第21話「炎龍流道場。年頃の娘っていいよね。」
一行が宿へと向かう途中何やら中途半端に和風っぽい大きな道場?みたいな建物をみつけた。
「カウフマンさん。あの変な建物はなんですかね?」
カウフマン達とは同じ宿に泊まる予定だ。何でも安くていい宿を教えてくれるそうだ。断る理由はない。
「ゴールド君……あれは炎龍剣術の道場よ他にも水琥流、雷蛇流もあるのよ。三大剣術流と呼ばれている
わね。」
炎龍流 非常に攻撃的な剣術。一番人気。火属性の魔法が秀でているそうだ。
水琥流 主にカウンターの剣術らしい。まぁ水ってカウンターっぽいよね。二番人気水属性と回復魔法が得意
雷蛇流 剣術だけに囚われない柔軟な発想が取り柄らしい主にマジックアイテムを使いこなす集団らしい。例のごとく雷属性の魔法が秀でているそうだ。
「アイラもどっかの流派なの?」
俺は思わず聞く、そう言えばアイラも剣士だったしね。
「うんん。私は流派には入っていないかな。そもそも三大剣術はそれぞれがとても仲が悪いから余り好きじゃなくて完全に我流かな。あはは。」
成程才能だけでここにきたと。俺はめっちゃ努力したんだけどね……。
「ともかく三大剣術とのトラブルは避けたほうがいいわよ?。」
カウフマンは少し呆れた表情で注意する。
ともかくともかく。一行は宿「安亭」に着いた。またか。なんかお決まりなのか?
中々に良さそうな宿だ料金も銅貨3枚とお得、そして今日はもうお休みだ。
* * *
「ふぁぁーあ。」
あぁ。えーっと……たしか隣町のアクセルだったな。依頼は終わったし自由なのか。
取り敢えず朝食。追加銅貨3枚だが仕方ないな……朝食を平らげているとアイラに声を掛けられた。
「隣いいかな?ところでこのあとの予定は決まってる?私は久しぶりの隣町だしちょっとお出掛けしてくるね。ふふっ。まぁ今回の任務もその為に受けたんだし。それと帰りも護衛任務をするつもりだから。因みにカウフマンさんはこの街にしばらく残るそうだから新しく探さなきゃね。滞在は3日を予定してるからよろしくね。」
ちょくちょく聞き捨てならない言葉があったが仕方ないだろう。もめても仕方ないし馬車は非常に高い。
商人は元々もってるし貴族は金には困ってないし使うのは高ランクと貴族かな?まぁ俺も探検とギルドの依頼に興味があるしね。
「わかりました。僕も観光にでも行こうと思います。各々自由行動で。宿が集合場所ですね。」
何の文句も言わないゴールドにアイラは少し驚いたが気にしない事にする。
さてさてさて!!向かう場所は最初から決まってるんだよなぁ。皆も分かるでしょ?フラグびんびんにたてといたから。そう。炎龍流剣術道場さ!!幸い建物が特徴的だから迷わずに済んだ。
さぁ。着いたがどうすんの?アポとってないし……見た目からして門前払い確実だしね。
「おい!!!そこのガキ何している!!?見せ物じゃねえぞ!!」
見張りみたいな奴に声を掛けられた。いや、まだ何もしてねぇよ。
「もし良かったらなんですがちょっと見学してみたくて、炎龍流憧れで……」
全く思ってないがこれが最善策だろう。無策は論外下策は愚策ってやつだ。
「ほぅ。その粋やよし!認めよう。」
良かったセーフ。入れるね。
道場はとてもとても広かった稽古場がいくつもあるし正直驚いた。
そんな中とある少女に目がついた。
とても綺麗な赤髪のロングストレートの美少女だ。
「この程度?お話にならないわね!!!」
そこには倒された青年剣士と少女という奇妙な光景が広がっていた。
よし。スルーだ絶対これは関わってはいけないやつだ。
少し歩いた先には10代後半といった年頃の美女が剣の指導をしていた。
うん。こっちだね。稽古場おそるおそるはいり。離れて見学をする。なにをって?そら美女ですわ。
そうして数分が過ぎ美女がこちらにきた。緊張してきたがちゃんと門番に許可はとったし問題ない。
「君……見かけない顔だけど、見学?」
その通りだね。まぁ見た目は子供だし。腰には剣と短剣があるので木剣で稽古をしている中では非常に違和感がある存在だ。
「はい。門番の方に許可は貰ってますので。邪魔をするつもりはないので気にしないで下さい。」
そう。美女を見学してるんだから邪魔しないで欲しいものだ。そもそも稽古を見てもよくわからない。
「そうですか?もしよろしければ稽古に参加してみませんか?」
どうしよっか?まぁ最近剣術使ってないし……まぁサクッと負けてくるか。見る限りでは美女は明らかにラノベの剣士キャラ並の強さを持ってそうで勝てる気がしない。
「僕でよろしければ是非。」
こうして勝てるはずのない戦いが始まった。
腰の装備を外し借りた木剣を構える。そろそろ強敵との実戦の機会が欲しかった。正直生死が掛かってると足が震えるし遠距離で戦いたがるチキンスタイルが治らないのだ。今回は死なないしいい機会だ。
「いきます!!」
相手に先手を譲ったら即敗北なのでこっちからいく!!……まぁ待っててくれたっぽいね。だが馬鹿正直な俺の剣撃はあっさりかわされ……お返しとばかりに相手の一撃が俺に叩き込まれる。
「ぐっ!!」
めちゃくちゃ痛い、逃げたくなるが回復魔法があるので気絶しなければ大丈夫だ。我慢しよう。
といっても策がない。
今度は横に薙ぎ払う。
その一撃は残念ながらあっさり受け止められる……そしてまた返される一撃。
くそっ……手加減しろよ!!……まさかとは思うけどじろじろ見てたの怒ってるんじゃないよね……?。
もう策はないってか最初からない。出来るのは全力でいく事だけだ。
「うおおおぉおぉ!!!」
剣を振っては一撃返されもう何度目か……立つのも厳しくなってきた。
ギャラリーが増えてきた。
どうせ負けるのが決まっている為、別の意味で辛い。
「私相手によく頑張ったものです。今楽にして差し上げましょう。」
くそっ、もう勝てねぇよ……まぁ俺にしてはよく頑張った方だと自分を褒める。
ゴールドが勝負を諦めかけたとき頭の中に声が響くのであった。
「我を求めよ……」
そう、この戦局をひっくり返す切っ掛けだ。




