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天使のほほえみ  作者: L
32/72

リュドヴィック来訪後の公爵邸

何も知らずに帰宅してきたクリスティナ。

実は、先ほどリュドヴィックが公爵邸を訪れていたことを知って・・・・。


今回は短めですが、よろしくお願いします!




 今日は、期末テストの結果発表があった。



 そして、ミレーネ様、スカーレット様、モアナ様の4人で、夏休み中に刺繍の宿題をすると約束した。



 学園からの帰りは、いつも通りに露店で課外授業をした。


 

 いつも通りに帰宅すると、いつも通りではないことが起こっていて驚いた。



 なんと!リュドヴィック殿下が我が家を訪れていたのだ。



 訪れたといっても、玄関先で陛下からお父様宛の書類を渡しただけみたいだが、前世では一度も殿下が我が家に来たことはなかったため、驚きを隠せない。





「ティナと話してみたいことが、たくさんあると仰っていたわよ〜」



 お母様がそう言うものだから、なんだか恥ずかしくて顔に熱を持ってしまった。



 『ムリ!ムリ!話さなくていいから!』



 そう自分を克己(こっき)する。




 まさか、露店で課外授業をしているところを見られるとは。



 少しでも私の帰宅が早かったら、殿下に会っていたかもしれないのだ。私の存在が知られてしまうではないか。




 明日から夏休みで、本当によかった。


 陛下からの届け物のため、わざわざ殿下が我が家を訪れてくれたのだ。


 本来なら、学園で会った際にお礼の一言でも伝えねばならない。


 だけど、夏休みのおかげで殿下には会わないし、そもそも私に会いにきたわけでもないし、お花などをもらったわけでもないから、お礼の手紙もいらないだろう。




「リュドヴィック殿下は、初等部1年生とは思えないほどお美しい方ですね。奥様とお話されている姿は、既に堂々として凛々しいものでした」



 そう話すのは、侍女のメアリーだ。


 メアリーは公爵邸にいたので、2階の窓からリュドヴィック殿下を見たそうだ。



 もしかしたら私も、あの天使のような男の子を目の前で10年ぶりに見れたかもしれない・・・と、会えなかったことを少しだけ残念に思う気持ちには、気づかないフリをしたのだった。






ーーー今日の夜は、お父様は仕事で帰りが遅くなるそうなので、まだ友達と刺繍することの了承を得られていない。


 お母様には「まぁ!お友達と集まるなんていいじゃない!でも一応、初めてのことだからグレイソンにも聞いてみるのよ」と、お母様のOKはもらえた。


 明日には、お父様にも話せたらいいな。




 そうして、私は眠りについた・・・・・。






ーーーーー夜も更け、そろそろ日付が変わりそうな時間。



 父グレイソンは帰宅して、公爵邸の執務室にいた。


 母アリアナから、リュドヴィック殿下が持ってきたというリュベルト陛下からの書類が入った封筒を受け取る。



「陛下め、俺の仕事場じゃなくて家に持ってこさせるとは・・・・・」


「まぁまぁ、いいじゃない!リュドヴィック殿下も、ティナの課外授業をしている姿を見て、何か決意した目をしていたし!」


「・・・今回は、すぐ帰ったところは評価しようか」


「子供たちがプラスな方向になるなら、ティナと殿下が会ってもいいんじゃないかしら?」



 アリアナは、わざとらしく人差し指を頬にあてて首を傾けてみせる。


 グレイソンは、そんなアリアナを横目に見ながらリュベルト私印が押された封筒から書類を取り出した。




 書類に目を通してみるとーーーーー



   “僕のヘタレ息子とクリスティナ嬢は出逢えたかな♡”



 その文章を目にしたグレイソンは、書類を持つ両手で書類をグシャっとし、肩をブルブル震わせる。




 そして天井を見上げ、



「リュベルト〜〜〜〜〜!!!!!」



 グレイソンの大声が、夜中の公爵邸に木霊こだましたのであった・・・・・。






この日は、あちこちで叫ぶ人が多かったですね(笑)


夜中に大声で叫ぶグレイソンは、アリアナに「うるさい!」と、頭をベシッと叩かれながら怒られたそうです(^^;)


それにしても、露店にいたのはクリスティナだとリュドヴィックに気づかれていたのに、「まだ自分の存在に気づかれていないはず」と、勘違い?鈍感?なクリスティナです。。。

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