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こうして私は無双する・イリVer  作者: まるたん
第一編・最終章
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賞金稼ぎと魔導大国の王子【14】

 アカは、服役後に社会に戻って来るだろうアルフレドを待つ為、ナガオに住む道を選択した。

 アルフレドに服従する必要は当然ない。

 俺が、アカの呪いを解いたからだ。


 しかし、呪いが解けても尚、アカはアルフレドを主とする立派なドラゴンメイドとして職務を最後まで全うしたいと言うスタンスを取っていた。

 彼女なりのアルフレドへの愛が、そこにあった。

 だから俺は、それ以上の追求をせずに彼女の好きな様に生きろとだけ述べるだけに留めた。

 もしかしたら、アルフレドとアカの二人が平等の関係で新しい家族を作り出す時が来るかも知れないな。


 まぁ、それはそれとして。

 取り敢えず、キイロも引き取って貰えたら良いかなと思った俺は、アカがナガオの街に戻る際にキイロも持ってけと付き出して見せたんだが......。


 これが中々に悲惨だった。


 激怒したキイロは口から火まで噴射して俺に大火傷を負わせた挙げ句、俺の自宅に引きこもりやがり......まぁ、最後は俺の家に住む事で落ち着いた。


 今回はボディーガードとか、本業とは全然関係のない仕事をメインにやってはいたけど、本当は色々な人間から恨まれる様な仕事をしてるんだからな......俺は。


 一方、キイロのもう一人の姉であるアオは、いつの間にかオリオンと良い仲になっていた。

 どんな馴れ初めがあると、アオさんの様な超絶美人が、あんな筋肉魔神と付き合う結果に繋がって行くんですかねぇ!


 俺にとっては、ここ最近で一番のサプライズだったよ!

 きっと、今後もこの記録は越えられないレベルのサプライズだったよ!


 とにもかくにも、ここらの関係でアオさんはオリオンと絶賛同棲中だ。

 こないだ、久しぶりにオリオンのアパートに行ったら、ジャングルだった部屋が貴族の家張りに綺麗で驚いた。

 全てはアオさんのお陰なのだろう。

 

 余りにも羨ましかったので『そんな筋肉と一緒になる位なら、俺の彼女になってよ』と、紳士な告白をした所、アオさん経由でキイロに筒抜けてしまい、帰宅後の俺はただいまの返事の代わりにドラゴンブレスを食らうと言う、新スタイルな挨拶のお返しを喰らった。


 何にせよ、アオさんも新しい人生を自分なりに歩み始めたのだった。


 何だかんだあった、このドラゴン・ハーフ三姉妹だが、良くも悪くも自分なりのスタンスで自分の人生をリスタートさせて行った。


 ......ま、良かったんじゃないか?




   ■ルミ■




 数日後。

 色々と沢山の思い出を作る事になった故郷のニイガを離れる時がやって来た。

 

 本当はもう少しコッチにいても良かったんだけどね......なんか、リダ達がもう冒アカに帰っちゃう見たいだから、私も合わせる形で一緒に戻る事にした。


 その日の昼下がり。


 私はイリ達見送り組と一緒にニイガ駅まで向かい、近所のホテルに宿泊していたリダ達と合流した。


 駅とは言ったけど、実は列車に乗って冒アカに向かう訳ではないのです。


 実は、ニイガと冒アカがあるカントー帝国の首都トウキには、列車を結ぶ線路が構築されていなかったりするんだよねぇ......どうしてだろう?


 不思議だったから、後で馬車に乗った時、リダにそれとなく聞いた私。

 そしたらリダは『どうして姫様のお前がそれを知らないんだ』って凄く呆れてた。

 姫様だからって、何でも知ってると思うのは違うと思いますっ!

 ともかく、教えてリダ先生!

 

 こんなノリで聞いた所、リダが言うには二国間の信頼関係が線路を結ぶまでに至らないから......との事。


 様は、仲が悪い訳でもないんだけど、信用出来る相手だとは互いに思ってないから、線路を引く事が出来ないんだそうだ。

 

 簡単に言うとね? 例えば、戦争が勃発したとするでしょ?

 その時に線路がそのまま戦争の道具として使用されてしまう危険性があるんだってさ。


 列車は、素早く多くの人間を運ぶ事が出来るし、同時に多くの物資を運ぶ事が出来る。

 これを戦争時に利用されてしまうと、使われた方は凄く不利になってしまう。

 カントー帝国は、元々七つあった国を一つに制定して生まれた帝国で、この大陸最大の国家でもあるんだけど、それだけの大国になると大量の物資と人材を効率良く運べる列車は、戦争時は凄い有利になる。


 なるんだけど、だね?


 一方のニイガは列車の技術を昔から持ってる為、列車を使った戦術も他国より一歩も二歩も上手だった。


 ポイントは、この後者だね。

 カントー帝国としても線路を引いても構わないし、そっちの方が色々と経済効果も見込めるんだけど、いざ戦争になったら、この線路がそのままニイガの戦略兵器になりかねない。


 それを恐れたカントー帝国側が、線路の建設を許可しない感じだった。

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