第358話「最終決戦!?ゴーレムを打ち破れ!!」
翌日、俺達は朝早くからダンジョンの中、、、第一層の転送装置の前にいた。
第一層の入り口の扉を開けるとそのまま探索でき、転送装置で五層刻みでワープ出来る。
原理は全く分からないが頭の中で行きたい、尚且つ言った事のある層を念じると行けるらしい。
学園の護衛に聞いた話だから間違いは無い。
男爵の所のダンジョンではダンジョンカードなんて物があったがここは無いのか、まぁ別に要らないけど。
「それでは行きます!!ちゃんと念じて下さいね!?」
「応!」 「分かったわ!」 「了解しました。」 「ふん、、、」 「抜かりの無い様にな。」
全員が念じると転送装置の台が淡く光出す、その光は俺達を包み意識を奪う。
「、、、、うぉっ!」
「何よ、 まだ慣れて無いの?」
「まぁまぁ、クレスは二回目なんですし。」
「学園のダンジョンがあるから経験はある筈だぞ?」
「ちっ、、、仕組みの分からねぇ物は苦手なんだよ!」
「あはははは、、、、」
気持ちは分からんでもない、まるでワームホールにでも吸い込まれた気分になるからな。
勿論本物のワームホールに吸い込まれた事がある訳じゃ無いが。
俺達が送られて来たのは第十五層のボス前部屋だ。
この前開かなかった目の前の扉を開けばついに最後の戦いとなる。
「雑談はそこまでにしろ。、、、いくぞ!!」
「「おおっ!!」」
ハーティンの号令で二人は頷き、二人は声を上げ、一人は相変わらずそっぽを向いたまま。
一応リーダーである俺は役割を取られた事にも気付かず気分を高揚させていた。
ギィィ、、、、、、
最後の大扉が開く、、、、。
そこには三メートルを越えるゴーレムが第一六層への道を塞ぐ為に鎮座していた。
「あれってゴーレム!?」
「しかも鉄じゃねぇか!!」
「風魔法は効果が薄そうだな、、、」
「切り込みます!!!」
まず先陣を切ったのはユルシル、剣を紅蓮に煌めかせる、、、魔剣を振るうつもりの様だ。
「はぁぁっ!!炎王滅殺閃!!!」
アイアンゴーレム(仮名)の右腕があっさりと切断される、えっ!?弾かれる展開とか無いんですか?。
「やるわね、ユルシル!!炎龍獄炎斬!!」
続けてスカァの斬撃がアイアンゴーレムの左腕をいとも容易く切り落とす、、、、リンチじゃ無いですかヤダーー!!。
それにしても炎龍流の技はどれもこれも同じにしか見えないな。
「二人ともやるじゃねぇか!!闘気殴打!!!!」
最後に止めとばかりにクレスが右拳をアイアンゴーレムに突き立てる肝心のアイアンゴーレムさんは両手を失っており、ただの木偶の坊と化していた。
「いってぇ!!!!!」
、、、どうやら鉄を拳で砕くのには無理があったようでアイアンゴーレムにはダメージ無しだ。
火属性の魔剣技はアイアンゴーレムを豆腐の様にすっぱりと切断していたのに何故なのだろうか?。
鉄は火に弱い?いや、ゲームじゃ無いんだからさ、、、。
多分練度の差だろうな、かたや炎龍王の資格を持ち、かたや只の学生。
そもそも魔剣技は魔剣を振るだけで、魔剣さえ持っていれば誰でも出来てしまう(最低限の魔力があればだが)のだがスカァ達はそこら辺の剣でも魔剣に負けず劣らずの魔剣技が使えるのだ。
つまり、魔剣を振るうだけの俺や、闘気を纏うだけのクレスとは格が違う。
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!
アイアンゴーレムのやろう!ヤケクソなのかバランスを崩したのか知らないが、クレスを下敷きにしようと倒れ出した。
「くそっ!、ハーティン援護を!!」
「分かった!!任せろ!」
スカァとユルシルには過度な期待は出来ない、彼女達はあくまで実力があると言っても剣士なので出来る事と出来ない事があるのだ。
クレスは腕を抱えていてすぐには動けそうに無い、となると魔法障壁が使える俺が何とかせねばなるまい!!。
「魔法障壁っ!!うおおおおおお!!!!」
俺はクレスを下敷きにされない様に魔法障壁を展開する、、、だがアイアンゴーレムの巨体は物凄い重量で闘気を纏っても魔法障壁で支えるのが精一杯だ。
「俺も助勢するぞ!魔法障壁!!」
ハーティンのナイスサポートにより俺の負担は大分軽くなる、後はクレスを逃がすだけだ。
「すっ、、、済まねぇ。」
「パーティーじゃないですか!!」
自分でも中々主人公っぽい台詞を言えた事に感心するが、ここから先は考え無しの行動だった為に考えていない。
「私がお連れしますっ!!」
「おおっ!」
今の状況に気が付いてユルシルがクレスを安全な場所に連れていってくれた。
後は俺達が脱出するだけなんだが、、、、。
「ゴールド!!ここから先、どうする!!」
「えっと、、、えっと、、、」
どうすると聞かれましても、、、俺は基本的に勝負が始まる前に考えておくタイプで戦闘中にいきなり起こったトラブルを何とかするのは苦手なんだよ!!元々指示待ちタイプですからね!!。
「ハーティン!一旦退避して下さい!」
「お前はどうするんだ!?」
「スカァに連れていって貰います!人数が少ない方が彼女も楽でしょうし!!」
「、、、分かった!離脱する!!」
揉めている場合では無いと悟ったハーティンの行動は速かった、魔法障壁を解除して戦線離脱する。
俺の負担は元に戻った訳なのだが、俺は場の維持に精一杯なので後はスカァに何とかして貰わないと、、、。
「、、、、で?あんたを連れていけばいいんでしょ?」
「優しくして下さい、、、。」
「気色悪いから止めなさい!!!」
スカァは全身に闘気を纏う、、、そして俺を抱き、圧倒的な闘気による瞬発力で駆け抜ける。
ドゴオォォォォォオン!!!!!!!!!
アイアンゴーレムは激しい物音と土埃を上げながら倒れていく、下敷きにならなくてよかった、、、、。
とは言えまだ完全に仕留めた訳では無いので油断は禁物だ。
「炎龍流閃!!」
何て思っていたら俺を降ろしたスカァがあっという間にアイアンゴーレムの首を切断していた。
スカァ、、、俺の事をもう少し丁寧に扱って下さい。
こうして長かったダンジョン攻略もアイアンゴーレムを撃破する事によって終わりを告げるのであった。




