「来いよ、リンラ」
ここは・・・どこ??
目が覚めて驚いた
道路の中心に立って一回転してみる・・・
お祭りでもやってるの・・・?
あたりは、コスプレした人たちで賑わっていた
あたし以外みんなコスプレ・・・?
「えぇ?・・・なんなの?」
魔女の格好をした人、うさぎの着ぐるみの人、背中に羽をつけた人・・・
自分のお店の前に、商品らしきものを並べて道を歩く人たちに声をかけている人、道を歩いている人
街角で歌ってる人、楽器を弾いてる人・・・
してることはみんな『普通』なのに服装が・・・おかしい
一本道の先を見ると、おとぎ話に出でくるような白い煌びやかなお城が立っていた
ほんっと、ココどこ?
「うぅ・・・誰に話しかけよぅ・・・」
安全そうな人がいいな~
その場に突っ立ったまま辺りをキョロキョロしてみた
みんな奇抜なコスプレしてるからなぁー、誰にするか迷うな・・・
「おい」
じっくり考えていると、後ろで冷たい声が響いた
「えっ?」
びっくりして振り返ると・・・
「迷い人だろ?お前」
そこには冷めた顔の・・・美少年が立っていた
美少年の黒い髪が、風になびかれて、ふわっとなびいた
そしてあたしは気がついた
「ねぇ・・・なんでコスプレしてないの?」
そいつは、あたしが思う『普通』の格好をしていた
あたしの言葉にフッと顔を緩めて、照れたように少し笑った
なんか・・・可愛いなぁ
「おもしれぇな・・・お前」
「えぇ?」
質問の答えになってないし・・・
「来いよ、リンラ」
そう言うとあたしの手を握って歩き出した
「手、痛いし・・・ってか、なんであたしの名前知ってるわけ?あと、なんであたしここに居るの?あと、 迷い人って?」
「多いな、質問」
無表情でそっけなくそう言うと、あたしの腰に手を回してぐっと自分の方に引き寄せた
「何?」
「姿消すから、黙ってて」
美少年は、真剣な顔で遠くの・・・例のお城をを見つめた
ってか・・・コイツ何言ってんの?
姿消す~??
はぁ~?