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闇から出ずるもの  作者: まめ
ここから新作
20/21

聖の計算ミス

戻った聖達を待っていたのは、茅場からの報告だった。

「目覚めた彼からの言葉を伝えます。『有り難うございました。何かに付かれてて、目覚めることが出来ませんでした本当に有り難う。彼方の言葉は身に染みました。考えてみます。僕には待っていてくれる恋人もいるので、あまり待たせられませんから』だ、そうですと何か晴れ晴れしてました」

「そうか、良かった。じゃあ、次は、これだな。何々、警察からの依頼だな」

「警察から直々にですか?」

「ああ、父様が受けていたからな。それから、警察からも依頼が来るようになった」

笑って聖は言う。

「そうですか?」

「何々、公園で、循環している者が、幽霊を見た。怖がって仕事がままならなくて困っているか。その公園は? えっと、ここから2時間ぐらいの場所だな。美香が何か友達から聞いているかもしれない」

「そうですね。女子高生の情報網は、凄いものがありますからね」

茅場も言う。

「じゃあ、まず、美香に聞くか?」

「そうですね?」

そう言い美香の元に行く。

「美香、お前に聞きたいことがある?」

「何?」

「炭屋公園って、知ってるか?」

「あの幽霊が出るって、噂の公園? それが、如何したの?」

「やはり、女子高生の間にその噂があったか?」

「うん」

「それは、如何言う噂だ?」

「どう言うって、お化けが出るって噂よ。聖が何をしようとしているかは、分からないけど、彼方が出る程の事件じゃないわ」

「そうはいうが、依頼がきている以上捜査をしないわけにいかないからな」

「依頼?」

「ああ、警察からのな」

「そんな、事件性は無いと思うけど」

「如何言うことですか?」

茅場が首を傾げる。

「だって、その噂って噂の範疇を出ないもの」

「噂の範疇ですか」

しかし、それに聖は待ったをかける。

「女子高生の噂を侮るな。女子高生の噂はダテじゃないからね」

「はい」

あっさり茅場は頷く。

それに、聖は笑う。

もう少し疑ってくれても良いと思う聖だった。

それが利点にもなるが、欠点にもなる。

「聖が行くだけ無駄だとおもうけど、頑張って」

美香の応援に聖は笑う。

「声援に応えられるよう頑張るよ」

そう言って、聖達は家を出た。今回は卓と茅場は仕事で来れない。

それに、文句をつけたのが、茅場で今回は空と共に行く事になった。

聖にして見れば、そんなに信用ないかねだったけど、それは、内緒。

「あいつ、俺たちみたいにあんたを主人に決めているんだな」

そう言って、空は笑った。

「ああ、そうだな、あいつもお前達同様に私の体を気遣ってくれるよ」

「そうだな」

面白そうに、聖は、笑う。

「聖様、気をつけて下さいね」

茅場の答えに聖が答える。

「信頼しろ。お前が主と認めたる男をな」

その言葉に、茅場はハッとする。

「分かりました。申し訳有りません」

茅場は頭を下げる。

「お前が思う危険には、私はならない。だって、そのために十二天将がいるのだから」

それに、反応したのは、やはり騰蛇だった。

「誰が、そのためにいるって」

「お前達、存分に庇ってくれよ」

「やだね」

これを交わした後にあの様なことが起こるとは、聖も騰蛇も誰も予想してなかった。この後の聖の怒りは悲しみと入り交じり、そんな聖にかける言葉がなかったほどである。

「じゃあ、早速行って来るよ」

「お気をつけて」

そう言って、茅場に送り出された聖達は早速、公園へと向かう。

「気配はないな」

そう、聖が言った時だった。聖達を爆風が襲う。

「来た途端、これかよ。熱烈な歓迎だね」

聖は空に言う。

「熱烈って表現かよ。これが?」

「熱烈だろう?」

「あんた、如何かしているぜ」

「そうかい?」

そう明るく答えていられるうちは、良かった。それが、甘いと気づいたのはそれから暫くしてからだった。相手の力は感じるのに、一向にその姿が見れなかった。

「変だな」

そう言った時、どこからか力が向かってきて、聖達がいるところが、爆発した。

「なんだ、これは?」

「力が陰陽道から来ていることから言って、相手は人間だ」

空の言葉に頷く。

「私達をお引き出すだけの罠か? でも、誰が? こんな力のある者が噂にもならなかったぞ」

それに、聖も気配を消すことは出来るが姿までとは、いかない。

相当の手菅だ。これは、やばいかもしれない。

その時、騰蛇が出てくる。

「なんか、やばそうじゃん」

「騰蛇」

「逃げろよ。お前達は」

「私達も一緒に戦う」

「何バカ言ってるんだよ」

「でも、お前も無事にはすまない」

「俺を着様達のようにやわな人間と一緒にするな」

「だが」

「白虎、こいつらを逃がせよ」

「お前を倒すのは、俺だ。絶対ヤられんなよな」

「俺がヤられるかよ」

笑顔で言った騰蛇。それが、その騰蛇の最後の姿だった。

「騰蛇~」

聖の悲鳴に似た叫に有無も言わさず、連れて行く白虎。

「白虎、離せ。私は戻る」

暴れる聖を無理矢理連れて行く。

「良い加減にしろ。お前だけが辛いと思うなよ。俺が辛くないと思っているのかよ」

その言葉に、聖は黙る。

「私の作戦ミスだ。今回も所詮小物と舐めてかかっていたから」

「それは私達も同じです。だからこそ、次こそは仕留めましょう」

天空が出て来て言う。

「ああ、絶対」

「やだねぇ~男って。あからさま過ぎ。俺の時と態度が、全然違うじゃん」

白虎がブーブー言う。

「当たり前だろう。お前だって、所詮同じだろ」

聖は笑って言う。

「騰蛇を信じて待とう」

「ああ」

聖の手から力が抜けたのを、確認したのち、白虎が手を離す。

そうして、家へと戻り、騰蛇からの報告を待つ。

それを伝えに来たのはは、騰蛇の使霊だった。

その霊が伝えたのは、騰蛇が敗れたと言うこと。

それは、聖を慟哭させた。

その叫びは聞いている者の耳を塞ぎさせたくさせた。茅場と卓は騰蛇が敗れたことに驚いた。騰蛇は十二天将の中でも、強い方だ。その騰蛇をしても、負けるとは。

そして、白虎も悔しそうに唇を噛む。でも、何も言わなかった。

何も言わないからこそ、思いは逆にわかった。

そして、何も言わずに消える。

「天后、行ってやれ」

何もないところに向かって話し掛ける。

「分かりました」

と、天后も泣きながら、言う。

「私の作戦ミスだ」

「彼は使霊を残しているのに、消えてしまったんですかね?」

そ茅場の言葉に聖はハッとする。

「そうだよ。でかした茅場」

指を鳴らすと、静かに聖は言霊を言う。

「三天太上大道君伊邪那岐大神、青真小童君少彦名大神。我に秘事を授け、十二神将を駆使せしむ。吉凶の神将、我が使令となる」

そうすると、まだ、幼い子供が現れる。それは、十二天将を呼ぶもの。

それが、騰蛇だと聖は気付く。

その子に向かって

「まぁ、可愛くなっちゃって」

「だから、嫌だったんだ」

とぼやく騰蛇に聖は笑う。

「でも、良かった。お前が消えずに白虎も歓ぶだろう。あいつにも挨拶して来い。その前に詳しい話を聞かせろ。あそこにいたのは何だ?」

「それなんだけど分からないんだ。気付いたら呪縛されてて?」

「素早いお前に呪縛か? 如何言うことだ?」

頭を捻る聖。それに、答えを与えたのは、父だった。

「誰かが呪縛以外に行動も制御したな」

「それって出来るのですか?」

聖は父に聞く。父はそれに、首を振る。

「無理だ。呪縛だけなら、私にもできるが、相手に気付かれずに、行動を押さえるなんて芸当は私には出来ない」

「父様にも、無理なんですね」

父に確認を取る。

「ああ。それに、今回は」

父は言いよどむ。

「行動を止めて呪縛もとなると」

聖は言う。

「敵は複数。それも、きちんと陰陽道を知っている者がいるな」

父はその答えを言う。それに、聖は顔を顰める。

「厄介ですね」

「ああ。でも、出ずれそれを、相手にしなければならない」

「ええ」

聖は何かを決めたように、頷く。

「それにしても、お前可愛いな」

騰蛇は起こり気味に。

「こんなんなって、如何するよ。力も身体に応じているのか、使えないんだぜ。やってられねぇよ」

「そう言うな。お前が生きていたことのほうが、私には嬉しい」

聖が言うと、照れ臭そうに白虎が言う。

「敵はわかんねぇけど、あいつらに俺がやられるかよ」

「あいつら?」

「ああ。攻撃が左右前後から来たからな」

「左右前後と言うことは、二人でもないな」

「ああ。俺が2人如きにやられるかよ」

聖はそれに笑う。

「そうだな。いつも白虎と鍛えているもんな」

「そうだぜ。騰蛇の方が強いぜ。なんせ、俺が認めた男だぜ」

白虎が出て来る。

「当たり前だぜ」

ちょっと照れ臭そうに騰蛇は言う。

「でも、ずいぶん可愛くなっちまったな」

そう、白虎が言う。

「うっせえ」

聖は父に聞く。

「父様、いかかですか?」

「力を元に戻すことは出来ないが、霊力補助なら出来る」

「それをお願いします。騰蛇には、そんなものでしかないかもしれない。ですが、今のままでは騰蛇もきついものがあります」

「分かった」

そう言って、父は騰蛇に術をかける。

「オン、アジャラダセンダサハタヤ、ウン。でもこれはあくまでも霊力補助を目的としたもの。お前自身の力ではない。それを肝に銘じておけ」

「分かりました」

騰蛇は頷く。

「お前なら、力がなくなっても自分で如何するべきか道を見つけるだろう」

「有り難うございます。そう言って、下さって」

「私はお前を信頼している。息子を預けるくらいに」

「その信頼答えてみせましょう」

「頼む」

父が頭を下げると、聖が焦る。

「お辞め下さい。父様が下げる必要の無いものです」

「だが? 大事な息子を頼むんだ。きちんとお願いして置かないとな」

父にそう言われ、聖は感極まったように俯く。

「私が自分で言います。父様は頭など下げないでください」

聖の言葉に父は笑う。

「そうか? じゃあ、きちんと頼んでおけ」

「はい。後で」

そう言って、再度勝負を挑む。

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