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こうして私は無双する・イリVer  作者: まるたん
編末・オマケ短編
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賞金稼ぎと恋する混沌龍【1】

 クシマ国・コーリヤマの街。


 大陸のヘソと呼ばれるコーリヤマの街は、文字通り大陸のど真ん中に位置し、各国の主要輸入・輸出の中間点として存在する主要都市でもある。

 

 この貿易都市コーリヤマの中にある五大池・ゴヒャクには、混沌龍カオスドラゴンが住む大迷宮が存在していた。


 これらの詳細はみかん本編でやっているので、気になった人がいたのなら軽く見て貰えたら幸いである。


 そこはさておき。


 ゴヒャク池の畔にいた一人の美女。

 長い黒髪を腰まで伸ばし、街道を擦れ違えば、つい振り返って見てしまいたくなる様な魅力をギッシリと詰め込んでいる美貌を無駄に醸し出している。


 そして、何と言っても驚くのはその体躯だ。

 簡素に言うのなら、出る所は出ていて、引っ込んでいる所は引っ込んでいる。

 胸元はドドーンッ! と高山地帯張りに高く、そして形も良い。


 今は真っ白いワンピースを着ているので見えないが、お腹もスペシャルスリムで、健康的かつ綺麗なくびれがある。


 特筆すべきは太ももだ。


 こちらも、マキシスカートのワンピで見えないが、程よい太さなのに見とれてしまうまでに美しい曲線を描いている。

 まさに完璧な脚線美だ!


 このおみ足を見れるだけで、ご飯三杯はイケる!


 もちろん冗談だ!


 ………。


 なんにせよ、健全な男性諸君であれば、嫌でも心の中から沸々と沸き上がる苛烈な劣情を抑える必要が出てしまうまでの美しさとだけ追記して置こう。


 そんな、色々と青少年達を悩ませてしまうだけの魅力を持っていた彼女は、ただいま絶賛お花畑中である。


 実におかしな日本語を使っていると思うが、そうとしか言えない顔になっていたのだ。


 現在のヒャッカは、ちょっぴり釣り目だけど丸みのある瞳をキラキラと輝かせていた。

 瞳の中央には、燦々と輝く南十字星が出来ていた。


 見ていると、思わず人指しゆびでチョンチョンと触ってみたくなるまでに張りのある、いかにも柔らかそうなホッペは真っ赤に高揚していて、今にも湯気が出て来そうな勢いだ。


 身体全体からも、なんか無駄にキラキラしたオーラっぽいのが出ている。

 これがコミカル主体の漫画なら、なんらかの演出でわざわざ使うかも知れないが、彼女の場合は本当にそう言うエフェクトっぽいのがリアルに出現していた。


 なんて凝った喜び方をしているのだろうか?


 ともかく……何かとツッコミ所が満載だった彼女は、フワフワした足取りそのままに、ルンルン気分でスキップまですると言う……美人だけど近寄りたくない、そんな残念お姉さんをしていた。


 どうして、彼女はここまで残念になってしまったのか?


 理由は、その右手にある。


 彼女がルンルン気分で乙女チックの最前線を独走しまくる中、その右手にしっかりと握られていた、一枚の写真。


 この写真こそが、今回のお話が生まれる切っ掛けとなった。


 みかん本編を見てくれた有り難い方であるのなら、この写真の出所が一体誰からのであるのかはご存じであろうが……イリ本編のみを好んで読んで下さる方の為に、敢えて説明して置こう。


 前回、みかん達やリダ達の活躍により、コーリヤマの街で起きていた五十年越しの悲劇に終止符が打たれた。

 これにより、カグとカサブの二人が無事に結ばれる事となり、カグとカサブの間にあった恋物語もハッピーエンドと言う形で幕を下ろす。


 こうして、カグとカザブの二人は、コーリヤマの街を護る守り神として活躍する一方で、互いに助け合い……支え合って、仲良く暮らして行く事になるのであった。


 お二人とも、お幸せに!


 めでたしめでたし。


 ……と、こうなる筈だった。


 正確に言うと、今でもカグとカザブはラブラブである。

 もう、ラブラブと言う言葉が死語だよね? とかって茶化し文句を言うのも憚れるまでに仲良しである。


 しかしながら、姉のヒャッカは未だフリーの寂しい混沌龍だ。


 美人で綺麗で、相手なんかそこらを少し歩けば山の様に出て来そうな勢いだったけど、フリーだ。

 恋人が欲しい……人恋しい……ともかく恋がしたいんだあたしわぁっ!


 最終的に残念なお姉さんしていた。

 ともかく、その残念さっぷりは……文字であっても書くのが可哀想になってしまうまでのボッチ振りだ。


 そんな彼女を見かねたリダが、義理半分に紹介した……と言うか、一枚の写真を渡した相手が、イリであったのである。


 ……かくして。


「フンフンふ~ん♪ 今日は、愛しのイリさんに会いに行くんだぁ~っ!」


 テンション高く、身も心もお花畑になっていた残念お姉さんは、そこから間もなく、精一杯のお洒落をした格好でニイガを目指して行くのだった。 

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