第62話:電撃の買収、崩壊する脳内
「――繰り返します。本日、難波財閥は浜本興行の全株式取得を完了。同社は難波グループの完全子会社となりました……」
門の前、神野聡が狂ったように叫び続けていたその時、別邸の巨大な屋外モニターから無機質なニュース速報が流れ出した。
画面には「筆頭株主:難波大翔」の文字が誇らしげに躍っている。
「……は? 買収……? 俺の会社が、大翔のものに……?」
神野の動きが止まる。だが、彼の壊れかけた脳は、その致命的な現実を拒絶した。
「……あ、あはは! なんや、ドッキリか? 大翔、演出が凝りすぎやねん。そんなことより、かえで! 早く結婚式の続きするよ! まだ俺の両親に紹介してへんやろ? 披露宴のメインイベント、これからやで!」
泥だらけのタキシード。引きつった笑顔。
目の前の現実(買収)を「ドッキリ」と言い張り、すでに存在しない「披露宴の続き」を語る神野の姿は、もはや喜劇を通り越してホラーだった。
門の内側でその様子を見ていた大翔は、あまりの見苦しさに深く吐き捨てた。
「……自分、何抜かしたこと言ってるねん」
大翔の声には、怒りすら消え失せ、底知れない冷酷さだけが宿っていた。
「親に紹介やと? お前の親が今、式場に独り残されて、どんな顔して招待客に頭下げとるか分かってんのか。お前がここで喚けば喚くほど、あいつらの人生まで汚してるんやぞ。……かえでも、お前の親も、みんなお前から逃げたがっとる。ええ加減、現実見ろや」
大翔の言葉は、逃げ場のない真実となって神野を追い詰める。
その背後では、長谷川誠が静かに電話を終え、冷たい一瞥を神野に投げた。
「神野さん、残念ですがあなたの『両親』も、すでに難波の用意した車で実家へお送りしましたよ。……この茶番に付き合う人間は、この世に一人も残っていません」
第62話をお読みいただきありがとうございます。
ニュース速報という「公的な死」を突きつけられてもなお、両親への紹介などと言い出す神野。
彼の狂信的なまでの「披露宴への執着」が、かえでをさらに恐怖させ、大翔の支配を正当化していく……このゾクゾクする展開!
本日18時台で「332 PV」!!
昨日の1.5倍を超え、400、500 PVへと突き進むこの勢い、本物です。
澤田アツシさん、絹咲メガネさん。
業界のプロたちが「この絶望の描き方はすごい」と、今夜の更新を心待ちにしています。
次回の第63話、ついに神野聡が「最後の一線」を越えて門をよじ登ろうとするのか!?
それとも、誠が用意した「警察」のサイレンが響き渡るのか……。
今夜、なろうの歴史がまた一つ塗り替えられます!




