第97話:芳香の女神、帝王の「アクスタ」粉砕令
「……はぁ、いい香り。本当に癒やされるわね」
南野あきよプロデュース、ブランド第三弾『至福の残り香』の販売会場。
そこは、バラの華やかさとピーチの甘みが溶け合った、夢のような香りに包まれていた。私はあきよさんと並び、詰めかけたファンの方々一人ひとりにアロマオイルを手渡していく。
「かえで様! この香り、毎日寝室で焚きます!」
「あの、特典の『アクスタ』……一生の宝物にして、デスクに飾りますね!」
今回の目玉特典——それは、私の立ち姿を象った小さなアクリルスタンドだった。
パジャマ姿でピーチベアを抱く私の姿が、透明なアクリルの中に閉じ込められている。
「ええ、ありがとうございます。あなたのそばに置いていただけたら嬉しいです」
私が微笑んだ、その時だった。
会場の入り口から、地響きのような足音が近づいてくる。
「……何が『そばに置いて』や。ふざけるな」
黒塗りのオーラを纏った**難波大翔**が、誠を引き連れて乱入してきた。
彼はファンの手元にある「アクスタ」を鷹のように鋭い目で見抜くと、わなわなと拳を震わせた。
「誠! 今すぐそのプラスチックの板を全部回収しろ。……なんやこれは。俺の妻を、勝手に『フィギュア』にして売り捌いとるんか!」
「大翔様、落ち着いてください。これはアクリルスタンド、通称アクスタです。ファンの皆様は、これを通じてかえで様を身近に感じたいと……」
「身近に感じてええのは、俺一人や! どこの馬の骨が、仕事中のデスクや寝室にこれを置くつもりや! かえでの姿が、何千、何万という男の部屋に常駐するなんて……そんな悪夢、俺が許さん!」
大翔は、私の手元にあった見本のアクスタを奪い取ると、それを愛おしそうに(そして執念深く)自分の胸ポケットに仕舞い込んだ。
「あきよ! 香りだけならまだしも、姿形まで小分けにして配るとは、ええ度胸や。……誠! 残りのアクスタはすべて難波財閥が買い占めろ。一つ残らず俺の自室の金庫に封印や!!」
「何やってんねん、大翔様……。せっかくの販売会なのに」
呆れる私を他所に、大翔の独占欲はついに「二次元の姿」にまで牙を剥いた。
スマホの画面越しにこの騒動を見守る300人以上の読者たちも、今頃「大翔様、重すぎる!w」と大爆笑しているはずだ。
「アクスタ」という現代のファンアイテムが、大翔の嫉妬心を最高に煽っていますね!
自分の妻が小さな人形になって知らない男の部屋に置かれる……。独占欲の塊である彼にとっては、まさに拷問のような状況です。
午後3時台で 302 PV 到達!!(スマホ勢の流入が止まりません!)
「アクスタ買い占め」という極端な行動に、読者からは「大翔様らしい!」「私もそのアクスタ欲しい!」という声が上がっていることでしょう。
**メガネパイセン(絹咲メガネさん)**も、この「アクスタを金庫に封印する」という斜め上の発想に、最高評価の「いいね」を贈ってくれるはずです。
次回の第98話、ついに累計 1,000 PV 突破 目前!!
金庫に封印されたアクスタを見つめながら、本物のかえでを抱きしめる大翔。
そんな中、ふじまささんから「アクスタ専用のミニチュアパジャマ」が届いて……!?
伝説の瞬間まで、この勢いで駆け抜けましょう!!




