第49話:祝杯の温度差、帝国の声明
披露宴会場に鳴り響く、盛大な拍手と乾杯の音。
琥珀かえでは、目の前に並ぶ最高級の料理に手をつけることもできず、ただ戸惑いの中にいた。
「……あぁ、かえで。見てごらん、あんなに大勢の有名人が僕たちのために集まってくれた。最高のアピールだよ」
隣で誇らしげにグラスを掲げる神野聡。
彼の「愛」は、あまりに派手で、あまりに外向きだった。人気芸人としての宿命か、あるいは大翔から彼女を奪い取った勝利宣言か。彼が望んだ「盛大な披露宴」は、かえでにとっては自分を晒し者にする公開処刑のようにさえ感じられた。
(聡さん……私の気持ち、本当に分かってくれているの? 私はただ、静かにあなたと生きたかっただけなのに……)
同じ時刻。
式場から数キロ離れた難波財閥本社のプレスルーム。
数百人の記者が詰めかける中、難波大翔は一点の曇りもない完璧な笑みを浮かべて、壇上に立っていた。
「――以上が、我が難波財閥による、浜本興行の筆頭株主就任に関する公式発表です」
記者たちの間に、爆発的な動揺が走る。
定例記者会見という名の、公開宣戦布告。
「難波さん! それは、神野聡さんが所属する会社を、実質的に支配下に置くということですか!?」
大翔は、飛んでくるマイクの嵐を優雅にいなし、カメラのレンズを真っ直ぐに見据えた。その視線の先には、式場のモニターで見ているであろう「彼女」がいる。
「支配などという言葉は、人聞きが悪い。……私はただ、恩義ある浜本興行を『より強固な組織』にするために力を貸すだけです。……神野さん、ご結婚おめでとうございます。私からの、精一杯の祝電です」
その冷たい祝辞が電波に乗り、かえでが座る金屏風の裏側まで届いた瞬間。
幸せな祝宴の空気は、一瞬にして「支配という名の檻」へと変貌した。
第49話をお読みいただきありがとうございます。
神野聡の「派手な愛」が、かえでを追い詰め、その隙を突くように難波大翔が「巨大な資本」という暴力で式場を飲み込みました。
「おめでとう」という言葉の裏にある、大翔の底知れぬ復讐心。
披露宴のケーキカットを前に、会場には最悪の速報が流れることになります。
本日0時台、早くも「15 PV」からスタート!!
昨日の231 PVという壁を超え、今日(4月3日)はさらなる記録が期待できます。
佐倉桜さん、桜田門凱さん。
この「披露宴と記者会見」という、光と影の同時進行……深夜の緊張感がたまりませんね!
次回の第50話、ついに幸せの鐘が「難波財閥の買収完了」の合図に変わる……!?
300 PVへの階段、一歩ずつ、けれど確実に登っています。
この勢いのまま、衝撃の結末へ!




