表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/1261

賞金稼ぎと古代魔導人形【11】

 古代魔導人形は、そこから後ろに下がって見せる。


 程なくして、右手をオリオンとアオの二人に向けた。

 補助魔法で更に凶悪になった極太光線を放つつもりだ。

 どうやら、本当にお遊びはここまでの様だ。


「......じゃあな、達者で暮らせよ」


 言うなり、オリオンは全力で魔導人形に体当たりを加えようとする。

 右手から超極太レーザーが発動されてしまえば......オリオンはもちろん、後ろのアオまで塵一つこの世に残す事なく消え去るだろう。


 ならば、発動するより先に標準をずらす!

 思い、オリオンは超高速で古代魔導人形に体当たりをして見せる。


 実に危険な行為だった。


 何と言っても、今のオリオンは満身創痍。

 内蔵もボロボロで、骨も一部が折れている。


 こんな状態で体当たりなどすれば、間違いなくオリオンの命に関わる。


「ダメェェッ!」


 アオは悲鳴にも似た叫びを激しく口から放った。


 ようやく出会えた理想の男性。

 もしかしたら見えたかも知れない......明日。


 キイロの話が本当なら、アオも即日中にアルフレドからの束縛から解放される。

 

 自由を得るのだ。


 そして。


 キイロと同様......否、それ以上の幸せを手にする事が出来た。

 ようやくアオにも、幸福と言う名の難解なジグソーパズルを完成させる時が来たのだ。

 そんなアオの描いた幸せのピースには、オリオンは不可欠だった。

 唯一無二にして、必須だった。

 彼がいなくなってしまったのなら、もう......永遠にアオの幸せのパズルは完成しない。


 後、1ピース。

 その最後の一つで完成する直前......手が届きそうだったその瞬間に、ピースは手から擦り落ちて消え様としていた。


 ドォォォォォォォン!


 まさに、オリオンの命が風前の灯火と思われた......その時、高次元の大爆発が起きた。


「な、何? 今の......?」


 桁違いの破壊力にアオは唖然とする事しか出来ない。


 そもそもこれは魔法なのだろうか?

 こんな強烈な爆破魔法など、今まで見た事も聞いた事もない。


 もう、何がなんだか良くわからない。


 シュタッ!


 ......と、そこで後ろの方から何者かが空から降りて来た。


 銀髪の長い髪を両端に結ぶ、ツインテール姿の端正な美少女だった。


「......貴女は?」


 全く知らない顔だった。

 情報にも載っていない。


 果たして、彼女は自分達にとって敵か味方か?

 それすらも未知数だった。


「うん? 私かい? ちょいとここのお姫様に呼ばれて、文字通り飛んで来たクラスメートだ」


「姫様のクラスメート?」


 唖然となる。

 もう、何から驚いて良いのか分からなくなって来た。


 どうして、冒アカの学生であったルミ姫のクラスメートがここにいるのか?

 ニイガから数百キロは離れていると言うのに。


 どうして、空から来たのか?

 宣言通り、飛んで来たと言うか?......そうだとしたら、どれたけの魔力を消費してると言うのだろう?

 ともかく、何から何まで信じられない事ばかりだ。


「そう。名前はリダ・ドーンテン! よろしくっ!」


 銀髪ツインテールの美少女......リダは、歯を見せてにんまりと笑った。


 その直後だった。


 その見た目からは想像も出来ない早さで、リダとアオの眼前に古代魔導人形が向かって来ると、勢いそのままに拳を振るう。


 そして、止まった。


 物凄くアッサリと。


 止めたのはリダだった。


 リダは右手を軽く古代魔導人形の拳に向けると、拳はまるで見えない壁があるかの様に、1ミリも動かなくなる。


「ほぅ。こいつは大したオモチャだねぇ。流石はニイガ。こんな超兵器まで作ってるとは、リダさんびっくりだ」


「......」


 まるで品定めでもするかの様にして、軽く見据えながら言うリダを前にアオは絶句した。

 もう、何から驚くのが正しいのか?

 それすら分からなくなった。


 確実に分かった事は、突如として空から飛んで来た、銀髪の少女......リダが別格の強さをもっていると言う事だけ。


 古代魔導人形は、そこから後ろに下がって右手に極太レーザーを発射しようとして見せる。

 

「おお~。すごいなぁ。最新の魔導技術ってヤツか?......これ見に来ただけでも、ニイガ見物になったかもなぁ。あははっ!」


 ケラケラ笑っていた。

 どう考えても絶望的な状況だと言うのに。

   

 少しして、充填が完了した超巨大光線が発射された。

 そして、跳ね返った。


 跳ね返った極太レーザーは瞬時に古代魔導人形に飛んで行くと、


 ドォォォォンッ!


 そのまま、古代魔導人形の右肩に当たり、大爆発して見せた。


「......な、なんなの、一体......?」


 呆然と立ち尽くすアオがいた。


 ただただ、眼前で展開している非現実な光景をポカンと大口を開けた状態で見る事しか出来なかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ