第371話「ギルドで依頼を受ける。」
学園の授業をすっぽかして向かうは魔導都市のギルド。
ミルは真面目なのであまり良さげな表情をしていないが、別にいいじゃん?。
何度も言っているが、学園に入ったのも友達を作ったり遊んだりして思い出でも作るかー位の軽い気持ちだし。
ミルは俺が入学金と授業料を纏めて払ったので金の無駄にならない様にと授業はしっかり受けているが、中級魔法が使えて回復魔法も使えるんだから十分有用だと思うけどね。
まっ、折角の才能を俺のせいで腐らせるのは申し訳無いので今日は実戦で授業の成果を実践して貰いましょうか!!。
そんなこんなでギルドに到着した。
「ギルドか、懐かしいな。」
「へっ?クレスは来たことあるんですか?」
「当たり前だろ?俺はこう見えて四年生だからな。こう見えてEランクだぜ?」
「俺はDランクだ。」
「私はC。」 「スカァ様と同じく。」
「私はEランクです。」
「皆さん凄いですねぇー。」
なんと言う事でしょう、友人は皆冒険者としての経験があるみたいだ。
クレスがどや顔でランクを自慢したのに他のメンバーが思いの外高くて滑ってるがそれどころではない。
ぶっちゃけこの流れで俺、Aランク冒険者なんだけどやっちゃいました?とか言える雰囲気じゃ無い。
「冒険者育成が学園の目的の一つなのに皆さんは既に冒険者として活動してるとは驚きですよ。」
「まぁ、大体の奴は学費を稼ぐ為に資格を取ったりするからな。」
「実力に自信が無くとも低ランクの依頼なら学生でも十分受けられるからな。」
一応それなりに実力が無いと子供は門前払いされるので冒険者ってだけでもある程度の実力はあるのだろう。
スカァとユルシルは二人で、クレスは舎弟と、ハーティンはお付と組んで依頼を受けていたのだろう。
「それでゴールドはどの位のランクの冒険者なのかなー?」
「いやっ、言う程でも無いですよ!!」
スカァがにやついた顔でこちらに問い掛ける、コイツ分かってて聞いてやがる。
すぐに誤魔化すもクレスとハーティンが喰いついてしまった。
「確かに気になるな、学園に入学する前は旅をしていたんだろう?なら冒険者になっていてもおかしく無い筈だ。」
「もしかして一番ランクが低いのか?気にすんなよ!お前の強さは俺が分かってるからよ!」
クレスが俺の肩に手を乗せて慰めてくれるが逆に事情を話づらくなってしまう。
「もうランクの話はいいだろう。それよりもまずはリーダーを決めるべきだ。」
「おっ!俺がリーダーでもいいんだぜ!?」
ハーティンの提案にクレスが素早く手を上げる、だが他のメンバーは冷ややかな視線を送っていた。
「、、、なら誰がリーダーに相応しいか指を指しやがれ!!」
「そうね、じゃあ一斉に!」
スカァの掛け声で全員が指を指す。
俺はハーティンを指差し、クレスはなんと自分を指差していた。
残りのメンバーは、、、俺を指差していた、マジですか?。
「僕がリーダーですか?正直器じゃ無いと思いますけど。」
「ゴールド、あんた私より強いじゃない。」
「私も敗北を経験しましたね。」
「俺もだな。」
「私は最初からゴールド君がリーダーに向いていると思ってたよ!」
まるで面倒事を押し付けられるが如くリーダーに指名されてしまった、クレスは悔しそうにしていたが渋々了承していた。
誰からも支持されていないのにこれ以上我が儘を言うのは空気が読めないししょうがないね。
「えっと、、、リーダーになりました。何をすればいいのか分かりませんがよろしくお願い致します。」
始めにミルが拍手をしてくれてそれに追従する様に皆も拍手してくれた、なんだか気恥ずかしい。
別に魔王に挑む訳でも無いので肩の力を抜いて頑張りますか。
色々と積もる話も終わったところで一行はクエストボードへと向かう。
俺のランクを皆は確認していないのでパーティー内の最高ランクと思われているCランクの依頼を探している様だ。
何故かクレスは他のクエストボードに行ってしまった。
ヴェノムトード、サラマンダー、サイクロプス、ロックイーター、トロールとそこそこ強そうな魔物の情報がクエストボードに並ぶ。
ある程度苦戦はするだろうがいい経験になるだろうな。
「これはどうだ?」
ハーティンはサイクロプス。
「こちらをお持ちしました。」
ユルシルはトロール。
「これでしょ!?私なら楽勝よ!」
スカァはサラマンダー。
「、、、ちょっと私には選べないかなぁ。」
ミルは遠慮していた、主にパーティー編成の都合もあるだろうがミルは後衛になるからだろうか。
「これなんてどうだよ!凄ぇぞ!?」
最後にクレスが持ってきたのは、、、デーモン!?!?。
「デーモンって魔王大陸にいる上級の魔物じゃない!下手をすれば死人が出るわよ!」
「もう一度考え直されてはどうでしょうか?」
「依頼書を見せてみろ、、、っておい!これはAランクだ!僕達じゃ受けられないぞ!!」
ハーティンがクレスに怒鳴り付けていた、まぁその通りだな。
受けられる依頼はランクの一つ上だからパーティーの最高ランクのCランクの一つ上、つまりBランクの依頼までだ。
(一体クレスは何を考えてるのか、、、)
俺は呆れつつそのやり取りを眺めているとスカァが小声で話し掛けてきた。
「ねぇ、ギルドカード見せてよ。」
「ポケットに入ってますが大した物じゃ無いですよ。」
変に誤魔化すのもアレなので、ポケットからカードのランクが見えない様に裏側をチラッと見せた。
「変なマネしないで見せなさい!!」 「えっ!ちょっ!!」
そんな作戦は見事に見破られてカードを取り上げられてしまった。
闘気を纏わなければ俺の身体能力は低く、反射神経も年相応だ。
「へー、やっぱり。あんたのパーティーに聞いた通りだわ。、、、クレスー!!これ見なさいよ!!」
「あわわわわ、、、」
俺の災難はまだ始まったばかりだ。




