※リュドヴィック目線(王太子)1⃣
俺は、どうして忘れていたのだろうーーーーー
どうして、忘れることなどできたのかーーーーー
『第一王子リュドヴィック殿下にご挨拶申し上げます。ロバート公爵家が長女、クリスティナ・ロバートと申します。本日より、この学園にて同級生となります。今後とも、よろしくお願い申し上げます』
それが、小さな彼女との出会いだった。
同じ年頃の子供の中では、とても綺麗で見事なカーテシーだった。付け焼き刃ではなく一生懸命に練習してきたことは、容易に想像できた。
「顔を上げてくれ」
おずおずと顔を上げた小さな彼女と、バッチリ目が合う。
吸い込まれそうなほど深く濃いエメラルドグリーンの瞳。黄緑が混ざったような薄い金色の髪は、真っ直ぐなストレートで風にサラサラと揺れていて、まるで風の妖精みたいだ。
俺は初めて、女の子の髪に触れてみたいと思った。
「リュドヴィック・コフィアだ。学園では、僕もただの一生徒だから、そんなに畏まらずに気軽に接してほしい。よろしく、クリスティナ嬢」
そう言った俺に、小さな彼女が見せた花が綻ぶような笑顔が可愛すぎて、小さな彼女の周りだけキラキラ輝いて見えて、ずっと見ていたいと思った。
ーーーまさに天使だったんだ。




