第31話「記念すべき一階層!!って広場じゃん。」
入り口の検問を抜けたゴールドはダンジョンに入る。
記念すべき一階層はなんと広場だった。
一階層では傷の治療や物資の販売、パーティーメンバー募集、素材の買い取り等が行われていた。
(ふーん。本格的なダンジョンは二階層かな?)
ゴールドは二階層の入り口に入る。
二階層の入り口にも門番はいた。だかそれを門番は止める事はない。
あくまで一階層の門番は二階層から出てくるモンスターを止める役割が主な為だ。
それに既に入り口の門番を突発してきているため今さら検問の必要はない。
仮にモンスターが一階層に飛び出してきたとしてもゴブリンやスライムのようなザコばかりなので容易い。
回りの冒険者にしてみれば一階層でのモンスター討伐は特別報酬もでるうえに相手はザコ。なおかつここで騒ぎが起きればダンジョンは一時的にとはいえ閉鎖されてしまう可能性がある。
利益しかないのだ。
こうしてゴールドのダンジョン探索は幕を開けるのだった。
「ゴギャャャ!!」
ゴブリンをあっさりと片付けてゆくゴールド。
最近サボり気味の剣術の特訓にちょうどいい。それに接近戦となるとチキンハートがうずいてしまうのだがゴブリン相手なら大丈夫だった。成長したね!一応。
重ねて言えばユルシルの技術こそ稚拙というストレート過ぎる言葉を覚えていた為だ。
「おっ!!デュアルボアじゃん。」
デュアルボアとは猪型モンスターだ。
ゴールドにしてみれば子供の頃にさんざん狩り尽くしたモンスターだ。
だが村人からしてみれば接近戦NGのモンスターなので恐怖しかない。
「火よ我が魔力に宿れ。ファイア。」
たいした魔力を込めなくてもそこそこの威力がでる。こうしてデュアルボアの丸焼きの出来上がりだ。
それをアイテムポーチにしまいこむ。
それを見た一人の女が話し掛けてくる。
「ねっ、ねぇ。君!もしかしてソロ?私は盗賊なんだけど良かったら組まない?」
「いいですよ?僕はゴールド。よろしくお願いします。」
「うん!こちらこそ宜しくね!私はソニア。」
こうしてパーティーメンバーが増えたゴールドであった。
盗賊の女ソニアにしてみればラッキーとしか言いようがない。
女のパーティーはパーティーメンバーが欠けてしまった為にパーティーが解散になった。
新しいパーティーかパーティーメンバーを探していたが深い階層では今さらパーティーを募集していないしこの二階層ではどの冒険者も必ず一回は通らざる得ないので実力は関係なく人が集まるためちょうど良かった。
さらに言えば実力を見ることも出来る。
目の前の子供を見たときには何故こんな子供が?そんな風に思ったが剣術に魔法、挙げ句の果てにアイテムポーチ。なおかつソロ。誘わない理由がなかった。