第30話「そうだ。ダンジョンに潜ろう。」
後日屋敷で過ごすゴールドにダンジョンカードが届く。
ダンジョンカードは主に何階層まで制覇したかカウントされるカードだ。
魔法で作られるらしく珍しい物だ。
ゴールドの持つギルドカードは簡素で安っぽい。一応魔法で作られているのだが。
ランクが低いと簡素なのだ。因みにゴールドは何とDランクにランクアップしていた。
本来貴族の護衛任務は最低でもCランク。それをGランクに受けさせた、なおかつ依頼完了後にランクアップをさせないとなればギルドとしては評判に関わるので当たり前の事らしい。
送られたダンジョンカードは白金で出来ていた。これはダンジョンの支配者である男爵の命令によるものだ。
ギルドはダンジョンの責任者である男爵にダンジョンを使わせて貰っている立場なのだ。逆らえる筈もない。
逆にギルドカードはギルドの管轄なので男爵であろうとも従わせる事は出来ない。
そんな事をすれば男爵が所属する派閥はギルドの協力を断られてしまう。そうなれば男爵もただではすまないのだ。
これを持てば低階層でも実力者扱いをされる。いや。特別扱いと言った方が正しいだろうか?
「では男爵様。ダンジョンに行って参ります。」
一応屋敷でお世話になっているので言葉使いには気を付ける。
「マニカも土産話を楽しみにしててね!」
マニカは頬を紅く染めながら頷くのであった。
「すみません。ダンジョンに入りたいのですが、、、」
ダンジョンの門番は困惑する。こんな子供をダンジョンに入れれば責任問題だ。勿論止める。
「ダンジョンカードの提示をお願いします。」
厄介者が来た時の決まり文句だ。ガキなら提示出来る筈もないし犯罪者も弾ける。最も問題行動を起こした者はダンジョンカードを取り上げられるか事前に報告があるので警戒はしていない。
なんと目の前子供はあっさりとダンジョンカードを提示してきた。
拾ったのか?それとも盗んだ?まさか作り物か?そんな事を考えたが、ギルドカードは白金で出来ていてなおかつ低階層。
白金ならもっと深い階層、それも50階層はくだらない筈だ。このダンジョンカードは持ち主も含めて違和感しかない。貴族の子供のような万一があるのですぐに上司に確認をとる。
「これは男爵様の命令だ。すまんな。今日発行されたばかりで連絡が遅れた。」
まさか発行初日からダンジョンに挑むとは思っていなかった為だ。普通は情報や物資を準備するのだから。
「なっ、成る程!あの子供は何者なのですか?」
門番は気になって仕方がない。
「それはお前が知る必要の無い事だ。それより早くいけ。待たせるのもいいが責任はお前持ちだぞ?」
それを聞いた門番は顔面蒼白になり持ち主の元へ全力で走る。
「大変お待たせ致しました。申し訳ありません!!」
門番が子供相手にこれでもか!とばかりに深く頭を下げる。そんな光景に冒険者は強い違和感を覚える。
中には昨日のギルドの騒ぎの元凶であることに気付く者もいた。




