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天使のほほえみ  作者: L
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今世での日常




「あなたは、そのままでいいんだよ」


 美しい女性の声で、そう言われた気がした。




 『夢か・・・』


 これほどまでに深く眠り、スッキリと目覚めたのは、いつぶりだろう。



 メアリーが用意してくれた水で顔を洗い、制服に着替える。


 昨日は、あまりの出来事に制服を見る余裕なんてなかったから、私は改めて制服をマジマジと見る。


 私は、この制服が好きだった。


 紺のベルテッドジャンパースカートはウエスト部分がベルトになっているため、体が成長してもコルセットがいらなくて動きやすいし、貴族の服とは違い平民でも気負うことなく着られるカジュアルな感じもお気に入りだった。淡い黄色のリボンタイシャツは袖がギャザースリーブになっていて少しふんわりしているから、ふんわり感が可愛らしくもあり女性らしくもあり、これもお気に入りだった。


 この制服を再び着られることは嬉しい。


 ふと、前世で会った天使のような男の子の制服姿を思い出す。


 グレーよりはパールホワイトに近い色の蛇腹型の制服は本当に似合っていた。きっと、両肩に入っている学年を指す淡い黄色のラインが天使の羽のようで、より天使感を感じさせたのだろう。


 まだ今世では、お目にかかれてはないが。


 『ハッ!?なにを考えてるの、私!?』


 思い出してはいけない人のことを考えてしまった。


「お、お嬢様.....急にどうなさいましたか?」


 私は今、姿見の前でクルクルクルクル・・・回っている。


「邪念を払っているの!」

「邪、邪念でございますか.....」


 なんだかメアリーが、残念なものを見るような目をしているが、私は気にせず回り続けた。


 クルクル・・・・・クルクル・・・・・。




 入学式の次の日からも、朝食と夕食の食卓には、家族3人が揃うことが多くなった。


 どうしても仕事などの理由で揃わず、お父様かお母様だけという時もあるが、いっしょに食べられない時は必ず連絡が入るようになった。


 今世で私1人での食事は、学園から帰ってきてからの昼食しかしていない。それでも、1人で食事をする気分は前世とは比べものにならないほど寂しくはなかった。 


 

 これは私だけの秘密なのだが、お父様やお母様が夕食に間に合わなかった日は、私が眠りについてから遅くに帰ってきたあと、私の部屋へ来てくれている。


 ソーっと静かに入ってきて、私の髪や頬を撫でてくれて、また静かにソーっと出ていく。


 なんで知ってるかって?


 たまたま寝つけなくてベッドをゴロゴロしていたら、誰かが部屋へ入ってきたので寝ているフリをしていたから!


 初めての体験をした私は、誰もいなくなった部屋で1人、嬉しさやら恥ずかしさやらで枕に顔を沈めて足をバタバタさせて、もう叫び出したかったわ!!


 前世では一度も頭を撫でてもらえなかったのに、頭だけではなく頬までも撫でてもらえるなんて!!


 このような感じで、お父様やお母様が夕食に間に合わない日は、寝ているフリをしながら寝ないで待つようになったのでした。



 たまぁ~に、本当に眠くて寝ちゃってる時もあるけどねzzz.....




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