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賞金稼ぎと古代魔導人形【14】

 アルフレドはキイロにとっては忌むべき存在であるし、そこは今も変わらない。


 だけど、姉のアカからすれば最高の御主人様らしい。

 ......なんだろうな、この捻れた人間関係と言うか、愛憎模様は。


 けれど、俺的に言うのならここらも苦言を呈したい。


 アカはキイロを半殺しにしている。

 正直に言うのなら、俺はコイツを半殺しにしたい。

 勢い余って殺してしまい兼ねない。


 ようやく手にしたキイロの自由を簡単に奪おうとした。

 その罪は深く......重い。


 それだけに、賛同しにくい所が一杯あり過ぎた。

 あり得ないんだよ、このクソ姉貴を許すってのはさ?


 だが、その罪を許して欲しいと懇願したヤツがいた。

 キイロだ。


 ......。


 他でもないキイロに言われたら、幾ら筋が通ってないとしても、頷く事しかできなかった。

 完全に許してはいないが、断罪の念だけは捨ててやる事にした。

 感謝して貰いたいね!


 結果、俺はアカを受け入れる事にしたのだが......そうなると、話はまた違う意味でややこしいになる。


 不承不承ながらアカの罪を見逃してやり、その見返りとしてアカは俺の呪いを解く。


 ......コイツが俺に呪いを掛けて来たんだから、見返りって言う表現は妥当ではないんだがな!


 ともかく、それで呪いが解けた俺が、古代魔導人形に向かって行き、なんとか時間を稼いでくれたオリオンとバトンタッチして、事態は収束して行く......って言うシナリオだった。


 本当はな!


 だが、事態は俺の予想の斜め上を行く異常事態に突入して行く訳だ。

 それがリダの存在だな。


 この辺の説明は要らないだろう......ヤツのふざけた強さは俺も知っている。

 うんざりしちまうくらいな......本当、何なんだよアイツは。


 一応人間ではあるが、百万の兵だって笑って倒す化物でもあったリダの登場によって、事態は風雲急を告げる。


 急いでリダの所に行かないと......魔導人形が危ない!


 何で敵の心配をしないと行けないんだと、軽く理不尽な状況にばやきたくなりつつ、俺は飛竜を召喚してリダ達の元に向かった。

 いつもなら、こんな短距離で呼ぶ事はないんだが、呪いのせいでまともに身体を動かす事が出来なかった。


 全く以て情けない......早いトコ、呪いを解いて欲しい気持ちもあったんだが、今はリダの暴走を止めるのが先だ。

 悠長にしてると、アルフレドのお坊っちゃんが消滅してしまう。


 こうして、急行した事が幸いしたのか?

 ボロボロながらも、何とか形を維持したままの魔導人形を確認してからリダに声を掛けた。


 ......で、今に至る。


 話によると、やっぱり粉微塵にするつもりだった所をキイロの姉でもあるアオが止めてくれたらしい。

 コイツもキイロを半殺しにした共犯者だけに、あんまりいい顔をしたくはない気持ちがあったんだが、今回に限って言えばお礼を言っても良いかも知れない。


 オリオンと一緒に時間稼ぎも手伝ってくれた見たいだしな。


 序でに言えば、おかしいのはアカってヤツだけに見えた。

 これは飽くまでも俺の予想だが......アオって子は、何処となくキイロに似ていた。

 

 姉妹だから、顔とかそう言うのが似ているのは当然かも知れないが......そうじゃない。

 なんと言うか、雰囲気が似ていた。

 独特の空気とでも言えば良いか?


 なんてか、最初に会ったキイロと被る部分が結構あったんだ。


 だからだろう。

 アオって子は、咎めては行けない......そうと思う俺がいた。


 ここはキイロに感謝すべきだ。

 あの日、あの時、キイロが死んでいたら、例えなんであろうと俺はアオを八つ裂きにしていた。


 けれどキイロは持ち前の生命力で一命をとりとめ、今は元気な笑顔を見せている。

 死ななかったキイロに、アオは精一杯の謝辞と感謝の言葉を述べても良いだろう。

 少なくとも、俺はそう思うね。


 まぁ、何はともあれだ。


「どうやら、俺の出番はなかった見たいだな」


 軽い皮肉も込めて俺は言った。

 普通ならさ? 真打ちが後から登場するって言うのがセオリーな訳で。


 それが、後も前もない、全く関係のないヤツが突発的にやって来ては、アッサリ沈黙させちまうとか......もうカオスだろ?


 そうだな?


 比喩的に言えば、ちゃんと主人公がいる物語のラストで、いきなり別の物語の主人公が飛び入り参加して来て、アッサリ打ちのめした。


 こんな感じだ。

 ここまでアホな話があるのか?


 ......あるから困る。


 まぁ、良い。


「出番と言うか、私は別に好きでここまで来た訳ではないんだぞ? さっきも言ったけど、ルミの手紙が......ん?」


 もう、色々と考えるのもバカバカしくなっていた俺に、そこでリダは何かに気付いた。

 

「なんだ、イリ? 変なケレメトがお前についてるぞ?」


 言うなり、リダはひょいと俺から何かを抜き取って見せた。


 ......俺の呪いだった。

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