第19話「商人護衛任務、、、ほらやっぱ盗賊エンカウント。」
それから町で干し肉を補充してギルドに一行は戻る。
「ゴールド!これなんかどうかな?報酬も銀貨3枚と破格だよ!!」
クエストボードからアイラが持ってきたのは商人護衛の任務だった。
いや……ぜってぇ盗賊エンカウントするじゃん流石に人を殺すのは躊躇うんだが学校にテロリストが襲ってきてそれを撃退する妄想なら幾度もなくしたけど人に危害を加えた事なんてないしトラウマもんだよ?。
そう思うゴールドだったが情けないしイメージは今の所才能のある新人なのでそのイメージを崩したくない。
「わかりました。ですと今日の宿は取らなくて良さそうですね。それと盗賊の扱い方を聞いても良いですか?」
ゴールドはアイラにイメージを壊さないようにいい感じに聞く。
「うん。まずは殺しても罪には問われないよ。まぁ盗賊は平気で人を殺すしね。捕縛すれば犯罪奴隷として売れるよ。あんまりいないんだけど女の盗賊なら高く売れるよ。借金で奴隷になった女性は基本的に貴族の商品だからね。犯罪奴隷は商人向け女の盗賊は娼婦か性奴隷として売れるかな?」
アイラに盗賊の説明を聞き商人護衛とかいうフラグびんびんの依頼を受けるのだった。
「リニーさん。依頼お願い致します。」
受付嬢のリニーにアイラが依頼を渡す。リニーだったのはゴールドが唯一話した受付嬢だからだろう。
「はい。Dランク依頼商人護衛任務確かに承りました。頑張って下さいね。後ゴールドさんは任務を受けた扱いにはならないので注意してください。報酬の配分等も含めて。」
その発想は無かったがそんな事をすれば損しかない。まぁソロならギルドに迷惑を掛けなければいいのだが評判が悪ければランクアップは厳しい。基本的にそんな事をする冒険者はいなかった。
「じゃあいきましょうか?その商人は何処にいますかねー?」
ゴールドは尋ねる。
「あぁ。休憩し亭って宿にいるみたいよ。いきましょうか。」
なにそのふざけた名前の宿は……そんな事を考えつつ宿に向かうのだった。
「では改めまして商人のカウフマンよ。」
藍色の髪の20代前半の女性が商人のようだ。良いね!!!
「私はDランク冒険者のアイラです。こちらはGランク冒険者のゴールドです。但し戦闘力ならCランククラスと思って貰えれば。」
そんな紹介にカウフマンは驚かない。ゴールドは商人なら情報がいってるのかね?そのぐらいに思った。
「カウフマンさんは驚かないのですか?まぁ信じられないと突っぱねられないのは良いことですが。」
そんなカウフマンにアイラは尋ねる。
「商人の情報網を甘くみないことね。それにゴートを倒したのでしょう?有名よ?ゴールド君は。良かったら二人とも私の専属護衛として契約しない?報酬は弾むわよ?」
そんなカウフマンの言葉に対し……。
「先程ご紹介に預かりましたGランク冒険者のゴールドです。お誘いの件に関してはお断りさせて頂きます。パーティーの引抜きも困りますが何より自由なのが冒険者ですからね。今回は純粋に任務のみお願い致します。」
ゴールドはすぐさまに返事を返す。いや実際困るし。そんなゴールドに対し驚きを隠せないアイラ。まさか交渉の類いも出来るとは思わなかったのだろう。
「そう。残念ね。」
カウフマンは余り残念そうじゃない。ポーカーフェイスなのかわかっていた結果なのかは分からないが。
こうしてアリウスの街を出発する一行であった。
「平和だねぇ……」
一台の馬車が整備された街道を往く。本来なら護衛が二人という事はあり得ないのだが馬車が1台という事もあり荷物と共に乗り込む事も出来るのであった。
「まぁ平和が一番よね……」
そう語るアイラであったが緊張しているようだ。
まぁそんな事を言っている俺もしてるが……緊張……いやさ、こんだけフラグたてたらね?。
そんな思いを余所に大声が草原に響く。
「止まりやがれ!!!!命が惜しければ有り金全て置いていきな!!!!」
前方からそんな声が響く。
本来なら馬車は全力で走れば盗賊など追い付けるはずはない。
だが距離は中々にあるので馬が潰れてしまうのだ。それ故にある程度の速度で走っていた。
勿論モンスターが来れば全力疾走するのだが。
盗賊に正面からこられては轢き殺す訳にもいかず馬車を止めるしかなかった。
もしそんな事をすれば馬車がひっくり返しになるからだ。
護衛の任務なのでさっさと馬車からアイラと共に降りる。アイラは緊張しているようだ。まじわかる。
「ん?なんだガキじゃねぇかよ。護衛はそこの女一人か?余裕じゃねえかよ!!そこの女二人は俺達で楽しませてもらうぜ!!」
いや……カウフマンとアイラ持ってかれたらアウトなんですが、、それは。
男の商人二人は震えている。はぁやるか。商人達には魔法が当たるから正面に立たないように告げてあるので安心だ。対して盗賊は正面に固まっている。ついてんな。まぁ明らかに油断しているのもあるけど。
「紅蓮を放て我が眼前に!!!フレアブラスト!!!」
盗賊は一瞬で灰になるのだった。