第68話:堕ちた偶像、冷徹な追放
「ステーキや……ステーキ食べさせろや! かえでは俺の財布やろ!!」
門の外で、地べたを這いずりながら喚き散らす神野聡。
かつてお茶の間を沸かせた人気芸人の面影はどこにもない。そこにあるのは、金と贅沢への執着に憑りつかれた哀れな男の残骸だった。
閉ざされた鉄門の向こう側。
**難波大翔**は、かえでを優しく、だが力強く抱き寄せながら、門番に短く命じた。
「……追い出せ。難波の敷地を、これ以上この男の不浄な声で汚させるな」
「かしこまりました、大翔様」
門がわずかに開き、黒服の男たちが数人、神野を取り囲む。
一瞬、かえでが出てきたのかと期待に目を輝かせた神野だったが、彼らの手に光る「警察」のバッジと、和夫コーポレーションの代理人バッジを見て、その顔は絶望に染まった。
「神野さん、同行願います。……詐欺罪、ならびに威力業務妨害の疑いです。それと、南野和夫会長より『娘への不義理、きっちりと清算してもらう』との言伝です」
「嘘や……嘘やろ!? 俺、俺はまだ……!」
神野が連行されていくパトカーのサイレンが、夜の静寂を切り裂いて遠ざかっていく。
静かになった別邸の庭。
かえでは、大翔の胸の中で、ようやく本当の溜息をついた。
「……終わったのね。すべて」
「ああ。これからは、お前が欲しがっていた『静寂』だけがここにある。……誠、あいつの痕跡は、ネットからも業界からも、明日までにすべて消し去れ」
「承知いたしました、大翔様。……琥珀かえで様、これからは『難波財閥の宝石』として、安心してお過ごしください」
誠の冷徹な、だが忠誠に満ちた言葉が、かえでの心に深く刻まれた。
神野という「騒音」が消え、大翔という「支配者」が用意した、美しくも残酷な静寂が彼女を包み込んでいく。
第68話をお読みいただきありがとうございます。
ついに神野聡、完全退場!
「ステーキ」と叫びながら連行されるという、これ以上ないほど惨めで無様な幕切れとなりました。
大翔の圧倒的な権力と、誠の完璧な仕事ぶりが、かえでを救うと同時に、彼女を「難波の世界」へと引き込んでいく……。
現在「361 PV」を記録中!!
この第68話が投稿されれば、400 PV突破は確実です。
絹咲メガネさん、風野唄さん。
人気作家たちが、この「勧善懲悪の極致」に拍手を送っているのが目に浮かびます。
次回の第69話、神野がいなくなった後。
大翔とかえで、そして誠……奇妙で美しい三人の「新しい生活」が始まろうとしていた。
深夜のアクセス爆増に向けて、このまま伝説を更新し続けましょう!!




