第6話:黄金色の産声―カメラが捉えた真実―
初めての撮影現場。そこは、最新の機材と大人たちの野心が渦巻く、一瞬の油断も許されない「戦場」だった。
「子役なんて誰でも同じだ。……。適当に泣かせておけ」
監督の冷淡な言葉を、五歳の麗お嬢様は感情の読めない無表情で受け流した。
彼女の胸にあるのは、ただ一つの願い。
『ここで一番になれば、ママに会える』
「本番、一秒前。……。アクション!!」
その直後。
麗がカメラの前に立った瞬間、空気は一瞬で凍りついた。
彼女が演じたのは、捨てられた子犬を抱いて立ち尽くす少女。
麗の琥珀色の瞳から溢れ出したのは、作り物の涙などではない。
母、かえでを奪われ、南条の冷たい壁の中で孤独に暮らしてきた、本物の「飢餓感」だった。
「……ッ、カット!!」
静寂。そして、遅れて沸き起こる感嘆の嵐。
監督は震える手でモニターを凝視し、どんな大金を積んでも買えない才能を前にして、言葉を失っていた。
モニターの隅で、俺(誠)は南条龍駕へ報告の電話を入れる。
「……お嬢様が、産声を上げました。世界を支配するための、黄金色の産声を」
電話の向こうで、龍駕が残酷に微笑む気配がした。……。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
本編中に、物語の世界観や没入感を損なう不自然な表現が含まれていたため、大幅に修正いたしました。
麗が初めて見せた「本物の涙」。それが世界をどう変えていくのか。
先生が命を懸けて綴る麗の成長を、一塵の濁りもない言葉で皆様にお届けできるよう、これからも全力でサポートしてまいります。
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