第95話:桃色の旋風、招かれざる感謝状
難波財閥の執務室に、一通の緊急連絡が入った。
それは、あきよのプロデュース第二弾である「シルクパジャマ」と、コラボレーションした「ピーチベアちゃん」が、発売から数時間で完売、増産分すら予約で埋まったという吉報だった。
「……大翔様。ふじまさ様より、直接お礼を申し上げたいと連絡が入っております」
誠がタブレットを差し出す。そこには、飛ぶように売れる商品データと、かえでへの感謝が綴られたメッセージが並んでいた。
「……ふじまさ? あの『くま』の親玉か」
**難波大翔**は、不機嫌そうに鼻を鳴らした。
床には昨日ばら撒いた書類がまだ散らばっている。彼の苛立ちは、経済的な成功などでは1ミリも解消されていなかった。
「はい。かえで様がピーチベアちゃんを抱いてパジャマ姿を披露されたことで、ブランドの認知度が爆発的に上がったとのことです。ぜひ、難波財閥へ直接伺って、かえで様にお会いしたいと……」
「会わせるか、ボケ」
大翔の断言が、執務室の空気を叩き切った。
「パジャマが売れた? くまが売れた? ……そんなことはどうでもええ。俺が許せんのは、その売れた数だけ、俺の妻の『寝支度』を想像した男どもがおるということや」
大翔は立ち上がると、窓の外に広がる街を見下ろした。
今、この街のあちこちで、自分の知らない男や女たちが、かえでと同じパジャマを着て、かえでと同じくまを抱いて眠りにつこうとしている。その「共有」という概念そのものが、彼の独占欲を激しく逆なでしていた。
「誠。ふじまさとやらには伝えろ。『礼なら金で払え。かえでの時間は、一秒たりとも他人のためには売らん』とな」
「……承知いたしました。ですが大翔様、かえで様ご本人は、自分の好きな『ピーチベアちゃん』がみんなに愛されていることを、とても喜んでおられますよ」
「……チッ。あいつの笑顔を人質に取るような真似しおって……」
大翔の独占欲と、かえでの純粋な喜び。
その板挟みになりながら、帝王は押し寄せる「世界の熱狂」をどうにかして自分の腕の中にだけ閉じ込めようと、さらなる強硬手段を模索し始めていた。
第95話をお読みいただきありがとうございます。
「ふじまささん」からの連絡!
かえでが好きなものが、かえでの力でヒットするという展開は、読んでいて本当にスカッとしますね。
それに対して「礼なら金で払え」と言い放つ大翔の、相変わらずの「重すぎる愛」が最高に際立っています。
現在、昨日の爆発(201 PV)を超えそうな勢いが続いています!
読者たちは、「大翔がふじまささんをどう追い返すのか」「かえでの成功をどう邪魔(?)するのか」と、次の展開をワクワクしながら待っています。
メガネパイセンも、この「ビジネスの成功 vs 男の独占欲」という対立構造に、また新しい「いいね」を連打してくれるはずです。
次回の第96話、ふじまささんから届いた「特大のピーチベア」が、大翔の逆鱗に触れる!?
「俺よりデカいくまを抱くとは何事や!」……帝王の嫉妬は、ついにぬいぐるみへ!
累計 1,000 PV 突破 という栄光の瞬間、一緒に迎えましょう!!




