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天使のほほえみ  作者: L
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※ダミエレの側近目線

前回のリュドヴィック目線に続いて、リュドヴィックの側近候補でもあるダミエレ目線をお届けします!

ダミエレから見たリュドヴィックとは!?

よろしくお願いします!!


 ボクの名前は、ダミエレ・シュルーダといいます。


 

 第一王子であるリュドヴィック殿下とは、3才の頃に紹介していただいてから、ともに勉強や剣術を学ばせてもらっています。


 リュドヴィック殿下とボクは同じ年齢のため、殿下が切磋琢磨できる相手が必要だろうということで、宰相であるお祖父様の孫のボクが選ばれました。


 お祖父様は亡くなった両親に代わり、ボクを厳しく育ててくれています。


 その厳しさは、お祖父様の優しさなのだと、ボクは知っています。


 殿下はボクの心配をしてくれるけど、お祖父様とお祖母様がいてくれるから、ボクは大丈夫なのです。




 そんな心優しい殿下は、王位継承権第一位の立場のため、学園に入学する前から帝王学やら剣術やらを学ばれています。


 この国の貴族は、7才になる年齢でコフィア王立学園に入学する決まりがありますが、入学前までに各家庭で家庭教師を雇ってはいけない決まりはないので、貴族の家によっては入学前まで家庭教師から学ぶ子供もいます。その場合、学ぶといっても簡単な読み書き、簡単な計算、礼儀作法のマナーが中心となりますが。あまり、学園から学ぶ生徒と格差をつけるのは、良しとはされていないからです。


 しかし、王族の子供は違います。


 将来、国を背負う立場にある人たちです。


 国を、民を守るためには、学園の授業だけでは足りません。


 一般的な学問のほかに、経済、経営、財務、法律、気象学など、多種多様な専門知識が必要となります。


 本当は学園の授業についても、殿下は初等部の授業レベルであれば既に終了していますが、将来の人脈を見極めるためには学園に通うことも必要不可欠なのです。



 殿下は、一を聞いて十を知ってしまう人です。


 優秀で聡明ですが、人の機微にも敏感すぎるため、周囲の貴族には辟易しているようです。


 ボクより喜怒哀楽がハッキリしていたはずが、いつも王子の鉄仮面を貼りつけて爽やかな笑みをしているように見えますが、だんだんと冷めた表情になってきています。


 ボクの心配をしてくれるより、ご自分の心配をしてほしいものです。


 ボクの前だけでも素に戻れるって言われると、それはそれで、とても光栄なことなのですが。



 そんな殿下を、将来はお側で補佐していけるような人になりたいため、ボクも専門的な分野を頑張って勉強しているのですが、どうしても剣術だけは殿下に勝てません。


 お守りするべき人より弱いって・・・。


 殿下の護衛には、殿下より強い人がなってくれることを切に望みます。


 ボクも、まだまだ頑張りますけどね。




 しかし、見たことのない表情をする殿下に遭遇するとは。




ーーーーーあれは、学園の入学式の日。




 入学式を行う大講堂へ移動するため、殿下と廊下に並んでいた時のこと。


 それまで、生徒からの挨拶ラッシュに辟易していた殿下でしたが、この世で初めて衝撃的なものを見たかのように目を見開き、口もポカンんと開き、だんだんとポカンと開いた口は締まりのない笑みへと変化していくではありませんか。


 『な、なんだ!?』


 ボクは、ギョっとしてしまいます。



 殿下の視線を追ってみると、隣のC組のある女子生徒を見ているようです。


 その女子生徒も、ボクらと同じように廊下に並ぶため教室から出てきたところでした。


 『あの髪の色は・・・ロバート公爵と同じ?』


 ボクも王宮への出入りはあるため、ロバート公爵のことはよく見かけます。


 『ロバート公爵は、陛下の同級生で仲がいいんだよね』


 これは、王宮では有名な話です。


 殿下の父君である陛下に、側近という側近はいません。


 しかし、陛下の執務室の隣には文官たちが待機しており、執務の補佐的なことをしている部署はあります。


 ロバート公爵と過ごしたあとの陛下は、執務を片付けるスピードが何倍にも早くなり、気力も集中力もぜんぜん違うのだとか。


 王宮の文官でも陛下の側近ではないため、ロバート公爵の存在が緩和剤となり、文官の人たちにとってはロバート公爵様々なのであります。



 『では、あの女子生徒はロバート公爵令嬢ということか』




 それからというもの、殿下がロバート公爵令嬢のことを目で追う日々が始まりました。



 『殿下・・・挨拶すらできないとは・・・』



 入学式から1ヵ月経過しても、殿下はロバート公爵令嬢に話しかけられないままです。


 廊下や食堂で、ロバート公爵令嬢を目で追うばかり。


 自然と、ボクの視界にもロバート公爵令嬢が入るようになるわけなのですが。



 『ロバート公爵家、グスタフソン侯爵家、ウェバー伯爵家、ワグナー伯爵家。すごいメンツだな』



 この4人の女子生徒がいっしょにいることを多く見かけます。


 この4家は、悪い噂のない家です。多少の噂はありますが、嫉妬や羨望からきていることが分かる内容なので、本当の意味での悪い噂は聞きません。ボクのお祖父様も、この4家のことは一目置いています。



 『類は友を呼ぶ・・・か』



 それに、殿下が気にかけているロバート公爵令嬢は、子爵家や男爵家の生徒とも分け隔てなく接している様子を伺えます。



 『性格も気配りができて悪くない・・・か』



 あまりの殿下のヘタレ具合に、ボクが代わりにロバート公爵令嬢に声をかけて仲をとり持ってもいいのですが、ボクが先にロバート公爵令嬢と話そうものなら殿下に殺されそうなのでヤメておきます。



「それほど気になるなら、話しかければいいじゃないですか?」



 迷走する殿下を見ていられなくて、そう声をかけました。



「それが簡単にできたら、こんなに悩まない」



 『な、悩む?・・・あの殿下が?』



 王族は天使族の血を受け継いでいることからも、王族は特別な人間以上の存在と思われがちです。



 『だけど・・・やっぱり殿下も、人の子なんだな』



 一歩斜め前を歩いている殿下を見ると、耳まで真っ赤になっているのが丸見えです。


 人として冷めた面が多くなっていたけど、そんな人間らしい面が垣間見えて嬉しく感じます。




 ボクは、殿下の恋?きっと初恋?を応援したくなったのでした。






ーーーーーそう思っているダミエレの口角が上がっていたことには、ダミエレ本人も気づいていません

でした・・・。






リュドヴィック・・・いつヘタレを脱出できるんだ~!?

ダミエレとリュドヴィックは、しっかりと信頼関係を築けているようですね!

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