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こうして私は無双する・イリVer  作者: まるたん
編末・オマケ短編
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賞金稼ぎと恋する混沌龍【8】

 ガチャッ!


 その時、自宅のドアが開いた。


 不意に口元が緩む。

 そこからハッとなって厳しい顔になった私。


 な、なに、ニヤけてるんだ私はっ!


 大体……だよ? 

 毎回、毎回ね?

 いつも、甘い顔をするから、イリが浮気に走る訳だよ!


 だから、今回の私はうんとお灸を据えてやるつもり!


 思った私は、ツンケンした顔のままドアの向こうへと目を向けた。


「…………は?」


 そして、ポカンとなってしまった。


 理由なんか、目の前にあるとしか、他に表現する事が出来ないんじゃないかな!


「……ただいま」


 答えたイリは、ドが付くまでに気まずい顔になって言う。

 その隣に立っていたのは、


「へぇ、ここがイリさんの家? ちょっと意外だったね? もっと豪奢なトコだと思ってたよ」


 喋った息で風船を作れば、そのまま空高く飛んで行っちゃうんじゃないかって位に軽やかな声音を飛ばす、黒髪黒目の超絶美人がイリと腕を組んで立っていた。


 …………。


 私の頭は真っ白になっていた。

 何がどうなっているって言うの?


 同時に、強い恐怖と焦燥感を抱いた。


 そこは、私の特等席だっっ!

 イリと腕を組んで良いのは、アンタじゃない!

 

 ううん……そうなんだけど、そうじゃない。


 この時の私は切実に思った。

 お願いだから、イリだけは私から取らないで欲しい!

 ……と。


 何が起きてるのかなんて……今の私には、皆目見当も付かない。

 

 だけど、イリがそこにいる黒髪がやたら綺麗で、同色の瞳が透き通っている……完璧な美女と腕を組んで帰宅して来たと言う事だけは分かった。


 ……いや、うん。


 そうだね? 

 こんなのは、見れば分かる事だね?


 だけど、違う。

 そうなんだけど違う……ってか!

 さっきから否定と肯定の繰り返しをしまくって、頭がおかしくなりそうっ!


 もうぅ……っ!


「イリッッッ!」


 私は猛剣幕でがなり立てた!

 頭の中は、もう見事に混乱しまくっている!


 何? 何がどうなってるの?

 てか、どぉぉぉぉぉして、こんなアホな事になってるのっ!


「待て! 今回はマジで誤解だ! 色々あったんだ! 話し合おう!」


 直後、切実に叫んで見せるイリがいた。

 

 ……うーん。


 口から炎がチロチロって感じで漏れている私がいた所で、イリが痛切に懇願してる。

 こんなシーンは、密かに何回か経験していた。


 そして、大体はイリにも理由があったりもする。

 ……場合によっては、私が後で謝る様な時だってある程だ。


 ……くぅ。

 だ、だけど……やっぱり……許せないぃっ!


 い、いや、待て……待つんだ私!


 こ、ここは、きっと……堪えないと行けないっ!


 怒りに満ちた私の感情と……しかし、私の中にある、これまでのイリを学習した理知的な私が拮抗する形で、怒りの私を押さえようとする。


 正直、ここでキイロちゃんの脳内会議を繰り広げたい気持ちで一杯だ。


 だけど、現状はそこまで悠長な事をやってる暇はない。


 …………ふぅ。


 こ、ここは深呼吸だ。


 思った私は、混濁したカオスな精神を何とか取り戻そうと、大きく深呼吸して見せた。


「すぅ…………ふぅ………ひっひっ……ふぅぅ……」


 ……うん。

 ちょっとだけ、冷静になれた。


「それで?……その女は誰?」


 込み上げる怒りを、深呼吸ともラマーズ法とも表現出来そうな呼吸法を駆使してから、なんとかイリへと質問を投げ掛けた。


「それが……だな? リダのアホが、ちょっと手違いで俺を紹介したらしくて」


 物凄く不本意極まりない顔になって言うイリがいた。


 ……うむぅ。

 これは信用出来る気がする。


 つまり、イリも本意ではなかった。


 反面で謎も残る。

 

「手違いで紹介って……どう言う事?」


 そうと、私がハテナ顔のままイリに尋ねた時だった。


「えっと、いきなりでごめんなさいね~? 貴女はイリの妹さん? 始めまして! リダさんの紹介でイリさんの彼女になったばかりのヒャッカと言います! よろしくね~」


 隣にいた女が、いきなり自己紹介して来た。


 私の口がぽっか~んとなった。

 そして、頭の中が宇宙になる。


 …………ああ。

 

 何だろう……これは?


 もう……ね?

 私は、ちょっと気絶しそうな位に、色々と精神がおかしくなって来たよ。


 血圧が低い人や貧血気味の人であれば、ここで卒倒してたんじゃないかな?……って思う。


 生憎、私の血圧は標準だった。

 いっそ……気絶する事が出来たのなら、どれだけ幸せだった事か……。


 同時に私は思った。


 リダさんは、私達に……何か恨みでも持ってるんだろうか?


 こんな事を切実に考えながら……私は、ただただその場を唖然と佇む事しか出来なかった。

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