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回想してみる。

二羽目、じゃなくて二話目。

12/15 ちょっと改行いじりました。

 その日はいつもと同じで、学校からまっすぐ家に帰った。


 いつもと違うのは、明日から夏休みだから帰宅時間が違うだけ。

 午前中で終業式が終わったから、現在炎天下の中を帰宅中。

 アスファルトの道路は、夏の太陽光に照らされて、ゆらゆらと景色を歪めてる。

 できるだけ日陰を選んで歩きながら、私は真っ直ぐ家を目指す。

 時折すれ違う近所の人に挨拶して、もらった成績表もそんなに悪くなかったから、私は母にどうやってお小遣いアップを交渉するか考えていた。

 帰り道は一人だけど、別に友達がいないわけじゃない。

 友達は部活が午後からあるからって、お弁当持参で学校に残ってるから一緒には帰らないだけです。ほんとです。

 剣道部には何回か勧誘されたけど、母方の祖父ちゃん家の道場で習ってるので、却下です。別に止められてないけど、真剣にやりたいわけでなく、趣味の一つ程度ですので、部活には入りません。

 部活は入ってない代わりといってはなんだけど、家に帰れば家の手伝いが待っている。家の手伝いと言うのは、両親が経営している喫茶店の手伝いのこと。そこそこのお値段で結構おいしいと評判ですが、今どきのオシャレなカフェとかじゃなくて、ちょっとばかり西洋風なレイアウトの喫茶店です。壁に剣とか盾とか飾ってあるから、西洋風と言うより西洋館風みたいな?かんじかもしれないけど、洋食店ではなく喫茶店です。

 大事なことなので、二回言いました。

 コーヒーとか紅茶は父が淹れて、料理は母が作るっていう分担をしてますが、時々料理は父も作ります。うちの父は、何気に料理上手いので、近所の奥様方には人気です。母の尻に敷かれてても。

 私は父も母もどっちも見て覚えて、ついこの間、父に紅茶の味に合格をもらえたばかりなので、張り切って紅茶入れてます。

 母には料理を教えてもらって、夕飯とかを一緒に作ってる。市販のレトルト使うと楽だけど、一から作って自分の味を見つけるのが結構楽しい。将来は料理人になるかと言われると、そこまでしたいわけではないので、これも趣味の一つだと私は思ってる。

 将来のことはまだ良く分からないけど、喫茶店を手伝った分だけアルバイト料代わりにお小遣いが貰えるんで、夏休みとかは稼ぎ時ですよ。

 もうじき下の双子兄妹の誕生日だから、なんか買ってあげたいし。


 そんなことを考えながら歩いていると、家が見えてきた所で灰戸さんに会った。

「よう、海里。今帰り?」

「ただいま灰戸さん。今帰りー」

 灰戸さんは、母方のお爺ちゃんの友達で、母の友人の旦那さん。永遠の三十歳とか言ってるけど、見た目から五十歳に見えないので、初対面人は騙される。まじで三十歳くらいに見える。身体つきも逞しいっていうのか?友達のとこのお父さんみたいにお腹出てないどころか、腹割れてるからすごいよね。

 うちの父もそうだけど、友達がうらやましいって言ってた。その辺は自慢する。大いに自慢する。父かっこいい。尻に敷かれててもカッコいいよ。

「灰戸さんはどうしたの?父も母も喫茶店の方にいるとおもうけど、家の方に用事?」

 と訊ねたのは、灰戸さんが喫茶店側じゃなく、家の玄関がある裏側に居たから。

 いつもは喫茶店の方に顔を出してるのに、こっちにいたからどうしたのかと思ったのですよ。なんかやったのかな?

「謝ったら許してくれると思いますよ?」

 訊いてみたら、いつもなんかやってるような言い方すんなって怒られた。

「それに、今回はまだやってない!」

 と胸を張って言う灰戸さんだが、胸張って言うことでもないと思う。というか、まだ、なんだ。これからなんだ。

「じゃあどうしたんですか?」

 何やるつもりなのかも含めて再度訊ねると、灰戸さんに頭を撫でられた。

「うぇあ!」

 グルんグルん首ごと回す感じで。

「なにんすんですか!!」

 おかげで髪グチャグチャで、首が痛いじゃないかと講義をしようとしたら。



「        」



「え?」

「なんでもないよ。それじゃあな!」

「ちょ、灰戸さっ、ぁ!」

 最後におでこを指で押されたけれど、それだけ言って灰戸さんは帰っていった。

 おでこをさすりながら灰戸さんの後姿を見送って、さっき言われた言葉を思い起こそうとしながら玄関度ドアを開けた。


 そこに広がっていたのは、見慣れた下駄箱ではなく、フローリングの廊下でもなく、太陽光をいっぱいに浴びた青々とした草の絨毯。


 私の目の前には、緑色が綺麗な森が広がっていました。



 なんでやねん。


そのうち人物図鑑とかできたら書きます。

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