俺が異世界に行くまで
こんにちは、
現在試行錯誤中です、まだ面白く無いと思います
完成したら面白くなる自信があります。
鷹司行
さんですね? 残念ながら、あなたは事故に遭って亡くなってしまいましt」と
何者かが言い終える瞬間
「しゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
と怒号とも思える叫び声が空間に響きわたる。
「ど、どうしたんですか?」と問いただすのは
西洋風の顔立で緑色のトーガに身を包み、その頭上に黄金に輝く円環を浮かべる細マッチョイケメン。
「天使だ、、」と 百人に問えば百人が異口同音にそう答えるでだろう風体をしている。
それは彼も例外ではなく
「天使!?異世界確定ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
「やっと、やっとだ」
「長かった、あの日からぁぁ」
「俺は成し遂げたんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
再び奇妙な叫び声を上げ、その空間を揺らすのだった。
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鷹司 行はで厳しい両親に育てられたごくごく普通の少年だった。
両親に言われるがまま中学入試を受けることを決め
名門塾に通い勉強を始める
元々地頭が良かったこともありらなんら苦戦もせずに合格を得て、入学する。
そんな平凡な日常を過ごす彼を変えたのは一冊の小説だった。
入学して数週間後
「部活決めなきゃな、めんどくさいなぁー」と
憂鬱な感情を吐き出しながらも廊下を歩く行。
「運動部は疲れるから却下としてやるとしたら、吹部みたいな文化部だよなぁ
でも楽器は大変そうだから美術部か文芸部がいいかな?」と
彼を悩ます問題は両親の切実な願いの影響でもあった。
昔から自分の意思で何かをやろうとはせず自分たち親の言ったことを淡々とこなす自主性のない子供だった行に自分が興味を持ったことに没頭する経験とその楽しさについて知って欲しかった両親は、
「何か、部活に入ってみなさい」
と行の成長を願ったのだった。
しかし、
当の本人はと言うと、
「絵は得意じゃないから文芸部にしよう
字を書くだけだし簡単だよね」
と文芸部員に対し失礼極まりない発言をし始めたのである。
そして彼は、
今しがた入部を決定した文芸部の活動場所である図書館へと足を運んだ。
「コンコン、失礼しまーす」と
どこか間の抜けた声とその声の持ち主である行のノック音が響き後ドアが開かれる。
「あれ? 誰もいない、なんでだ?」
と辺りを見渡すも人っ子1人見つけられない。
こんなこともあるのだなと手頃な椅子に腰掛け、目の前に置いてあった一冊の本に手を伸ばす。
「ふむふむ、異世界転生? なんじゃそりゃあ」
それは、1人の青年とそれを囲む猫の耳をつけた少女とシスターのような服を着た美女、真っ白な躰をもつ竜など個性豊かな仲間たちを描いた見事な表紙であった。
少なくとも彼が次のページを開くほどには興味をそそられたようである。
ペラペラ、ペラペラ、 と本をめくる
その音が静かな図書館に響いている
5分、10分、30分と時間は経っていくが
それを気にした様子もなく黙々とそれでいて目を輝かせながら次へ、次へと読み進めている。
ページをめくるこの音が止むのは行が本を手にとってから約2時間後のことである。
「お、面白かったぁー」
高揚した気分の余韻を感じながらそう呟く彼の表情はとても満足げであった。
それからと言うもの行はファンタジー小説にどハマりしてしまうのだ。
その日のうちに駅近くの本屋に行き、財布にあった現金全てを使い切り20冊近くの作品を買い漁った行は
帰りの電車に乗って家路に着くのだった。
家に帰ると、まず母親が出迎えてくれた。
「お帰りなさい その本どうしたの?
行にしては珍しいわね」
「ただいま、ちょっと気になるのがあってさ
じゃあ、晩御飯の時間になったら呼んで!」
と呆気に取られている母を置き去りにして自室へと向かう行、
その表情は今朝の冷淡な態度から一転して、年相応のワクワクした雰囲気を醸し出していた。
自室へとたどり着いた行は買ってきた本を出し
待ってましたと言わんばかりに読み始める
ペラペラ と何度も何度も紙をめくる音が部屋中にこだまする
「ふ、ふふふ あははははは」
それに追従する形で笑い声が発せられた
「楽しい、面白い、すごい、すごい、すごいよ、」
歓喜に満ちた言葉が自然に湧き出てくる
「異世界! スキル! 勇者! 魔法!」
それは、物語の主人公が異世界に勇者として召喚されて、
チートなスキルで困難を打ち砕いて成長していく、
いわば王道系ファンタジーであった。
「心が躍ってるみたいだぁ」と呟く
すると、 ポタリ、ポタリ と涙が溢れる。
「あ、え、なんで、なんで、涙が、」と
目もとを擦る行
その原因が己の臆病で受け身な生き方で
今まで貯めに貯めていた激情が一気に溢れ出したことだということには
胸の中を駆け巡る得体の知れない感情に戸惑う行には到底たどり着けぬ結論である。
しかし、
「行! ご飯よ!」という母の呼びかけに答え、元気よく
部屋を出て行った彼が成長させたものは何より己の心であることは、誰が見ても明らかである。
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その日から1年が経ち
世の中のありとあらゆるファンタジー小説を読破する過程で
読了文字数が5億文字を超えた彼は一つの夢 いや、目標ができたのであった。
「俺は異世界に行きたい」