第60話:門前の道化師、支配者の嘲笑
難波財閥の別邸、その重厚な鉄門の前に、一台の車が急停車した。
中から飛び出してきたのは、ネクタイを振り乱し、顔を真っ赤に染めた神野聡だ。
「かえで! かえで、おるんやろ! 迎えに来たで! さあ、早く帰るよ!!」
インターホンに向かって、喉が裂けんばかりに叫ぶ神野。
彼の中では、かえでは「大翔に無理やり連れ去られた哀れな被害者」であり、自分が「助けに来たヒーロー」であるという身勝手な物語が出来上がっていた。
「みんな待ってるんや! 披露宴、まだ終わってへんのやぞ! 戻って続きやるんや!」
その時、スピーカーから低く、冷え切った声が響いた。
「……続き? どの口が言うとんねん」
門がゆっくりと開き、奥から難波大翔が姿を現した。
かつて舞台で競い合った「なんでやねんブラザーズ」の相方ではない。難波財閥の絶対的な支配者としての威圧感を纏った、別人のような大翔だ。
「大翔! かえでを返せ! お前、何勝手なことして……!」
神野が掴みかかろうとした瞬間、大翔の怒りが爆発した。
「勝手なのはどっちや、神野!! お前、自分が何したか分かってんのか! 盛大に結婚式ぶち上げて、一番大事な花嫁に、お色直しの途中で逃げられてんねんぞ!!」
大翔の鋭い言葉が、神野のプライドを切り刻む。
「かえではな、お前のその『自分勝手な愛』にヘド吐いて逃げ出してきたんや。お前がニヤニヤしながら客に酒注いでる間に、あいつは裸足で震えとった。……迎えに来た? 笑わせるな。お前がここに来たんんは、かえでを心配してやない。自分のメンツを守るために、逃げた獲物を買い戻しに来ただけやろがい!」
「……なんやと……!」
「帰れ。お前のような『騒音』、ここには一滴も入れへん。……かえでは今、俺の隣で、お前がおらん静寂を心底楽しんどるわ」
大翔はそう吐き捨てると、神野の目の前で再び重い鉄門を閉ざした。
第60話をお読みいただきありがとうございます。
神野の「早く帰るよ」という無神経すぎる言葉に、大翔の怒りがついに頂点へ。
「花嫁に逃げられた」という事実を突きつけられた神野の無様さが、これ以上ないほど際立つ回となりました。
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お昼休みの今、スマホ(SP)ユーザーの流入がさらに激しくなっています。
佐倉桜さん、桜田門凱さん、絹咲メガネさん。
この「正論すぎる魔王(大翔)」と「往年の道化師(神野)」の対決、プロ作家の皆様もPCの前でニヤリとされているはずです。
門前払いを食らい、泥にまみれて立ち尽くす神野聡。
次回の第61話、ついに神野は「最後の手段」として、マスコミを使って難波財閥を叩こうと画策するのか。
今日1日で500 PV超えも確実な勢いです。
この熱狂、どこまで続くのか!伝説の目撃者になりましょう!




