眠ったままの船長と、訝る(いぶかる)族長
第二部では、いいとこナシだったジェス兄貴とグレイス夫妻、妹ベルタの過去を遡っていくお話です
この辺りから、過去の投稿からのカットバックが出てきます。
参照して頂けると幸いです
◆風と水の回顧録
【丘陵地帯 風の民のキャンプ】
のんびりと回る風車がいくつもある、穏やかな風が吹き抜ける丘陵地帯
風車の周りには、いくつものゲルのような移動式住居がある
テントの近くでグレイスの長男が家畜の鳥をかまって遊んでいる
番犬が大きくあくびをする
すやすや寝息を立てている乳飲み子をおんぶしているグレイスが、皮の袋をゴロゴロ転がしている(乳製品を作っている)
長男:「ねえママー、ベルタいつ起きるのー?」
グレイス:「いつかなーわからないねー」
いくつものカウベルの音が風に乗る
長男:「パパ帰ってきた」
羊の群と一緒に、放牧から帰ってきたジェス
トタトタとジェスに近づく長男
長男:「パパお帰り」
息子をだっこするジェス
ジェス:「ただいまー。良い子にしてたかー?」
長男:「ベルタねえ、今日も寝てたよ」
ジェス:「そうか、良く寝るなー」
言ってから渋面を作るジェス
【夜 風のキャンプ 族長ジェスのテント】
ランプを囲むゲルの中
明かりの向こうにジェスの長男の寝顔がある
その近くにやはり寝顔のベルタ
穏やかな寝姿
ジェス:「平和な眺めで結構なんだが、今日で7日目だぜ」
◆回想 第二部 ミランの騒動が終わってから
風のキャンプに帰ってきたジェスの一行
あくびを隠さないベルタ
到着するなり眠ってしまうベルタ
青いドレスから太ももが見え隠れするセクシーな寝相のベルタ
◆回想シーンのベルタの寝顔に、夜のキャンプのベルタの寝顔がオーバーラップする
グレイス:「故郷に帰ってきて安心したからって、ちょっと寝過ぎよね」
ジェス:「そうかといって、どこか悪いようには見えないしな」
グレイス:「疲れたんじゃないかしら」
ジェス:「疲れた?ミランの騒ぎでか?」
頷くグレイス
ジェス:「でも、ほとんど船の上、っていうか水の上にいたんだぜ」
グレイス:「それでも相当プレッシャーがあったのよ。ミランにセレン、いえ、あの『すべての闇』とかいう私たちのわたしってヤツのよ」
◆回想
次々と顔が変わっていくすべての闇(第二部36部参照)
ジェス:「プレッシャーってベルタだけか?」
グレイス:「うーん、そこが分からないけど」
ピクリと反応するジェスの耳
テントを飛び出すジェス
次々と手矢を構えた風の男達が躍り出る
鼻をひくひくさせるジェス
3人の船乗り風の男達が現れる
ジェス:「どうした、お頭が心配になったか?」
会釈をする船乗り風の男達
【風のキャンプ 族長ジェスのテント】
こうこうと灯るランプ明かり
酒を飲んでいるジェス家族と来客の船乗り
ベルタとジェスの長男が寝っぱなし
夜分に風のキャンプを尋ねてきたのは、ベルタの船マリア・アズーラ号の乗組員達
ランプ明かりが深い影を作っている
ジェス:「もう七日も寝っぱなしだぜ、お頭は」
船乗り:「体調が優れないようには見えませんが・・・」
ジェス:「だから、気味が悪いんだが・・・」
穏やかな寝息を立てているベルタのセクシーな寝姿
常に肌のどこかがあらわになっている
ジェス:「わざわざ親方の寝姿を見に、陸まで来たわけじゃあるまい」
船乗り:「はい、それが青地に白の星を染め抜いたマストの船が現れまして・・・」
ジェス:「なんだと?」
口に運ぶ杯の手が止まる
グレイス:「ウソでしょ?」
船乗り:「私も直接見たわけじゃないんですが、どうやら本当らしいです」
顔を見合わせるジェスとグレイス
船乗り:「話はこうです」
◆船乗りの会話を交えた回想シーン(第三部10部参照)
港町ポート・オブ・エリアの船乗り達が集まる宿屋のエントランス。
船乗りと交渉している騎士風の男
船乗り:「2日前のことです。海図にない、霧の向こうまで行きたいという3人組が港を歩き回っていまして。
当然そんな酔狂な船乗りはいません。
そんな中、1人の船乗りが名乗り出たんです。どうやらそれがハイド様に似ていまして」
グレイス:「ハイド・・・」
ジェス:「それで?」
◆回想(第三部 11部参照)
出航するベリッシモ号
船乗り:「その、3人組を乗せて、船は出航していったんです」
◆夜のキャンプに戻る
グレイス:「ハイドって、ハイドは死んだのよ!」
ジェス:「んな事ぁ分かってる。問題はなんでハイドを騙るようなヤツが現れたってことだ」
船乗り:「実は、続きがあるんです」
◆映像はベリッシモ号に乗り込むミラン、フレイ、メタリオンの面々
船乗り:「その海図に乗っていない、霧の向こうに乗せていってくれと港を歩き回っていた3人組の内、2人がミラン様と騎士フレイにそっくりだったそうで」
◆映像は夜のキャンプに戻る
顔を見合わせるしかないジェスとグレイス
ジェスの長男:「ママー、ベルタ起きたよー」
はじかれたように振り返る一同
そこには幽鬼のように蒼白のベルタが立っている
読了ありがとうございました。
今後もごひいきによろしくお願いします。




