基礎魔法学講義と俺の眠気
眠い。ただ、その思いだけが俺の心を満たしていた。
「魔術というものは現代では、世界を構成する最小単位である素粒子に干渉する技術のことを指し…」
ふざけるんじゃない。起きるんだ、俺。
この講義は必修だし、役に立つ内容なんだ。
そう、心を奮い立たせるも、睡魔は容赦なく俺を襲う。
「知的生命体の脳はごく、ミクロな世界に対してであれば、実際に力を発生させ…」
ああ、しかし学園側も学園側だ。
どうして重要な講義に限って、口調に抑揚の少ない催眠音波を発する教授に担当させるんだ?
「この念動力により、知的生命体は素粒子の配置に干渉し、魔とされる現象を生み出すわけで…」
もう、ダメだ…。
俺は、睡魔に敗北した。