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天使のほほえみ  作者: L
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天使様の力?

 学園から公爵邸に帰宅して、昼食を食べたあと自室へと戻ってきた。


 『朝は、お父様とお母様の衝撃が強すぎて気づかなかったけど、やっぱりセバスチャンも若いわね!ふふっ!』


 帰宅した時に、執事のセバスチャンが出迎えてくれた。


 セバスチャンはお祖父様の代から仕えてくれていて、いまの公爵邸では古株である。一番の古株は庭師のジャンだ。


 若い頃のセバスチャンの才能を見出し、執事に抜擢したのはお祖父様。


 お祖父様はお父様に爵位を譲ったあと、お祖母様と田舎に隠居している。田舎でのびのびと暮らすのが夢だったらしい。公爵領は王都の隣なので、たしかに自然は多くはない。


 でも、王都とは逆側にある隣の領地との境には丘陵があって、とても緑が綺麗な場所だ。もっと幼い頃は、よく両親とピクニックに行ったものだ。


 前のセバスチャンは50代だったから、いまは40代ってことよね?白髪がまだ少なかったもの!


「ふぁ.....」


 自室の一人掛けのソファに座って、そんなことを考えていたら、だんだんと眠くなってきた。


 目が覚めてから、怒涛の半日だった。半分は、パニック状態ではあったが。でも、王太子妃教育をしていた頃の怒涛とは違う。とても、充実感のある怒涛だった。


 メアリーは既に、部屋にはいない。


 このまま眠ってしまったら、もう目覚めないかもしれないし、また暗闇に戻っているかもしれない。


 『ダメ.....眠ったらダメ.....』


 そう自分に言い聞かせるけど、激しい眠気に抗えず、私は眠ってしまった。




ーーーーーふと目が覚めると、眠ってしまった時と変わらない自室にいた。


「よかった・・・」


 思わず、1人呟いてしまう。


 時計の針は、まだ1時間くらいしか経っていない。


「それじゃあ、こっちは本当に夢ではないの?」



 夕食の時間はまだ先なので、私が呼ばないかぎり誰も部屋には来ないだろう。


 では、まず現状を整理してみよう。


 仮に、これが夢ではなく現実ならば。



 前の生で・・・って長いわね。


 もっと短い言い方はないかしら?


 そういえば、生まれ変わった人間が前の生の記憶を持っている場合、その記憶を”前世”と呼ぶって、何かの本に書いてあったわね。


 私の場合、死んだら自分自身の時間が逆行したような感じだけど、これも”前世”と呼んでいいのかしら?


 まぁ、誰かに説明するわけではないから、自分のなかだけで”前世”と呼ぶ分にはいいわよね!


 そしたら今のことは”今世”ね!



 では、改めまして。


 私は、前世で死んでから暗闇の空間にいた。


 そうしたら、一筋の細い白い光が現れて、その光の先を追って行ったら、扉があって開いてみた。


 開いてみたら、眩い白い光一色の空間で、その空間へ足を踏み入れた。


 そして目が覚めたら、7才になる時に戻っていた・・・と。


 

 ーーーこれって、やっぱり()使()()()()としか考えられないわよね?


 何のために、時間が逆行したのか理由は分からないけれど、人生のやり直しができることは間違いない。


 前世の私は自分のことばかりで愚かな人間だった。


 今世の私がやり直すべきことは、あの暗闇で誓ったことだ。


 優しさを返すこと、恩を返すこと、そして誰かを愛すること。


 きっと、天使様は見ていることだろう。


 その恩に報いれるように、決して同じ過ちは繰り返さない。


 そのためには、まず学園内では目立たないこと。リュドヴィック殿下とは関わらないこと。


 間違っても、殿下の婚約者には選ばれないようにしなきゃ。


 それでも、我が家は公爵家だし同級生で年齢もつり合っているから、候補になってしまう可能性はある。


 それなら病弱という設定にしちゃうとか?病弱なら未来の王妃に、とはならないだろう。


 でも、ダメだわ.....。急に病弱になってしまったら、メアリーや両親を心配させてしまう。お医者様にも嘘をつくことになるわ。


 やっぱり、とりあえずは殿下には関わらないようにしましょう。


 私の存在は知られずに謎の人物ということで。


 あとは。


 お母様にお願いして、孤児院や治療院に慰問に行くのもいいわね。


 前世では慰問に行けなかったから、直接この目で見てみたいわ。


 それで、自分が何をするべきなのか知りたい。


 物を寄付するだけではなく、自らの手で出来ることはあるだろうから。

 


コンコンコンッ


 そんなことを考えていると、自室の扉をノックする音が聞こえてきた。


「どうぞ〜」



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