ様も笑っている。


 なぜ、ミレーネ様が悲しそうな顔をしたのかは分からない。もしかしたら、私の勘違いかもしれない。


 勘違いだったとしても、楽しそうに笑っているミレーネ様を見て、私は安堵した。




 そうして私たちは、初等部のクラスを回り終えて、中等部の校舎へと向かったのだった・・・。








D組のクラスを出たあと、話題はダミエレの作品のことばかり。


「いい夢が見れるように、あのペン立てもらえないか、ダミエレ様に頼んでみようぞい?」

「スカーレット、、やめて、、はずかしい」

「わ、わたし、ほしいな......」

「「「えっ!?」」」


ミレーネの言葉に、ミレーネ以外の3人の声がハモる。


「あっ、あっ、えっと......宰相様のお孫さんのような立派な方に、そんなこと頼むなんて失礼すぎだし......冗談だよ......」


顔を真っ赤にして俯くミレーネを見て、顔を見合わせるミレーネ以外の3人。


「父上に宰相様に頼んでもらえないか、お願いするぞい?」

「スカーレット、、よけいな、、こと、、しちゃ、、ダメ」

「ダミエレ様とお友達になるほうが先だよね?」


小声でヒソヒソと相談するミレーネ以外の3人。


誰か~!リュドヴィックの作品についてもツッコんであげて~!!!

リュドヴィック、頑張って青い星形のボリジを描いたんだよ~(≧◇≦)


きっと、リュドヴィックはクリスティナに見てもらえるかな?と、ソワソワしていることでしょう('ω')笑









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