第306話「アウグウスト脱出大作戦!?」
「ねぇ、起きて?ねぇ。」 「、、、?何ですか。」
突然の来訪者に目を覚ますと女性騎士のギネアス、、、ではなくガラティアだ。
「、、、えっ?ガラティアですか?何で?。」 「、、、まだ眠気が取れてないのね。ちょっと色々と話したい事もあるから遊びに来ちゃった。」
ガラティアが俺の手を取ると掌にキスをしてきた。
「えっ!?あのっ!?、、、えっ!?」 「目が覚めた?」
えぇ、覚めましたとも、落ち着け、落ち着け、、、うん!。
今はガラティアが何故か来てくれたので色々と話さなきゃな。
「話す前に一ついいですか?てっきり二人には会えないかと思っていたのですが大丈夫なんですか?」
「ふふっ、勿論無理ね。黒神様はヨミ様に引き留めて貰ってるの。その隙に私が忍び込んだ訳。夜這いと勘違いされてしまうからヨミ様には無理でしょう?。」
夜這いって、、、俺はそんな風には思わないが、多分貴族連中が五月蝿いのだろう。
「声は漏れないんですか?僕はさっき結構大声を出したんですが誰も来ませんよ?」
「防音のマジックアイテムを持ってきたから大丈夫よ?限度はあるけれど。」
成程、纏めるとガラティアが最初で最後のチャンスを作ってくれた訳だ。
活かすも殺すも俺次第か、、、緊張してきた。
「ガラティア。、、、僕はどうしたら?」 「えっと、それを私に聞くの?普通はどうしたいのかでしょ?」
そうなの?うーん、よくわからん。
「貴方が素直に陛下から報奨を頂くなら構わないんだけどそうじゃ無いんでしょ?」
「あぁ、成程。つまりまずどうしたいかですね?」
ガラティアが聞きたかったのは俺の意思か。
黒神を説得出来なかったから、変わりにこの状況を何とかする手立てを考えてきたかと思って思わずお伺いをたててしまった。
「取り敢えず貴族になるつもりも飼い殺しになるつもりも無いです。ここからは脱出します。」
「、、、そう。ヨミ様は貴方の事をとても心配されていたし謝りたいと仰っていたわ。」
「気にしないでとお伝え下さい。ガラティアもヨミも僕に協力したら後々大変でしょう?今回は僕一人で何とかしますよ!」
「ふふっ、貴方は変わらないわね。まぁ私も大した事も出来ないのはヨミ様と変わらないしどうしようか迷ってたけど心配無さそうね。」
俺の作戦が失敗したら終わりだけど、今回は殺される訳じゃない。
それにヨミ達は黒神を止められなかった訳だしあんまり期待は出来そうに無いからな。
「それじゃあね。もう会えるか分からないけど貴方の武運を祈るわ。」
「ガラティアと会えて嬉しかったですよ!ヨミにもよろしくお伝え下さいね!」
ガラティアは窓から出ていった、寂しいけど切り替えないといけないな。
(、、、夜か。夜更かしすると起きられないしかといってこのまま寝るのもなぁ、、、。)
誰も起こしてくれそうに無いし、ギネアスに頼むのも本末転倒なので仮眠を取ることにした。
翌日、というか数時間後。
作戦決行の朝が来た。
作戦は至ってシンプル、王に会いに行くと爵位を押し付けられるのでアウト。
パレードは公開処刑に等しいのでアウト。
今なら風の噂の英雄で済む、一応ヨミに謁見したいと言うご褒美を貰ったので捕まった時はそう言っておこう、無駄だろうけど。
「静寂を。サイレス。」
「我、虚無の包容にその身を包まれん!インビジブル。」
気配こそ消せないがとりま姿は消す、次はどう警備のキツイ現場を乗り切るかだな。
、、、策はあるけど。
「ゴールド様?、、、ゴールド様!?」
ギアネスが俺を見失った事に驚き声を荒らげる、因みに俺はベッドの下だ。
簡単に説明させていただくとインビジブルで透明になり部屋に隠れて監視役にもうここには居ないと認識して貰う事で警備を手薄にする作戦だ。
「ギアネス?何があった!?」 「ゴールド様が居られない!!警備の者はどうしたのですか!?」
ガラティアは上手くやった様で気付かれていないが俺はそんな芸当は出来ない、なので奇策で行くしかない。
「この部屋は探したか?」 「探してはいないけどまさかタンスにでも隠れていると言うの!?」
惜しい! ベッドの下ですよ!?
「警備は万全で穴なんて無い筈だ!俺はこの部屋を探す、ギネアスは入り口の兵士にゴブリン一匹たりとも通さぬ様に伝えてくれ!」
「分かりました!私はその後他の部屋を当たってみます!」
「あぁ、万一逃したなんて事があればあんたも俺も只じゃ済まないからな、、、。」
、、、段々と申し訳無い気持ちになってきたが俺は悪くない。
「くそっ!ここに居るわけねぇか、、、窓は開いていないとは言え外に出たと考えるべきか?」
名も知らぬ兵士がベッドの下を覗いてきたので焦った、まぁ姿もみえず音もたてないのでバレて無いけど。
そろそろ外に出た案でお願いします、動けないよ。
「他の部屋を探すか、、、。」
待ってましたとばかりにベッドの下から除く、どうやら兵士は出ていったご様子。
俺も窓を開けてとんずらさせてもらった、念の為に閉めておいたけど。
「よっと。着地も音が出ないのは何気に便利だな。」
サイレスに感謝しつつも少し移動して裏路地にてインビジブルを解除する。
「で、これだ。」
変化のマジックアイテムで適当な男の姿に変化する。
冒険者だとギルドカードの提出でバレかね無いので一般人にするか。
アイテムポーチからリュックみたいなやつを取り出して適当に荷物を積めて背負う。
試しに町を歩いてみるが誰からも気にされない。
やがて門に着いたが、ここからが大変だ。
「ん?一人で大丈夫なのか?護衛は?」 「あぁ、これでも実力には自信があってね。」
その手があったか!と思いつつも腰の剣に手を掛ける。
護衛を付ければ良かったと思うが変装中は身分が不確かなのでバレかね無いしどちらが正しいか分からん。
「まぁ、自己責任だから何とも言えんが、、、銀貨一枚だ。」 「あぁ、頼むよ。」
こうして検問は突破出来た訳だ。
監視役に獣人とか気配を察知する奴とか居なくて助かったわ。
獣人は裏路地で良い臭いがする魔法を掛けておいたし、気配にしても変装してるから大丈夫だろ。
こう言う時に良く出てくる都合の良い王国に仕える影の者みたいのが今、偶然居ないのもラッキーだ。
、、、フラグじゃ無いんだからね!?
(ヨミの話だといるらしいけど俺は特別怪しい訳じゃ無いし大丈夫でしょ。)
こうして俺はアウグウストに別れを告げた。




