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彼方の昴 設定資料  作者: 鋏屋
技術・武器
11/13

技術設定

~技術~

・昴ニ式型結晶電磁力エンジン

アインノールが初めて開発に成功し、実用化された電磁力エンジン。結晶術の素となる純ゲルベミウム結晶石に電気を流すことで起こる電磁増幅反応を利用して膨大な電気エネルギーを得る反応炉で、厳密には増幅機関ブースターである。ゲルベミウム単体では増幅暴走を起こすので幻象反応金属ティカナイトで包み込むことによって異種エネルギーを縮退させ安定させる。

電気増幅プロセスは、①バッテリーから純ゲルベミウム結晶石に電気を注入→②結晶石が電気を増幅→③各所に動力伝達(同時にバッテリーに充電)→①に戻る。というサイクルを繰り返す。バッテリーからの電気の供給が断たれると結晶石の増幅反応が止まりエンジンが停止する。

出力は触媒に使用するゲルベミウム結晶の大きさによって変化するが、初期の電磁甲冑兵に搭載されたエンジンは幻象反応金属ティカナイトの強度限界もあり、最大で三〇〇〇キロワットから三五〇〇キロワットと推定される。(正確なところは精度の高い計測器が無いのでわからない)


・結晶石回路

電磁甲冑機兵の操作を司る制御回路。術式を記憶させた結晶石を並べ(用途によって数が違う。因みにバストゥールは八◯◯個以上)、それを鋼線で繋いだもの。動作術式を記録した結晶石の配列によって様々な動きを再現し制御する。

回路の作動順序は、まず術式を記憶した結晶石に電流が流れ、それに反応して術式が展開される。術式が展開された結晶石は操縦者の意志を感知し、回路に配列された結晶石は操縦者の動作イメージを読み取って各鋼線筋肉繊維や駆動関節に伝える。

また、何度か行った動作はある程度記憶し蓄積させるようで、同じ回路を使い続けると、より直感的な操作が出来る様になって行く。その反面、搭乗者の癖が付きやすい。


・電磁甲冑機兵(通称は甲冑機兵バストゥール

アインノールが開発した体高九メートル前後の人型電気機械兵。人間で言う腹の部分に『結晶電磁力エンジン』を内蔵し、それを動力にして稼働する。エンジンの真上、人で言う胸の部分に操縦席があり、そこに人間が入って機体を操る。操縦は操縦席にある左右のレバーと、足下のペダルを操作して行うが、基本は操縦席の頭上に配された魔方陣のような模様の『結晶石回路』が操縦者の動作イメージを読み取り、それを電気で各鋼線筋肉繊維や関節に伝えて制御するため、本来は操縦すると言うより『着ている』と言った感覚に近い。操縦桿とペダルはもちろん機械的な入力装置でもあるが、あくまで『補助』であり、操縦者が機体を操作する際の『動作のきっかけ作り』的な意味合いが強く『飾り』に近いものである。

その証拠に操作が熟練していくほど、操縦者の操作は簡略化されていき操縦桿やペダル操作が極小になっていく。熟達した操縦者は『まるで自分の体が巨大化したような感覚を味わう』との証言もある。

これは機体本体は科学的な機械であるのに対し、制御系や操縦系統は魔術的な要素がその大部分を占めており、人間の内面的な要素である脳波や精神といったものに起因するからなのではとアインノールは推測しているが、そもそも開発者であるアインノール自身も結晶術が人間の何に反応して起こる現象なのかが解明出来ておらず、『開発した』と言うより『わかんないけど出来ちゃった』的な感覚であるので明確な解答持っていないのである。ただし結晶回路により、操縦者は複数の術式を同時に展開していることになるので、生態力である『エナ』を著しく消耗するので結構な疲労感を味わうようである。

甲冑機兵は稼働中は鋼線筋肉繊維が過熱し続けるため、常に冷水で冷却しなければならず、ポンプで水を循環させて繊維を冷却させているが、長時間全力稼働すると冷却水が蒸発し動かなくなるので、こまめに冷却水を補給する必要がある。

内部骨格には魔術伝導率の高い幻象反応金属ティカナイトが使われており、起動時に結晶回路に標準的に入力されている『衝撃緩和』と『質量低下』の結晶術が自動で展開される為、転倒や衝突時の衝撃から機体と操縦者を保護する。

因みにバストゥールの名前の由来だが、『トゥール』とはカレン界の古い言葉で『戦士』や『兵士』という意味で使われ、『バス』は『巨大』『強大』と言った意味を持つ。


・時計

時計と言うより、地球で言う単純なストップウォッチである。単位時間という概念を持たないカレン界で、作戦行動を行う際に不便なので、アインが無理矢理地球の六〇進方で作った物。動力は振り子を使った自動巻で、秒を計る物では無く分刻み。作戦前に、みんなで『せーの』で起動ボタンを押して時刻を合わせ、現代戦の作戦標準時刻計オペレーションウォッチの様な使い方をする。その有用性が評価され、後に電力稼働になり聖帝軍の使用する全甲冑機兵に搭載され、聖帝軍標準仕様となる。


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