表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/1261

賞金稼ぎとお姫様【13】

 ドラゴン・メイドは密かに、一部の豪族や貴族等ではそれなりの需要があり、実際に見た事がある人間がいる程度の認知度はある。


 ドラゴンと一言で述べても多種多様のドラゴンがいるのは、前にも述べているが……人間と仲の良いドラゴンも多種存在している。

 中には人間と同居しているのが常識の村まである。

 遠く……西方の大陸にある、エピダウロス地方のドラゴンは、その姿を人間そっくりにして、人間と仲良く生活するのが普通の村でもある。


 ……ちなみに。

 人間が龍に合わせるのは、自然のことわりに触れる為、その逆になるのが一般的だった。


 閑話休題。


 この様に、ドラゴンが人間に合わせてその姿を変え、一緒に仲良く生活した末に愛を育み、その結晶を産み落とす事が日常の地がある程だ。


 なので、ドラゴンハーフと呼ばれる、半分龍で半分人間と言う存在はいる事はいるのだ。


 ……が、世界全体からすれば極めて稀有なケースで、ドラゴンハーフがわざわざメイドになる事もレアなパターンでもある。


 地方の金持ちレベルでは、願ったとしても叶わないレベルだ。

 

 なんらかの偶然が重なれば、一人位ならなんとかドラゴン・メイドをゲットする事が可能かも知れないが……これが複数人ともなれば、奇跡すら起きない。


 それを可能にしてると言うだから……一体、どれだけの莫大な財産をなげうったのか?


 ここらを加味するのなら、もはや頭のおかしい人レベルである。


「まぁ、そのドラゴンマニアが、姫様の暗殺に一枚絡んでいるってわけか」


「……アル君が……」


 納得する感じで答えたイリに、ルミは表情を青ざめて答えた。


「ああ、絡んではいるんだが……暗殺には絡んでいない」


「……まぁた、遠回しな言い方をする」


 意味深長なクロノスの言葉に、イリが呆れ口調で苦い顔をした。

 

 クロノスまで苦い顔になった。


「これは性分だ……仕方ないだろ? ともかく、そこは置いとけ。本題は暗殺ではない事だ」


「つまり、殺しはしないって事か?」


 言われると、確かにルミは盗賊団に捕まりはしたが、殺されてはいなかった。

 殺す気であるのなら、とっくに殺せた筈だ。


 しかし、それをやらない。

 否、最初から殺す気はなかったと言う事になる。


 主目的は別にあったのだ。


「どうもなぁ……姫様を自分のモノにしたい節があってな? 記憶操作した後に奴隷か何かにでもするつもりだったみたいだ」


「自国の姫君をか?」


 イリはポカンとなった。

 流石に暴挙としか言えない。


「………」


 他方、ルミは絶句していた。

 何ともおぞましい話し過ぎて頭がついて行けない……そんな顔だった。


「それで、王子をそそのかして、姫を誘拐しようとしてた。王子も王子でメリットがあった」


「どんなメリットがあったんだ?」


「未来を知る権利」


「……はぁ?」


 いよいよおかしな話しになったと、イリは胸中でのみぼやいて見せた。


「眉唾だと思うだろう? 実は俺もそうさ……所がそれを、王子は信じちまうんだよ……ったく、どんな魔法を使ったんだかな?」


 クロノスは両腕を組みつつ、ぼやき口調の皮肉を吐き捨てる様に答えた。


 そこから再び口を開く。


「方法は知らん。まだ情報が錯綜さくそうしてて、判然としてないが、王子はこの宰相の息子によって未来を見たらしい……で、だ?」


 ここまで言うと、クロノスはいつになく神妙な顔付きになった。


「その未来で、姫様が女王になるんだとさ」


「ええええええっ!」


 クロノスの言葉に、ルミが思いきり驚いた顔でスーパーでっかい声を張り上げた。

 

「そ、そそそ! そんなの困ります! 私はもう、ニイガの王家である事だって辟易してるのです! 女王? 馬鹿ですか! その未来はっ!」


 ルミは本気で困惑していた。

 クロノスは穏和に笑って言う。


「飽くまでも噂に過ぎないし、姫が女王になる現実があったとしても未来の話しだ。今じゃない」


「いや、今じゃないとしても困ります! 未来はそうなるかもって事ですよね?」


「そうだ。そうなる『かも』なんだ」


 アタフタしながら叫ぶルミに、クロノスは言った。

 つまり、まだ不確定だと言いたい。


「未来なんてのは、仮に一部を予測出来たとしても、確実にそうなるとは決まってない。所詮は不確定要素の一つなんだ……つまり、可能性としてルミ姫が女王になる未来だってある……レベルの未来予知に過ぎない」


「なるほど。つまり、それって俺でも言えるレベルだな」


「そうそう。極論からすれば、そう言う事だ……こんな子供だましの未来予知を真に受けて、姫様を消そうと本気で動いてる王子の頭がむしろおかしい」


 クロノスは大きなため息をついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ